発光本棚

書評ブログ

発光本棚

【PS4・steam】ユーモアという縦糸と暴力という横糸が織り成すロスサントス模様 『GTA(グランド セフト オート)5』 〈レビュー・感想〉

f:id:chitose0723:20191007223534j:plain

トレーラー

評価:100/100
作品情報
ジャンル オープンワールド アクション
発売日(日本国内) PS3版、Xbox360版:2013年10月10日
PS4版:2014年11月18日
PC版:2015年4月14日
開発(デベロッパー) Rockstar North
開発国 イギリス
ゲームエンジン RAGE(Rockstar Advanced
Game Engine)

メモ

 
・Xbox360版、steam版、PS4版をクリア済みで、基本はXbox360版との比較です
・オフ専なのでオフラインモードのみ
 

ゲームの概要

 
 このゲームは、ハリウッドでお馴染み、映画の街ロサンゼルスをモデルとした犯罪都市ロスサントスが舞台となる『グランドセフトオート』シリーズの一作です。
 
 PS4版はPS3・Xbox360のリマスター版です。ただ、リマスターと言ってもPS3・Xbox360版には存在しない一人称視点への切り替え機能が新たに追加された豪華な仕上がりになっています。
 
 前作4に比べマップがありえないほど広くなり、操作キャラクターも個性的な3人を任意に切り替える方式へと変貌を遂げ、ゲームの規模がケタ違いに拡大しました。
 
 もはやPS3・Xbox360世代のゲームのため古さは否めないですが、その完成度は最新のオープンワールドゲームにまったく引けを取らず、いまだに世界トップクラスのゲームだと思います。
 

飽きることがないロスサントス観光

f:id:chitose0723:20180212200021j:plain
 
 『GTA5』は個人的にゲームに限らずあらゆるメディアの作品と比べても人生でトップ5に入るほどの衝撃を受けた作品で、他のロックスターのゲームと比べても頭一つ飛び抜けて大好きな作品です。
 

Xbox360版から数えるとなんだかんだで5周くらいプレイし、合計プレイ時間は100時間を軽く超えています

 
 このゲームが衝撃的だったのは、質・量ともにPS3・Xbox360版の時点であらゆる全てのゲームを過去の遺物にしてしまうことを目的に作られているかのような熱意でした。そのため、ちょっとやそっとの経年で舞台となるロスサントスの街の輝きが陰ることはありません。
 
 Xbox360版の後にsteam版をやり、今度はPS4版と、もう三機種目のプレイにも関わらず、面白さがまったく衰えないどころか一切目減りすらしません。何度プレイしても計測不能な耐用年数ぶりに改めて驚かされるばかりです。と言うか、『レッド デッド リデンプション2』の退屈な馬移動がまったく肌に合わなかったため、むしろ車の移動が昔より楽しく感じられるほどです。
 

色々なゲームでPC版をプレイしてからPS4版も再プレイし直しましたがハッキリ言って印象が変わるゲームは皆無でした。多少グラフィックが粗くなろうがフレームレートが下がろうがゲームの本質的な面白さに影響はありません

 
 PC版には自分の好きな音楽を運転中に自由に聴けるセルフラジオという優れた機能があり、明らかにCS機に比べリッチな仕上がりです。しかし、今回PS4版をやり直したらそれが無くても特に問題なくプレイ出来ました。
 
 PC版をやった際はセルフラジオは移動の魅力を何倍にも膨らませる革新的な機能だと思いましたが、元々ハイレベルなドライブの面白味をより強化しているだけで、無ければなくてもロスサントスの見事な街並みと、常に程よい集中力を要求される車の交通量の多さだけでも十分移動の楽しさを堪能できます。
 

王者の風格漂う犯罪都市ロスサントス

f:id:chitose0723:20180212200343j:plain
 
 Xbox360版プレイ時はマップの広大さに圧倒されたものの、さすがに今ではこれ級のものは他作品にもあり、マップの広さ自体の強力なアドバンテージは弱まった感があります。
 
 ただ、マップの広さに対してある程度の冷静さを獲得できたことで、むしろメインミッションの完成度の高さに目が行くようになりました。
 
 ミッションごとに、そのミッションでのみ操作可能な特殊な乗り物を操作する贅沢なシミュレーター要素が用意されており、それを使い回さず次から次に使い捨てるため、ゲームプレイにしつこさや押しつけがましさを感じさせません。
 
