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【FIRE・アート】最強のマネー攻略本!! |『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』| ロバート・キヨサキ | 感想 レビュー 書評

本の情報
著者 ロバート・キヨサキ
出版日 オリジナル版(日本):2001年
改訂版:2013年
難易度 普通
オススメ度 ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆

本の概要

 
この本は、アメリカ(ハワイ州)の日系4世である実業家・投資家のロバート・キヨサキが、お金持ちになるための思考法を伝授する『金持ち父さん』シリーズの二作目です。
 
この『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』は、前巻『金持ち父さん 貧乏父さん』では簡易的に説明された金持ちになるための思考法を著者自身がより上級者向けに理論化して語り直すという手法を取っており、そのため前巻とセットで読むことが前提のような内容です。
 

前巻が初級編だとするとこちらが中・上級編といったキレイな難易度の上がり方です

 
前巻の『金持ち父さん 貧乏父さん』もお金持ちの思考法を学べる本としては名著と言える域に達した一冊でしたが、コチラはその遙か上をいく完成度で10万円を払ってもお釣りがくるほど有益な情報がゴロゴロ転がっています。
 

コチラの内容が濃すぎて『金持ち父さん 貧乏父さん』ってどんなことが書かれていたのか記憶が全て吹っ飛びます

 
間違いなく自分がこれまで読んだお金に関する本の中でも最高の一冊で、この本を読む前と後で世界の見え方が一変するほどの衝撃を受けました。
 

キャッシュフローを制する者が全てを制する

 
この本は、前巻『金持ち父さん 貧乏父さん』で語られた金持ちになるための思考法の中から、特にキャッシュフロー(収入と支出の流れ、どこからお金が入ってきて、どこを経由し、どこへ出て行くのか)について徹底的に掘り下げた内容となっています。
 
タイトルにある“キャッシュフロー・クワドラント”とは、このキャッシュフローの流れ・・・・・・つまり誰からお金を貰っているのかという基準で分類された4つのクワドラント(円を4等分したもの)で、
 
E 従業員(employee)
S 自営業者(self-employed)
B ビジネスオーナー(business owner)
I 投資家(investor)
 
の4つです。
 

 
左の二つが、他人が作ったシステムの一部となりお金を貰うクワドラント、右の二つが自分自身がシステムを生み出し他人をシステムの一部として雇いお金を稼ぐクワドラントで、基本的に右のクワドラントを目指すことが推奨されます。
 
改めてこの本の何が凄いかというと、お金に関する感情論を一切排し、キャッシュフローだけで金持ちと金持ちになれない人の差を可視化してしまっていることです。
 
前巻は金持ち父さんと貧乏父さんというお金に対する考え方が対照的な二人の人物を登場させ、それぞれこのような場面で金持ち父さんはこのように考える、貧乏父さんはこう考えると、両者の考え方を比較することでお金持ちの思考法を解説するという子供が読むことも意識した物語仕立てのもので、正直読んでいてややかったるい部分もありました。
 
しかしこの本では、そもそもなぜお金持ちになれる人間となれない人間が生じるのか、その根本的な原因を両者のキャッシュフローや属するクワドラントに集約して説明がなされ、非常にシンプルで無駄がありません。
 
言うなれば、金持ち父さんと貧乏父さんの思考のあり方をキャッシュフローやクワドラントといった手法で簿記化してしまい、他の人間と簡単に図で比較できるようにしてしまったようなものです。
 
世界中どこでも共通したルールで記述される簿記の基本が分かればどんな企業の決算も読み解けその企業の問題点が把握できるように、その人が属するクワドラントやキャッシュフローを分析するとその人の思考の問題点が洗い出せるといった感じで、初めてこの考え方に触れた際はそのシンプルさに鳥肌が立ちました。
 
お金に対する個々の思考を共通フォーマットでシンプルに表してしまうというアプローチの切れ味は、高校生の頃に授業で簿記を習い借方・貸方がキレイにプラスマイナスゼロになり、お金の流れが全て貸借対照表や損益計算書で把握できる簿記の美しさに触れた時の感動に匹敵するほどでした。
 
個々のキャッシュフローからその人が抱える問題を可視化してしまい、さらにキャッシュフローのタイプごとに4つのクワドラントを設定しシンプルな図で表すなど、思考の全てをキャッシュフローベースで一括整理してしまうという発想はもはやアートにすら思えます。
 

お金に関する本でこれほど美しさを感じたのは初めてです

 
『教養としてのお金とアート』という本でも会計(簿記)はアート的な側面があるという話が語られますが、美しいキャッシュフローや、クワドラントで問題をシンプルに整理整頓してしまう手腕はもはやアートと呼んでもいいのではないかとすら思えます。
 

最後に

 
正直『金持ち父さん 貧乏父さん』と同じく説明がくどい箇所や、イチイチ昔話が挟まれテンポが悪いと感じる箇所も多く、一冊の本としてはそれほど洗練されているとは思えません。
 
しかし、キャッシュフローによって全てが整理される美しさに触れるとかつて簿記を学んだ際に覚えたお金の流れが表で示される際のゾクゾクする感覚が呼び起こされ、満足度でいうと前巻を遙かに上回るものでした。
 
人によっては人生そのものの景色が一変してしまうほどのパワーを秘めた一冊で、前巻『金持ち父さん 貧乏父さん』が肌にあったのならコチラも続けて読むのがベストだと思います。
 

金持ち父さんシリーズ

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