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【PS4・steam】ニューヨーク マンハッタン島という超巨大な狩り場 『The Division(ディビジョン)』 〈レビュー・感想〉 

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トレーラー

評価:90/100
作品情報
ジャンル オープンワールド
 ハクスラ RPG TPS
発売日(日本国内) 2016年3月10日
開発(デベロッパー) Massive Entertainment
開発国 スウェーデン
ゲームエンジン Snowdrop

メモ

 
・オフ専なので、ソロプレイのみ
 

短評

 
 パンデミックにより封鎖され無法地帯と化したマンハッタンという舞台設定や、カジュアルな服装とアーマーを組み合わせた民間人っぽさが新鮮なディビジョンたちのデザインセンスなど、個人的にゲームコンセプトの方向性は大好きでした。
 
 しかし『ディアブロ3』の影響の強いハクスラ要素があるため中毒性はそこそこ強めですが、TPS部分は凡庸でこれといって突出した魅力はありません。
 
 本編はソロプレイだと敵の耐久性が異常に高く苦痛なだけですが、アップデートによって追加されたマンハッタン全体が狩り場となるワールドクラス制はゲームそのものへの評価が劇変するほど好ましいエンドコンテンツでした。
 

現代の都市でハクスラを成立させる高度な試み

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 この作品は、ウィルスのパンデミックにより封鎖されたニューヨークのマンハッタンを舞台にしたオープンワールドゲームです。
 
 敵を倒した際にランダムでアイテムがドロップされるハクスラ要素を中心に据え、RPG(成長)要素もしっかり用意されています。
 
 ハクスラ部分は『ディアブロ3』の影響が強めです。装備できる武器がレベル制(本編のみ)で、戦闘中に任意で使用できるスキルに好みのMOD(追加効果)が設定できることなど、ほとんど『ディアブロ3』そのものです。
 
 『ディアブロ3』以外にも『ボーダーランズ』のようなハクスラとRPGシューターの混ぜ方や、『デッドスペース』を意識しているっぽいキャラクターの前面にUIが展開されるデザインなど、様々なゲームの影響があります。
 

 
 中でも個人的に好みだったのが、ドルインフル(人工的に改良された天然痘)によるパンデミックで隔離された街という舞台設定を生かし、臨時の復興拠点となる施設である郵便局の復旧作業とゲーム性を連動させる試みです。
 
 郵便局が復旧していくごとにスキルやそれを強化するMOD、タレント(セットしないと効果を発揮しない効果)やパーク(一度取得してしまえば、セットしなくても自動で永続的に発揮し続ける効果)が解放されていくという、舞台とゲーム性を組み合わせるアイデアは非常に好みでした。
 
 パブリッシャーはUBIで、開発はUBIではなくスウェーデンのMASSIVE(マッシブ)ですが、ほとんど舞台設定に凝るUBIのオープンワールドゲームのスタンスと似ており正直見分けがまったくつきません。
 
 ただ、ワガママを言えば、もう少しハクスラそのものにも意味を付加させて欲しかったところ(武器商人が大量の改造武器をばら撒きまくって性能差が極端な武器があちこちに出回っている、など)。
 

空虚さが目立つマンハッタン

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 本作で最も惜しいと感じるのは肝心の舞台となるニューヨークのキャラクター化の失敗です。
 
 ただ単にパンデミックによって崩壊した後のニューヨークの街並みを豪華なグラフィックで見せられても、視覚的に贅沢なだけで興味の持たせ方としては物足りずこの街についてもっと知りたいという好奇心を刺激してはくれません
 

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 主人公はニューヨークに派遣される第二波のディビジョンエージェントで、ほぼ壊滅状態の第一波のエージェントたちの中には街や市民を救うという使命を放棄する者もいるなど、映画の『地獄の黙示録』(もしくはその影響が強いゲームの『スペックオプス:ザ ライン』)っぽいことをやろうとしている節があります。しかし、これがなぜか本編では完全ほったらかしなので、ストーリーもさほど先が気にならず淡々としています。
 
 パンデミックによって封鎖されたという割にまったくウィルスによる汚染をゲーム的に表現する気がなく(せいぜい汚染エリアに侵入するのに郵便局をある程度復旧させ、フィルターレベルを上げなければならないといった程度)、『フォールアウト』シリーズにおけるガイガーカウンターのように、危険地帯に近づいているという緊張をもっと出して欲しいという不満が尽きません。
 