 とてつもなく手間をかけて作られた特殊な乗り物をたった一回だけ使用して使い捨てるという、システム一つ一つに未練がましくこだわらないという余裕は、王者の風格を漂わせ、他のゲームとは別格な存在であると印象付ける要因にもなっていると思います。
 
 
f:id:chitose0723:20180212200249j:plain
 
f:id:chitose0723:20180212200325j:plain

年季の入った熟年カップル、マイケルとトレバーの愛憎劇

f:id:chitose0723:20180412154748j:plain
 
 発売当初はグラフィックに圧倒されたものの、現在では舞台のスケールは未だにトップクラスでも、単純な豪華さで比較したらこれより優れたゲームは他にいくらでもあります。
 
 ただ、単純なグラフィックの豪華さが強力な売りでなくなったため、むしろこのゲームの面白さの本質がそこでなく、マイケルとトレバーという過去で時間が止まったままの二人の人生が再び動き出す人間ドラマであると気付きやすくなりました。
 
 一見すると全編コミカルなやり取りを繰り広げているようで、その裏にはマイケルやトレバーが互いに抱く愛憎入り交じった感情が渦巻き、見た目は喜劇なのに本質は悲劇という、二人の心のすれ違いが切なく描かれており、何度プレイしても胸が締め付けられます。
 
 特にトレバーは一見狂人に見えて、誰よりも仲間思いの寂しがり屋なことがストーリーを通じて浮かび上がるだけでなく、キャラクター操作の切り替え時に大抵はトラブルを起こした状態から始まるという奇人演出の徹底ぶりはじめ、こんなに多面的な魅力を備えたゲームキャラクターは見たことがありません。
 
 この狂人ぶり自体がトレバーの繊細さの裏返しでもあり、よくここまで深みのある人物を創造できたなと思います。
 
 
f:id:chitose0723:20180212200630j:plain
 
 このゲームはユーモラスなやり取りが悲劇性を強調するというというテクニックがあらゆるゲームの中でも秀でており、ストーリーテリング力がずば抜けています。
 
 

f:id:chitose0723:20191007225159j:plain

 
 ゲームをやればやるほどマイケルとトレバーの関係が愛おしくなり、そこにかつて純粋だった頃の自分を思い出させてくれる両者のかすがいとなるフランクリンが脇を固めるという、完璧な相性の三人が一同に介する奇跡は感動的です。
 
 プレイするほど人間模様の深みが増し、この三人が一緒にいる光景を眺めているだけで幸せな気分に浸れるようになります
 
 

f:id:chitose0723:20191007225244j:plain

長すぎるフライトミッションのストレス

f:id:chitose0723:20180212200041j:plain
 
 本作最大の不満点は、チェックポイントの感覚が長すぎて、失敗すると遙か手前からやり直しさせられる航空機ミッションの退屈さです。
 
 長い距離を移動し終え、ようやくミッションが終了すると油断した少しばかりの気の緩みで墜落してしまうと心底ミッションを放棄したくなる衝動に駆られることが何度かありました。
 
 このような発売当初はマップの広さに驚愕し、体験が特殊なものと感じた要素がただのストレス源と化してしまうという弊害も多く見られます。
 
 広大な舞台をうまく使ってダイナミックなゲーム体験を味わえる箇所は別として、マップの広さだけに依存してプレイ自体は作業的な部分は概ね退屈さが大幅に増しています。
 

HDDとSSDのロード時間比較

 
 ここからは、PS4 Slim(スリム)付属の内臓HDD(500GB)と、SanDiskのUltra 3D SSD(1TB)に換装した状態でのゲーム起動時のロード時間の比較です。
 
 
 同じ条件で4、5回ロードを繰り返しました。ただ、オープンワールドゲームでは、まったく同じ環境で同じセーブデータをロードしても多いと10~20秒程度の誤差が生じるため、数値はあくまで目安となっています。
 
 セーブデータは全て同じものを使用し、ゲーム開始時のスタート地点は全て“マイケルの自宅玄関”です。
 
-HDDとSSDのロード時間比較-
ストレージ HDD SSD
ゲーム開始時のロード時間 約2分22秒~2分25秒 約1分32秒~1分33秒
 
 ロード時間は一分近く早くなりますが、正直それ以外はSSD化してもさほど恩恵は感じられません。
 
 元々『GTA5』はPS3やXbox360世代のゲームなため、そもそもHDDで快適なプレイが出来ており、SSD化してもそこまで劇的な変化はありませんでした。
 

最後に

 
 クリアまで約30時間ほど。
 
 作品を飾る善人も悪人も清々しいほど屈託のない前向きな性格でカラッと爽やかだったり、車や人という血液が滞りなく循環することで一個の生命として機能するロスサントスという街の魅力は不変だったりと、何度やっても、いつやっても、やはり最高の一作!!
 
 

 

 
TOP