プレイ動画
評価:55/100
ジャンル | ボードゲーム |
発売日(日本国内) | 1992年12月25日 |
開発(デベロッパー) | スティング |
ゲームの概要
この作品は、ルーレットで駒を進めゴールを目指す双六 形式のゲームです。
ファミコンの『爆笑!!人生劇場』シリーズのスーファミ版ですが、ファミコン版のほうは未プレイです
ゲーム内容は、赤ん坊から始まり幼少期、少年、青年、社会人、老人という6つのステージを戦い、最も所持金が多いプレイヤーが勝ちというシンプルなルールです。
どのような人生を送るのかではなく、他のプレイヤーよりお金を多く稼ぐことだけが目的のため非常にゲーム性が薄く1、2度プレイしただけで飽きてしまうほど中身がありません。
銭ゲバの人生劇場
この双六ゲームは大きな問題が二つあります。それは、ゲームの目的がただひたすらお金を稼ぐだけということと、止まったマスで発生するイベントがあまりにも陳腐で面白味にかけるという二点です。
まず、ゲームの勝利条件が一番お金を多く稼いだプレイヤーが勝ちという点ですが、そもそもこのゲームは人生ゲーム風に作られており、人生で起こる様々なイベント(入学や青春、恋愛、就職、結婚など)を追体験していくというコンセプトなため、お金を稼ぐという目的とゲーム内容が致命的なまでに噛み合っていません。
双六を進めると止まったマスに応じて様々な人生のイベントが発生しますが、その多くは金銭に関連したものよりも元気・魅力・運という三つのステータスを増減させるものばかりです。
それなのに、最終的には所持金が最も多いプレイヤーだけが勝利することになるため、結局今までの人生のイベントやステータスの増減は何だったんだという虚しさのみが残ります。
ゲーム終了時に元気・魅力・運のステータスが高くても一切勝敗に関係がありません
所持金が最も多いプレイヤーが勝利という条件にするなら、もっと金銭に関する人生のイベントを中心にゲームデザインを設計しないと最後は金が多いか少ないかだけで勝者が決まるという結果に違和感しか覚えません。
お金は、双六で止まったマスによって貰えるパターンと、ゴールに一番乗りしたプレイヤーだけボーナスルーレットを回し出た目によって報酬が貰えるかの2パターンしか存在しません。
結果ゲームで勝とうとすると他のプレイヤーを妨害して自分がゴールに一番乗りする必要が出てきます。
そのため、マジメにゲームをプレイするというより、ショップで他のプレイヤーを妨害するアイテムを購入し、自分より先にゴールしそうなプレイヤーをひたすら妨害するだけのゲームと化します。
ほのぼのした作風なのにやっていることはひたすら他のプレイヤーの足を引っ張るだけというギャップに途中から虚しさすら感じました。
そして、二つ目の問題が止まったマスで発生するイベントがあまりにも陳腐すぎて何の面白味もないことです。
タイトルからプレイヤーを笑わせたいという意図は分かりますが、そもそも陳腐な上に内容がスベりまくっており、笑うどころか薄ら寒いだけで何の魅力もありません。
なぜ陳腐なのかというと笑いに毒っ気がまったく足りず、意外性もないためです。
例えば、毒っ気全開の笑いと言えば『実況パワフルプロ野球』のサクセスモードなどが分かりやすいですが、野球選手を育成するゲームなのにマッドサイエンティストのダイジョーブ博士に拉致されて人体改造手術をされるとか、そこまでやるかという狂気が感じられません。
このゲームはイベントの内容が、スキーに行ったら怪我をして入院とか、冷蔵庫のプリンを食べたらママに怒られるとか、毒にも薬にもならないくだらない内容しかなく、もっとプレイヤーが引くくらいエグイ笑いや、想像を絶するシュールなアイデアのものを作れよとしか思いません。
どのマスに止まっても起こるイベントがこちらの想像を上回ってくれず終始退屈です
おわりに
ゲーム一回ごとのプレイ時間は複数回プレイした結果、大体が参加プレイ人数×15分でした。例えば、プレイヤー1人、コンピュータ(AI)が2人なら合計3人で約45分ほど。プレイヤーが1人、コンピュータ(AI)が3人なら合計4人で約1時間となります。
各ステージで速くゴールすればするほどプレイ時間は短縮可能です
ゲーム内容が退屈なのとゲームの途中で中断ができず、最後までぶっ続けてプレイしないといけないため1プレイが1時間以内で終わってくれるのは正直助かりました。
イラストのデザインは非常に好みで、人の一生を追体験する人生ゲーム風の双六ゲームというコンセプトも良いものの、コンセプトだけで中身がブラッシュアップ不足なためゲームとしての面白味は致命的なほどありません。
典型的なシリーズ一作目的な内容の薄さです。ちなみに続編の『大爆笑!!人生劇場 -ドキドキ青春編-』は自分の生涯ベスト級のゲームなほど欠点が改良されています
大爆笑!!人生劇場シリーズ
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