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傑作シリーズアーマードコアの終焉 「アーマード・コアV」 〈レビュー・感想〉 

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トレーラー

評価:50/100
作品情報
発売日(日本国内) 2012年1月26日
開発(デベロッパー) フロム・ソフトウェア
開発国 日本

短評

 
 アーマードコアをTPS化しようとして失敗し中途半端なロボットアクションゲームになり果てアクションの快感は皆無に近い。
 
 オンラインモードに特化しオフラインをないがしろにした結果ナンバリングという重い看板を背負うには無理がある散々な出来になってしまう。
 
 世界観・ストーリー・アクションとどこをどう見ても褒める要素は一つも存在しない駄作中の駄作。
 

ラノベ化したアーマードコア

 
 本作はロボットを自分好みに細かくカスタマイズできるロボットアクションゲーム『アーマードコア』シリーズの一作です。
 
 結論から言うと、Ⅴはストーリー・世界観・キャラクター・ロボットアクションゲームとしての完成度など、全ての要素がシリーズ中でもワースト級の駄作です。
 
 作風はこれまでのフロムらしい少しハードボイルドが入ったような硬質で諦念ていねん感のあるやり取りの妙が失われ、最近のラノベ原作のアニメのような軽いセリフ回しの安っぽい作風になりました。
 
 シリーズではお馴染みの痺れるほどカッコイイ特殊な環境下でのミッションも皆無です(視界の悪い戦場をレーダーの索敵だけで戦うとか、高高度から自由落下しながら敵の対空迎撃をくぐり抜ける、など)。
 
 やらされるのは、ひたすら都市部を移動しながら機械的に敵と交戦するだけの変化に乏しい単調なミッションが大半で非常に退屈です。
 
 しかも、マップが無駄に広いため移動時はナビゲーションばかりに気を取られ周囲の風景がまったく目に入りません。そのせいで、非常に薄味のプレイ感で巧みなレベルデザインやプレイヤーの想像を超えるような奇抜なアイデアに秀でるフロムらしさを微塵も感じさせてはくれませんでした。
 
 ただナビゲーションに誘導されながら出てくる敵と交戦するだけのやらされている感が強い退屈な作業ミッションは苦痛そのものです。
 
 さらに、あろうことか変化に乏しくつまらないのに一つ一つのストーリーミッションが異様に長いため、途中で集中力が途切れ飽きてしまい、さっさと終わって欲しいという不満しかありません。
 

TPS化に失敗した無残なアクション

 
 今作はシリーズを重ねる度に複雑化したシステムを一新し分かりやすくTPS化しようとした形跡があり、しかしこれが誤算で大失敗。
 
 4やフォーアンサーで追加されたクイックブーストを用いるハイスピードバトルの快楽性が影を潜め、ただのレスポンスが悪い操作していて爽快感の欠片もない凡庸なアクションゲームに退化しました。
 
 では新しくシューティングゲームとしての面白味が追加されたかといえばそんなこともなく、ただ全体的に4やフォーアンサーで稼いだ貯金が根こそぎ失われ動きがもっさりしただけで新しい魅力は一つもありません。
 
 特に広大なマップを自由に飛び回れない移動周りの劣化が操作の快感を大幅に目減りさせる大きな要因になっており、動かしていてさっぱり楽しくありません。逆説的に縛りもなく自由自在に飛び回れたこれまでの操作性がいかにプレイの快感の源泉だったのかがよく分かりました。
 

UIの挑戦

 
 今作はこれまでのシリーズと違いTPS的なリング状のロックオンサイト内にそのままフレームHPやEN残量、武器の弾数をオールインワンで表示させてしまうというアイデアを採用しておりこれはこれで新鮮でした。
 
 しかし、到底体感でプレイしやすいとは言えず、チュートリアルもなく、説明書を読まないと表示されているバーが何を示しているのか理解すらできません。
 
 ただ意味が分かると確かに合理的な表示方法に思えなくもないものの、どうしてもフレームHPなどの重要な情報の表示が極端に小さいため、マイナス面の印象ばかりが目立ちます。
 

武装まわりのストレス

 
 武装周りの変更点は、これまで当たり前にできていたことが不可能となりストレスが大幅に増えました。
 
 まず、これまでの手持ち武器と肩武器との関係性が変わりミサイルやら特殊兵装など一部の武器だけが肩武器扱いに変更されこれまで肩武器だった強力なキャノンなどは手持ち武器扱いに。
 
 さらに、なぜこのような仕様にしたのか理解に苦しむのは、一部の手持ち武器とハンガー武器(替えの武器)の交換が自由に行えないことです。
 
 ハンガーに搭載できない強力な武器は手に持って出撃しなければならず、それを自分の意志で破棄するか、全弾撃ち終わって自動的に破棄させられるかしないとハンガー武器に持ち替えることすらできません。
 
 この部分は、これまで当たり前に出来た、連射できる使い勝手の良い手持ち武器と威力が強力な肩武器を瞬時に交換して使い分けるといったプレイに制限が設けられたようなもので、改悪にしか感じられませんでした。
 

最後に

 
 これまで積み上げてきたシステムを一新しようとしたら、あらゆる要素がガタガタになり元より劣化した無残な完成度で満足度は最悪です。
 
 オフラインモードだけなら1%もプレイする価値はありません(もうオンラインサービスも終了しているため、オフライン意外はやりようがないですが)。
 
 フロムのゲームは軸足がオフラインからオンラインに移行したせいでオフ専的には不満が増しても、それでも薄味ながらオフラインモードにも評価できる点は毎回ちらほら存在していました。ですが、今作に至っては遂に一つたりとも褒める要素が見あたりません。
 
 強いて褒めるならCG製作会社の白組が作ったプリレンダムービーが圧巻の完成度な点と、オーバードウェポンというネタ的な武装の演出が過剰なほど大仰で馬鹿馬鹿しくて楽しいくらいです。
 
 次作の『ヴァーディクトデイ』もほとんど似たような操作性で変わりなく、4やフォーアンサーがただただ懐かしくなるだけでした。