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幻覚ばかり見せられるシリーズ二作目 「Outlast(アウトラスト)2」 (steam版) 〈レビュー・感想〉

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トレーラー

評価:75/100
作品情報
ジャンル
ホラー ステルス
発売日
2017年4月25日
開発(デベロッパー)
Red Barrels
開発国
カナダ
ゲームエンジン
Unreal Engine 3

短評

 
 ビデオカメラの暗視機能を頼りに進むというステルスホラー要素は健在ながら、ゲーム的には長所も短所も両方前作からさほど変化せず、続編としてはややパンチ不足。
 
 しかし、前作から引き続きプレイヤーを飽きさせることのない怒涛の勢いは健在なためクリアまでは一切退屈しない中毒性がある。
 

 

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これといって代わり映えしない続編

 
 今作は舞台が室内から屋外メインになったこと以外は基本は前作を踏襲しており、さほど変化を感じられません。
 
 敵の位置を音で把握できるビデオに内蔵されたマイク機能や自動回復が無くなり消費アイテムである包帯を使って手動で治療するなど新要素が多数追加されてはいるものの、ベースのシステムはほぼ前作を踏襲しています。
 
 前作同様、真っ暗闇な場所を入手量が限られたバッテリーをやりくりしつつ、ライト代わりのビデオカメラの暗視撮影モードを頼りに、ステルスで隠れながら進み、攻撃手段がないので敵に発見されたら全力疾走で逃走する、を繰り返すゲーム部分はほぼ同じです。
 

ホラーと死にゲーの相性の悪さ

 
 今作も前作と変わらず、ホラーゲームなのにも関わらず、ちょいちょい入る敵からの逃走イベントが死にゲー的な作りのため、ホラー要素を相殺してしまい怖いのはほんの最初だけというのも一緒です。
 
 ホラーは鮮度が命なのでプレイヤーのシステムに対する慣れに非常に弱く、逆にシステムに対する慣れを要求してくる死にゲーとは本来なら相容れないはずなのに、このシリーズは二つをごっちゃにしてしまっているため、ホラー要素が極めて一過性です。
 
 同じ箇所でゲームオーバーを繰り返してしまうと体がゲームオーバー慣れしてしまい、一瞬で舞台や敵、シチュエーションに対する鮮度を消費し尽くします。
 
 そのため、序盤で一定数殺されゲームオーバー慣れしてしまったら後はただのほんの少し恐怖風味のあるステルスアクション化してしまいます。
 

相変わらず面白味ゼロなストーリー

 
 ホラーゲームなのに序盤でホラー要素を消費し尽くし、ステルスアクションが作業化しやすいという弱点を抱えている上に、今作はシナリオがやたら宗教色が濃く、ただの会話内容すら何を言っているのか理解できません。
 
 ただ、前作の企業が非人道的な人体実験をしているという話も興味を惹かれたかと言えばまったくだったので、ストーリーにさほど魅力も推進力もないという点は大して変わらず、大きなマイナスにも感じませんでした。
 
 それよりも、すでにこのシリーズの手法に前作で慣れ切ってしまったせいもあるのか、今作は作り手のサスペンスセンスの無さや、サスペンステクニックの引き出しの少なさがやたら気になりました。
 
 惨劇の舞台となる狂信者集団の村は、『バイオハザード4』の序盤の村にそっくり(途中で湖?を向こう側まで渡らなければならないという展開までそっくり)で、設定的に新鮮味もありません。
 
 
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 登場する村人(狂信者)達は、狂気の舞台の役者としては存在感があっさりしており、舞台・役者ともに華がありません。
 
 起こることは大体汚い物かグロいものが画面に映るか、狂信者に追いかけ回されるか、高いところから落下するか、主人公の過去のトラウマらしい記憶の断片のようなシークエンスがちょいちょい挿入されるかくらいで、延々これをルーティンするため、アイデアが序盤からすでにスタミナ切れしているような苦しさを感じます(血の雨が降るというアイデアは好きでした)。
 

中毒性はピカイチなアウトラストシリーズ

 
 序盤でホラー要素が薄まろうが、サスペンスの作り方にバリエーションが無かろうが、そこはプレイヤーをゲームプレイに没入させることに関しては怪物級であるアウトラストシリーズ。
 
 一度やりだすと一瞬で小気味よいテンポと心地よい緊張に魅了され、ゲームの止め時を失ってしまいます。
 
 単純な没入度で言ったらバイオハザードシリーズを軽く凌駕し、今作もちょっとだけ触ろうとしたら気付くと5時間ぶっ続けでプレイし終盤近くまで進めてしまい自分で自分のハマりっぷりに驚かされました。
 
 途中で自分の意志で中断することすら不可能になるほど没入させられたゲームと言えばplaydeadのLIMBO(リンボー)やINSIDE(インサイド)がそうでした。
 
 共通点と言えば、途中でゲームプレイが途切れることがない全てのシークエンスが切れ目なく繋がっているという構造です。
 
 今作は、前作にはあった気を失ったら違う場所からゲームが再開する、といったちょっとした切れ目のようなものすら無くなりました。
 
 狂信者達の村から突然主人公の記憶の断片シークエンスへ飛び、それが終わるとやや強引に次のステージに移行し終わっているという、ステージ間の移動を主人公の記憶の断片シークエンスを挟むことでダイナミックに省略するというけれん味のある演出で、一作目より没入度をさらに強化しようという意図が窺えます。
 
 前作の舞台が室内だったのに対して、今作は屋外なので、前作で感じた狭い壁を通り抜けたり、ちょっとした段差を飛び越えると敵が突然追跡を止めてくれるといった室内ゆえの不自然さが消えると同時に、次から次に流れるように舞台が移っていくため、より敵に追われるという展開から次のシークエンスに移る際の繋ぎ目に違和感がなくなるなど、ゲームの作りとしてはより自然になりました。
 
 しかし、前作の精神病院も狭くて視界が遮られることからもたらされるヒリヒリするような圧迫感が魅力的だったので、舞台として室内・屋外どちらがいいのか甲乙はつけがたいところです。
 
 前作と同じで今作もホラー要素を死にゲー要素が阻害しているで、ホラーとしては物足りなさがあります。
 
 しかし、そもそもホラーゲームとしてアウトラストを捉えるより、魔性の没入度と中毒性を発揮するホラー要素をちょこっとアクセントとして取り入れているホラー風味ノンストップステルスアクションゲーム、と考えたほうがいいのかなぁと、アウトラストシリーズに対する認識が今作をプレイすることで若干改まりました。
 
 
 

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最後に

 
 クリアまで約6~7時間ほど。
 
 インディペンデントゲームらしい、下り坂を一気に駆け下りるかのような心地よい疾走感が魅力で、一作目と同様にほとんど一気にプレイしてしまうほど中毒性が強く楽しめました。