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[映画]がっこうぐらし! 〈レビュー・感想〉 あまりの痛々しさに居たたまれなくなる駄作

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トレーラー

 
評価:50/100
 
作品情報
公開日(日本) 2019年1月25日
上映時間 101分

短評

 
 がっこうぐらしという作品が持つあらゆる長所を殺し尽くすような改悪に次ぐ改悪のオンパレードで、がっこうぐらしの実写版としても、一本の映画としても見るべき箇所が皆無な駄作の極み。
 

ゾンビよりも遙かに腐りきった映画

 
 原作漫画は未読でアニメ版のほうは非常に楽しめたのに、この映画版は見ていてただただ苦痛でした。
 
 映画の『リアル鬼ごっこ』の監督ということでまったく期待していなったのに、事前の予想を遙かに下回るほどのダメっぷりで本当に1時間40分が拷問でしかありません。
 
 低予算であるということを踏まえても、映画の始まりから終わりまで1ショットたりとも映画として成立している絵がなく、ほとんどアイドルのイメージビデオを見せられているようなやる気の感じない映像に白けるだけでした。
 
 それに、アニメ版を見た際に最も魅力を感じた、二つの異なる視点が重なり合うことを利用し悪気のない一言が毒っ気を含み場を凍らせる緊張感のある会話劇の面白さも完全に消失しました。
 
 これは原因が二つあり、まず主演が本業の役者ではなくアイドルなので単にセリフをきちんと発音できていないという演技力や演技指導の問題。そして、視点の置き所が肝心の由紀ゆきではなく、胡桃くるみたち側に置かれているせいで由紀が見ている世界の存在感が極端に弱く、二つの世界が重なり思考をうながす効果を生まないという脚本上の問題があると思います。
 
 アニメ版は、由紀視点のほうを強調しそれを徹底して印象づけることで、由紀とそうでない人物が認識する現実がダブって見えたのに、映画版だと由紀のキャラクターが薄すぎて、単にメンバーの中に頭がおかしくなった人が一人いるだけにしか見えずこの部分がまったく機能していません。
 
 映画版を見ると、アニメ版は由紀とそれ以外の人物が見る現実の重みをしっかり調整して一方に傾かせず二つが重なって見えるように微調整が行き届いていたことがよく分かります。
 
 それに、がっこうぐらしという作品は由紀がショックで幼児退行しているのに、周りが無邪気な由紀を見て安心したいがために、由紀が正気を取り戻すことを間接的に引き延ばそうとしているようにも見え、色々なことを想像させられます。
 
 それはいつまでもキャラクターたちが成長せず無邪気な振る舞いをし、時が止まり続けて欲しいと願う日常系アニメ批評にも見えるし、『機動戦士ガンダム』など永遠に戦争が続いたほうがシリーズが延命できるのでひたすら作品内で悲劇が繰り返されることを願ってしまう病んだファン心理批評にも見えるなど深読みしたくなる構造なのに映画版にはそのような魅力がありません。
 
 安っぽいだけの映像は退屈で、話もただのダイジェスト。低予算をアイデアでカバーするなどの気概もなく、ただただ戦略もなくなんとなく実写化しただけというずさんさで、見たことを心底後悔するだけでした。
 

最後に

 
 がっこうぐらしという作品の良いところを根こそぎ殺し尽くし、映像作品としては撮影が酷すぎて見るに堪えない時間を損するだけの最悪な実写版。
 

この駄作の100倍面白いアニメ版