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【海外ドラマ】DCの悪癖、登場人物が悩み過ぎる問題が発症したシーズン2 |『The Boys(ザ・ボーイズ) シーズン2』| Amazonプライム | 感想 評価 レビュー

予告

作品情報
配信日 2020年9月~10月
話数 全8話
評価 80/100
アメリカ
映像配信サービス Amazonプライム・ビデオ

ドラマの概要

 
このドラマは、Amazonプライム・ビデオ限定のヒーローパロディドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』のシーズン2です。
 
シーズン2は登場人物に悩みを吐露させるパートが増え、しかも出来の悪いストーリーをマジメにやり出すなど、悪趣味に突っ走りブラックなコメディとして秀逸だったシーズン1に比べると魅力が半減しました。
 
特に、DCヒーロー作品全体に共通する悪癖である登場人物がひたすらウジウジ悩む感傷的な場面が長くなったことでシーズン1の良いところが減り、ダメな部分が増してしまい、シーズン1ほどの輝きがありません。
 

つくづくマーベルはヒーローが感傷的になるシーンを最小限に抑えることを徹底しておりDCより遙かに偉いなと思います

DCヒーロー相変わらず悩みすぎ問題が深刻なシーズン2

 
シーズン1は、アメリカの行き過ぎた資本主義にどっぷり浸かり腐敗したスーパーヒーローたちの悪行三昧が最高に愉快だったのに、シーズン2はDCヒーロー作品にありがちな登場人物が深刻ぶって延々と悩み続ける場面が増えうんざりです。
 
例えばマーベルで言うとディズニープラスのオリジナルドラマシリーズである『ムーンナイト』もヒーローものというより親に対するトラウマを抱えた主人公が己の過去と向き合いそれを乗り越える話というどちらかというと感傷的な場面が目立つ作品で『ザ・ボーイズ』と似た部分も多くありますが、さすがにここまで話を停滞させてまでウジウジ悩ませることはせず、主人公の葛藤とアクションを連動させる見やすいドラマでした。
 

 
それに比べ『ザ・ボーイズ』はコメディにも関わらず過剰なほど登場人物たちが悩む場面に尺が割かれ、ただでさえ会話が間延び気味でダルかったシーズン1よりさらに退屈です。
 
さすがに多くの時間をそれぞれが抱える悩みの解決に費やし役者の好演もたっぷり見せたため、シーズン1に比べると個々のキャラクターの人間性が際立ったものの、その代償も大きくコメディとしての魅力はほぼ半減しました。
 
コメディとして悩みに悩んだ結果導き出した答えや行動が爆笑といったキレの良さもなく、本当に悩むために悩むだけのグダグダさでここら辺はDCヒーロー作品の悪い癖がストレートに出ておりキツイものがあります。
 
しかも、シーズン1よりストーリーにマジメに取り組みだしそれが行き当たりばったりの適当さで面白くもなんともなく、これならブラックな笑いに振り切っていたシーズン1のほうが遙かにマシでした。
 
ブッシュ政権やトランプ政権のような移民排斥運動や白人至上主義や黒人差別といったアメリカを蝕む社会問題を取り入れ、挙げ句の果てにナチスまで出しても、根本の脚本が雑で話に深みがなく何の興味も湧きません。
 
ブラックな笑いもシーズン1に比べると明らかに腰が引けており「そこまでやるのか!?」という感動は一切ありませんでした。
 
全体的にシーズン1の優れた箇所は後退し、ダメな部分が増してしまい、満足度はシーズン1には到底及びません。
 

最後に

 
もっとブラックなコメディとしてストーリーも常識も全て放り投げて無責任にメチャクチャやって欲しかったのに、どこかこぢんまりとまとめようとしすぎでシーズン1に比べると魅力が半減しました。
 
堕落したヒーローたちのキャラクターが強烈なのでそれだけで見続けることは出来ますが、どうしてもシーズン1の知的さとグロさと不謹慎さが良い塩梅で混じり合った出来に比べると不満が多く残る内容です。
 

ザ・ボーイズ シリーズ

 

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