はじめに
今回は2022年12月に読破した本をブログでのレビュー記事あり・なし問わず紹介します。
今月に読んだ本をざっと紹介する記事は今回で最後にします。これを書くだけで読書数が多い月はほぼ一日かかるのにPV数は極小なのでさすがに読書や勉強などもっと有意義なことに時間を割くほうがましだと判断しました。
個人的に、今年は去年からガラッと価値観が変化した年でした。投資を始め毎日投資関連の情報や世界中の指標にざっと目を通すルーティンが日常化し、12月からは筋トレにハマり日々食事の管理とトレーニングに励むなど、去年の自分からは想像も出来ないほど日常が様変わりしました。
特に、今年の下半期から積極的に取り組んだのが自分の人生から消費の習慣を引き剥がすという試みです。なにかを消費するために生きることが虚しくなり、その年の流行を追うことや話題の作品をチェックするなど、世の流れに従順なこれまでの態度を改めました。
これは正直かなりの痛みを伴う行為で、良い影響と悪い影響がそれぞれあり成功したという実感はありません。
良い影響は、無自覚に消費していた頃に比べ明らかに行動のフットワークが軽くなったこと。筋トレもあっという間に習慣化できトレーニングするのが当たり前になるなど、惰性で行っていた行動をやめたことで新しいものに興味を持ったら即自分の生活に取り入れる余裕が生まれ生き方がより柔軟になりました。
悪い影響は、何かにどっぷり浸かっているという深い充実感がなくなり、物足りなさを感じること。良くも悪くも流行を追っていれば世間との一体感があります。しかも子供の頃からずっと継続してきたことはやはり十分好きだから成立していたわけで、それを放り投げて新しい生活習慣を構築しようとするとホメオスタシスのように昔に戻ろうとする反発が起こります。
それでも世の流れから距離を取り自分だけの目標に向かって生きる人を見ると強い憧れを抱くので、進むべきは絶対にそちらの道だという強い確信があります。
筋トレと同じで消費欲という脂肪を長い時間をかけてゆっくり落とすしかなく、まだまだこの苦しみは続くと思います。
小説 3冊
・『日本沈没 上・下』 著者:小松左京
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大規模な地殻変動の影響で日本列島が近い将来沈没することを予見した者たちが日本人を一人でも多く海外に逃そうと奮闘するSF小説です。
この小説は小松左京の代表作の割に難解なハードSFで、読み終わるまで二週間かかりました。そのせいで今月はまともに読書ができず、良くも悪くもこの小説に振り回された月でした。
1ページ読むことすら困難で、少し読んでは眠くなり休憩、少し読んでは疲れてまた休憩という亀の歩みで読み進め、とにかく楽しいというよりは修行に近く、読み終えた時の達成感は半端ではありません。
その分小説の完成度としては超一級で間違いなく日本の歴史に残るほどの大傑作です。
ただ読むだけでこれほど大変ということは書いた小松左京の苦労はその数千倍と考えると怖ろしくなります
・『七人の鬼ごっこ』 著者:三津田信三
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自殺志願者の男が、これまでの人生を振り返る過程で小学生時代の仲良し6人組の中に1人だけ謎の人物が混じっていたことを思い出し、それがキッカケで続殺人事件が起こるというミステリー小説です。
この小説は、生命 の電話というボランティア団体に自殺を考える男から電話がかかってくるという冒頭が秀逸でワクワクするのに、その後は特に盛り上がりもしません。
圧倒的な中毒性でほぼ一気読みしてしまう小説が多い三津田信三作品にしては凡作といった出来でした。
書籍 3冊
・『筋トレ大学』 著者:山本義徳
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初心者向けに正しい筋トレのやり方や、筋肉を育てる食事に関しての基礎的な知識をレクチャーする筋トレ本です。
元々筋トレが好きな人に向けた本ではなくこれから筋トレを始めたい人向けの内容に特化しているのが特徴です。そのため紹介されるトレーニングも自宅で道具を使わず手軽にできる自重トレーニングのみに絞られています。
しかも、筋肉を増量させるために必須な食事に関するアドバイスや、プロテインの選び方や飲むタイミングなどにも触れられており、読むと自然と筋トレに関する心構えができ、初めて読む筋トレ本としては申し分ない一冊でした。
