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龍が如く0 誓いの場所(PS4版) 〈レビュー・感想〉 龍と狂犬、二匹の獣の過去を暴く極上の前日譚

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ゲーム紹介

 
評価:95/100
 
作品情報
ジャンル アクションRPG
アドベンチャー
発売日(日本国内) 2015年3月12日
開発(デベロッパー) セガゲームス
開発国 日本

短評

 
 東城会きっての極道である桐生一馬と真島吾朗がどのように生きる伝説となったのかが描かれる前日譚の面白さはシリーズでもトップクラス。
 
 80年代バブル真っ只中の神室町と蒼天堀を舞台にし、スタイリッシュに進化したバトル始め、維新で大幅に強化された遊びやすさをそのまま継承しつつ、これでもかと中毒性の高いオマケ要素まで盛り込んだ結果シリーズ屈指の贅沢な作品に仕上がっている。
 
 この完成度の高さは文句なしのシリーズ最高傑作!
 

やや注意が必要な時系列

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たぶん神室町と蒼天堀が登場する5の素材を多く流用しているのか、グラフィックのキレイさはそこそこといった程度。それでも昼や夜など時間帯を好きに選べるので同じ場所でもまったく異なる見え方をして豪華

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 本作は話の時系列としては1988年(昭和63年)という、一作目の17年前(厳密に言うと、1は1995年から始まり2005年に時代が飛ぶため、2005年のほうから17年前)の出来事です。
 
 シリーズでも屈指のカリスマ性を持つ桐生一馬と真島吾朗という伝説の極道二人がなぜ東城会の中でも一目置かれる存在となったのかという、過去のエピソードが語られます。
 
 ただ面倒なのは、単純に一作目の前日譚というワケではなく、4に出てくる真島と冴島の回想シーンから直接話が繋がっているため、4もプレイしていないと真島が置かれている状況が把握し辛いという問題が生じることです。
 
 4も部分的に真島の過去(なぜ左目を失明したのか)が語られていたので、0と4で過去エピソード同士がバッティングしてしまっており、ややこしいです。
 
 話の時系列としては、4の回想シーン→0→1となります。
 
 この4との繋がりの部分は、知っていると真島の置かれる状況が一瞬でピンと来るのと、なぜ真島がこれほどまでに苦悩しているのかの理由が分かるくらいで、今作のメインエピソード自体とは関係がなく、ストーリーの理解に支障をきたすということは一切ありません。
 
 しかし、本作は非常にストーリーの完成度が高く、深みがあるゆえにシリーズの歴史を熟知しているほうが、過去作との様々な対比構造に気付けるなど、より楽しめるのは確かです。
 

タキシードを着せられた狂犬

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 今回の桐生と真島について語られる過去の話で、特に素晴らしかったのは真島のエピソードです
 
 一作目では東城会のヤクザの中でも完全な武闘派で、狂犬と恐れられているはずの真島が、なぜかエレガントな身のこなしをするキャバレーの支配人として登場するという奇妙な展開からぐっと話に引き込まれ、最後まで目が離せませんでした。
 
 なぜ東京のヤクザであるはずの真島が大阪の蒼天堀にいるのか?
 
 なぜ真島が蒼天堀で最も巨大なキャバレーの支配人をしているのか?
 
 その謎が明らかになっていくと、バブルという誰もがこぞって金に群がる時代の中、極道としてのケジメを付けるため一人苦痛に耐えながら嫌々金儲けをしている異様な状況が際立つという、その設定のセンスの良さには惚れ惚れさせられます。
 
 誰よりも金儲けが上手なのにそれを心底嫌そうに行うという、真島らしくない振る舞いを徹底して見せることでむしろ純粋な極道としての真島らしさが浮き上がってくるという見事すぎるアプローチには心底痺れました。
 
 桐生のほうも基本はバブル時代なのにも関わらず金に目もくれず、信念に生きた男の話という点は共通しているものの、真島サイドの圧倒的なセンスの良さに比べるとやや王道過ぎて霞んで見えてしまいます。
 
 この誰よりも暴れるのが大好きな真島にピシッとしたタキシードを着せ、金儲けという本人にとっては苦行でしかない罰に耐え続ける姿を見せるというアイデアセンスだけでシリーズ最高の興奮を味わえました。
 
 これまで話が破綻ばかりしていたことが嘘のように、本作のストーリーはシリーズでも屈指の深みがあり、噛み締めれば噛み締めるほどキャラクターの味わいが増す、最高の前日譚に仕上がっています。
 

