トレーラー
評価:75/100
放送期間(アメリカ) | 2017年2月~4月 |
話数 | 全12話 |
国 | アメリカ |
ネットワーク | FOX |
ドラマの概要
この作品は、ドラマ『24』シリーズのスピンオフであり、シリーズとしては10作目(リデンプションを除く)です。
1~8作目が全24話なのに対し、9作目の『リブ・アナザー・デイ』同様の全12話のミニシリーズとなります。
1~9作目までの主人公であるジャック・バウアーや、常連メンバーであるクロエ・オブライエンは登場しません。
ストーリーには別段繋がりはないためこれまでのシリーズを未見でも理解に支障はありませんが、シリーズ初期のジャックの相棒でもあったトニー・アルメイダがゲスト的に再登場するため、シリーズを知っているほうがより楽しめます。
ジャック・バウアーやクロエ・オブライエン不在のパワー不足をカバーし切れず・・・・・・
本作はシリーズの中心であるジャック・バウアーというカリスマ主人公が不在という問題が寸分違わず作品の勢いを失速させるという形で現れており、見る前からある程度は予想していた下方修正分ほぼそのままの満足度でした。
作品の作り(手ブレで臨場感を出そうとする撮影・スプリットスクリーン多用で緊迫感を出そうとする編集、など)はほぼこれまでのシリーズをそのまま踏襲しています。
問題は今までと同じことを反復するだけで、キャストを一新させたことによって新鮮味を出す工夫や、新しい演出手法を取り入れるなどのアイデアが不足していることです。
このジャックという支柱を失ったことによる勢い不足をカバーできず、単にジャック・バウアーが欠けただけのいつもの24でしかありませんでした。
見る前はマンネリ打破の意味合いが強いジャックを外すという選択を取る以上もしかしたら作風も大幅に変えてくるのかと予想していたら、まったくいつもの24のままでやや拍子抜けでした。
ジャックの不在という大きな問題以外にも、過去作ではほぼ当たり前にあったホワイトハウス内(アメリカ大統領周り)のマクロ視点による政治的なやり取りが削られたことで、事件のスケール感が極端に減少するという新たな問題も生じました。
加えて、ところどころ予算がないのかと不安になるほど露骨にセットが安っぽかったり、派手な場面を編集で誤魔化していたりとやたら作品として縮こまって見える箇所が多くあります。
主人公たちが陥る危機的状況の描写もいつもの24より甘めで物足りません。過去シリーズならもう一押し登場人物を精神的に追い込むような部分がわりとあっさり解決するなど、作品全体に締まりがありません。
ただ、一作前の『リブ・アナザー・デイ』と同じく全12話というコンパクトな尺なため、ダラダラと話が停滞する箇所がないのは救いでした。
最後に
通常の24シリーズに比べると何もかもがスケールダウンしており、過去作に比べると満足度は低めです。
ただ、腐っても24シリーズなので過度に期待さえしなければ並みのサスペンスドラマと同程度には楽しめます。
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