この本を読んだ後にそのまま著者のYouTube動画もチェックするようになり筋トレが習慣化したので最初に読んだのがこの本で良かったと思います。
・『ボディビル世界チャンピオンが伝授する 筋トレは人生を変える哲学だ』 著者:山岸秀匡
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ビッグ・ヒデの愛称を持ち、日本人で始めてプロ・ボディビルの世界最高峰の大会ミスター・オリンピアに出場した世界的なボディビルダーの著者が自身の半生を記した自伝です。
ちなみにシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーはこのミスター・オリンピアで優勝したことがキッカケでスターになりました
この本は筋トレ云々より、単純に自伝として非常に面白く読めました。
日本を代表するどころか世界的なトップボディビルダーの人生だけに波瀾万丈で、万全を期して挑んだアメリカのボディビル大会で惨敗してプライドがズタズタにされたり、日本からステロイドを持ち込もうとしたら売買目的と勘違いされ逮捕。そのまま凶悪犯罪者がゴロゴロいる刑務所に入れられたりと、読んでいて退屈な瞬間がありませんでした。
特にアメリカでもトップレベルの凶悪犯罪者が収監される、いつどこで殺されてもおかしくない刑務所に入れられ毎日気が狂わないように自由時間の間中ひたすら筋トレをし続けた話は心底恐怖します。
メインのボディビル大会の話も、結局審査するのは人間の目なためどれだけ審査員に魅力的な人物と思ってもらえるのか印象を良くする研究と努力の大切さを説いており、ボディビルに限らずあらゆる分野に応用できる成功哲学が語られています。
筋トレにハマってその流れで読みましたが筋トレ一切関係なく誰が読んでもほぼ確実に楽しめる自伝です。
この本を一冊読むだけでボディビルという競技に対する思い込みが払拭され、シュワルツェネッガーがいかに偉大な人物なのかも分かります
・『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 著者:八木仁平
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自己理解を通じて自分が本当にやりたいことを発見する方法をレクチャーする自己啓発本です。
どこかで読んだことのある内容が多いものの、“好きなこと(情熱)”や“得意なこと(才能)”、“なりたいもの(職業)”よりも、“大事なこと(価値観)”のほうが重要といった平均的な自己啓発本より一歩踏み込んだ鋭い指摘があり、読んで損はありませんでした。
この大事なこと(価値観)が好き(情熱)よりも上という持論は、最近の自分のライフスタイルの考え方とも完全に一致するため、内容がスルスルと頭に入ってきました。
好きという感情は実はそれほど重要ではなく、それよりも決して揺るがない大事という軸のほうが大切なことにもっと早く気付きたかったです
最後に
今月は『日本沈没』に苦しめられた月で、まさかたった一本の小説だけに半月近くもかかるとは夢にも思わず、読書スケジュールがガタガタになりました。
それ以外では、YouTuberであるリベ大の両学長が絶賛していたディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー番組『覆面ビリオネア』にドハマりしました。
これはYouTubeで全話無料で視聴できます。
アメリカンドリームを達成した億万長者グレンが、初めての街で正体を隠し別人になりすまし3ヶ月以内にビジネスで100万ドルを稼ぐチャレンジに挑むというドキュメンタリーで、これが面白すぎて一度見始めると止まらなくなります。
ドキュメンタリー番組としてはパーフェクトなまでのタイミングでトラブルが起こり続けるため、あっという間に全話見終わってしまいました。
さらに筋トレからの流れでTBSの特番である『SASUKE(サスケ) 2022』も熱中しました。昔はこんな茶番に人生をかける人はバカだと思っていましたが、今の自分ならこのSASUKE(サスケ)に出場することそのものが人生という人の気持ちが分かり、応援したくなります。
SASUKE(サスケ)は日本のテレビ番組としては数少ない世界で通用するコンテンツなので、もっと海外展開を意識して作ればいいのにと思ってしまいます。
とにかく参加する人たちの熱量が狂っているので、ここまで作る側も出る側も人生を懸けていればそれだけで魅力的なコンテンツになるのは当然で、もっともっとSASUKE(サスケ)が世界に広がって欲しいと思います。
と言うか、年に2回は見たいです