維新から受け継がれた遊びやすさ&ソウル化したお金

 
 シリーズの一つ前の維新でダッシュ機能が追加されるなど、それまでのシリーズとは比べものにならないほどゲームとしての遊びやすさが向上し、本作もその進化部分は丸々受け継いでいます。
 
 維新では徳ポイントという名称だった、ポイントを溜めれば溜めるほどダッシュ持続時間を伸ばすなどの便利な機能と交換出来るやり込み要素が今作ではCP(コンプリート・ポイント)という名に変更され、多少の違いはあれどベースはそのままです。
 
 ただ、維新と同じくCP交換が神社というのがおかしく、今作は別段良い行いをして徳を重ねるという維新の設定と関係がないため交換場所が神社である必要がありません。ここは出来ればバブルの時代に合った設定に変えて欲しかったです。
 
 さらに今作から街中をうろつく敵との戦闘を避けたい場合は所持金をばらまくことで注意を逸らし、戦闘を任意で回避できるようにもなりました。
 

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 これのおかげで従来だったら避けるのが困難な狭い道で敵と遭遇した場合でも簡単にやり過ごせるため、ぐっとストレスが減りました。
 
 どこでも自由にセーブが出来た維新と違い、セーブポイントが電話機が設置された場所に固定されるという従来の方式に戻された部分だけ不便さが増したものの、それ以外は概ね維新と同等かそれを上回る便利さで、ゲームプレイ中に不満を感じる瞬間はほとんどありません
 
 維新の時点でゲームとしての親切さは相当な域に達していたものの、今作はそれを余裕で上回り、遊びやすさという点においては龍が如くシリーズ中最高どころか、あらゆるゲームの中でもトップクラスなのではないかと思うほどです
 
 このようなユーザーフレンドリーな気配りがゲームの隅々まで行き届いているゲームはプレイしていて本当に気分が良く、多少の不満があっても許容したくなるほど好感が持てます。
 
 それら便利さとはまた違う、シリーズでも特異な仕様変更が経験値やそれにあたるものが無くなり、『ダークソウル』におけるソウルのように、買い物も成長も全てがお金のみで処理されるようになったことです。
 
 これの利点は、バブルの時代ということもあり、戦闘でも血の代わりに金が舞うというど派手な演出が採用され、金というテーマが視覚的にもシステム的にも強調され分かりやすいこと。そして、全てをお金に一元化していることでお金を入手するというモチベーションが最後まで尽きないことです。
 
 ダークソウルを意識しているのかどうかは不明なものの、街中にそこらのザコ敵とは桁違いの強さのカツアゲ君という敵がうろつくようになり、この敵に敗北すると所持金を全額奪われるというソウルシリーズのようなペナルティが追加され、どうしてもお金がソウルに見えてしまいます(負けても再戦して倒すと全額奪い返せるのもソウルっぽい)。
 

本編を喰うほどの中毒性を持つ、ポケサー&シノギ

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 本作はオマケのミニゲームの中毒性がプレイに支障をきたすほどで、途中でオマケにばかりかまけてストーリーを進めるのを忘れて数時間経つなんてざらでした。
 
 特に自分的にハマりすぎておかしくなりそうだったのが、どう見てもミニ四駆まんまなポケットサーキット略してポケサーというオマケ要素でした。
 
 

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 おもちゃのモチーフはミニ四駆で、時代的には『ダッシュ! 四駆郎』なものの、ゲーム内容はスーファミのゲームである『ミニ四駆 シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー』もしくはゲームボーイの『ミニ四駆 GB レッツ&ゴー』に近く、そこにPSのゲームである『爆走兄弟レッツ&ゴー エターナルウィングス』のコースエディット機能もついているため、レッツ&ゴー世代をピンポイントで殺す気かと思うくらい自分にストレートに刺さりました。
 
 

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たまに出しては遊ぶほど好き

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シャイニングスコーピオンの画像
 

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ミニ四ファイター

 

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 生涯ベスト級アニメの一本がレッツ&ゴー(無印、WGP、MAX全て好きでかつ大神マリナたん萌え)で、子供の頃にシャイニングスコーピオンで遊びまくった、レッツ&ゴーで育っている自分としてはもう完全に直撃も直撃で、ゲーム本編をクリアするよりも、全ポケサーの大会で優勝し、全レーサーとの勝負に勝つサブストーリーを何よりも優先するという姿勢で、ポケサーで取れるトロフィーはあっという間に入手してしまいました。
 