 マップのそこら編にパンデミック発生時の混乱を垣間見ることが出来るエコー(過去の出来事をAR?で再現したもの)や、音声データやらが配置されておりそれを回収することで一応事件の発端を覗けますが、これではまったく物足りず。昔の『バイオハザード』のようにファイルに謎解きのヒントが隠されており、先に進むため片っ端からファイルを読んでヒントを探しているとそこに事件発生時の状況が書かれていたり、関係者の日記が読めたりと、自然とゲームプレイにドキュメントを読むという行為を組み込んでいるならまだしも、本筋とは一切関係ない独立したドキュメントをただあちこち回収して回る行為に意味があるとはまったく思えません。
 
 現状は『アサシンクリード』のようにフィールド内の全建物に昇れてパルクールで駆け回ることが出来るというアクション的な感触もなく、ただ贅沢に金をかけて見た目が豪華なだけの、オープンワールドが目的化しただけのゲームという印象以上のものがありません。
 

ワールドクラスという良質なエンドコンテンツ

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 このゲームは発売直後に一度クリアしたものの、その時は本編だけで疲れ果て(ソロプレイでやると中盤以降は敵の耐久力があり過ぎて拷問のようなバランスになるため)そこで止めました。
 
 ですが、その後のアップデートでエンドコンテンツが拡充されたため、再び最初からプレイし直すことにしました。
 
 今度はレベルを上限の30まで上げ、アップデートにより追加されたワールドクラスという街中の全エリアを徘徊する敵が最高レベルに統一され、どの敵も最上級の装備をドロップするようなバランスになるモードに切り替えると、
 
 
 なんと、世界が激変!?
 
 
 ワールドクラスに切り替えた途端、街中のただのザコ敵でさえ強力な装備をガンガンドロップするため見る見るうちに装備が強化され、快感で病み付きになりました。
 
 そのおかげで、あれほど固い上に高火力で出合い頭にほぼ瞬殺されるばかりだった敵が入手直後の銃の試し撃ち用の的みたいな存在になり、街をただ徘徊して装備を充実させていくだけで楽しくて仕方がありませんでした。
 
 ワールドクラスはレベルが廃止され、ギアスコアという装備に設定されたスコアが強さの基準となります。
 
 スコアの高い装備を集め一定のギアスコアまで達すると、1~5まであるランクを手動で上げられ、ランクを上げると敵がさらにスコアの高い装備を落とすようになる、という流れをランク5まで繰り返します。
 
 

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右下の271というのがギアスコア

 

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 本作が凄いのはこれにプレイエリアの縛りがないことです。
 
 オープンワールドの全エリアどこでもザコ敵から最強クラスの装備を集められるため、ただミッションの目的地まで素通りするだけの弱い敵しか出現しないエリアですら最強の装備を狙える狩り場と化し、存在感が大幅に強化されます。
 
 ニューヨークの街演出が空虚だと前述しましたが、ワールドクラスになるとこの街が超贅沢なオープンワールドダンジョン化するので、クリアするまで感じた不満が消し飛ぶほどです。
 

敵がまるで見えない!!

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 全編通して一番辛かったのは『コールオブデューティー アドバンスドウォーフェア』でも同じ欠点に悩まされた、遮蔽物の陰に隠れた敵を強調表示させる機能(CoD AWではグレネードや光学機器、こちらはスキル)を際立たせるためか、とにかくカバー状態の敵が豆粒のように小さくて見え辛いこと。
 
 一応スキルを使用すると敵の居場所が丸分かりになり有利に戦えるものの、逆にスキルを使わないと敵がいる方向は表示されても、目を凝らさなければ姿が見えず、ストレスのほうが圧倒的に勝ってしまいます。
 
 自分は視力が悪いので室内の暗い場所や広けた場所で遠くにいる敵などは姿がまったく見えず、敵がいるっぽい場所(レティクルの色が変わる場所)にひたすら当てずっぽうで弾をばら撒いたり、オートで敵を攻撃してくれるスキルや敵を足止めするスキルがクールダウンするのをひたすら長時間待ったりと、無茶苦茶な戦い方をしなくてはならず、かなり辛いものがありました。
 
 本編では少しでもカバー状態から体を露出させると瞬殺されるため、敵に接近することやスコープで狙うことすら容易ではありません。
 
 シューターをやる際は基本オートエイム設定は切るようにしていますが、このゲームは遠くの敵の姿がまったく見えないのでやむを得ずオートエイムに頼った戦い方をしなくてはならずそこは大いに不満でした。
 

最後に

 
 クリア(厳密にはクリアはないのでメインミッションを全て終える)まで約30時間強ほど。その後さらにレベルを30まで上げてカンストさせるのにプラス数時間ほど掛かります。
 
 ハクスラがその真価を発揮するワールドクラスに移行するまで計35時間ほどはかかりますが、これを一度味わうと作品評価が劇的に変わるため、払う労力に見合った価値は十分過ぎるほどあると思います。
 
 

 

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