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ミニ四ファイターのパロディであるポケサーファイター。このポケサーファイター関連のサブストーリーが地味に面白い
 
 これが一本のゲームだとしたらややカスタマイズのバリエーションが乏しく物足りないものの、こんなシャイニングスコーピオン級のゲームをただのオマケの一つとして入れるというセガのサービス精神が異常すぎて恐ろしくなりました
 
 ポケサー以外にも、シノギという桐生編が不動産屋の経営で、真島編がキャバクラの経営というオマケもあり、こちらも中毒性が極めて高いです。
 
 

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 特に、真島側のシノギは、2に収録されていたキャバクラ経営と3、4に収録されていたキャバつくという、キャバ嬢を育成する育成SLG要素を合体し進化させたようなリアルタイムのシミュレーションゲームでメチャクチャ面白いです。
 
 来る客の好みに応じて相性の良いキャバ嬢を座らせたり、キャバ嬢が手で行うサインを読み取って瞬時に対応したりという作業が心地よく、しかも売り上げが多かったキャバ嬢はレベルがガンガン上がるため病み付きになります。
 
 ただ、難易度が非常に低めに設定されているため、あっという間にシノギのメインストーリー自体は終わってしまうので、やや食い足りなさは残ります。
 
 ポケサーとシノギというオマケ要素があるおかげで、今作はこれまでやった龍が如くシリーズの中でもダントツの中毒性で、プレイ中はストーリーは面白いは、オマケの中毒性は高すぎるはで、嬉しい悲鳴があがりっぱなしでした。
 

相変わらず後半バテるものの、それでもシリーズ最高のスタイリッシュさを実現したバトル

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 バトル部分は基本は維新と同じで、バトル中に瞬時にスタイルを切り替えられる点や、スタイルごとに師匠がおり、師匠に教えを請うことで新しい技を会得していく点など、共通点が多いです。
 
 成長システムは維新のレベル制や、スタイルを使い続けると熟練度のようなものが上がり能力が上昇するタイプだったものとは異なり、全ての能力上昇がお金で一元化され、お金で能力強化をするという形になりました。
 
 

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 ヒートアクションという豪快な決め技を基本とする部分は別段これまでと代わり映えもしないものの、今作から演出面や戦闘スタイルが大幅にスタイリッシュになったのと、やはり血の代わりに札束が舞うというけれん味の効果で、シリーズでも突出した存在感を放っています。
 
 ただ見た目は派手でもどうしても中身はいつも通りの単調さで、終盤になると作業感が増すのもシリーズ恒例です。
 
 こればかりは、ただボタンを連打しゲージが溜まったらヒートアクションを繰り出すだけの単調なバトルのため、根本を作り替えでもしないとどうしようもないと思います。
 
 しかし、今作のバトルはバトル単体だけでなく、バブルという景気の良い時代を表現するための演出の一部としてしっかり機能しているため、シリーズでは最も好感触で、多少の単調さは許容できます。
 

不満あれこれ

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 まず、維新と同様本編がシェア機能に対応しておらず、一度クリアしてプレミアム・アドベンチャーというフリープレイモードに移行しないとスクリーンショットが撮影できないことです。
 
 これは自分の場合は維新と続けてプレイしたのでそういうものという認識がすでにあり、維新ほどのストレスは感じませんでした。
 
 次はシナリオ面の不満で、本作はシリーズでも大変珍しく終盤で話が破綻しないものの、やや危ない瞬間もありました。
 
 カラの一坪という神室町の再開発計画に関わる重要な土地を巡る話なのに、ラストに突然その土地に関する争いを無に帰すようなことを言い出したり、実はこれまでの事件はある人間の謀略だったと無理があるにも程がある展開になったりと、話が崩壊しそうになり冷や冷やすることが終盤立て続けに起き、気が気ではありませんでした。
 
 何とか崩壊を免れ、キレイに一作目に繋がる素晴らしい幕引きになっているので、クリアしてしまえば忘れてしまう程度の問題なものの、もういい加減終盤にこれまでの出来事は誰かの策略だったなどという出来もしないまとめ方は避けて欲しいです。
 
 話のスケール感を出すとか、そういうのは多少控え目でいいので、むしろラスボスとの一対一のタイマンにこそ焦点を絞り、血湧き肉躍るドラマチックなラストバトルを盛り上げるとか、キャラ同士の因縁に軸を移したほうがキャラクターの魅力で持っている龍が如くシリーズの持ち味をより引き出せると思います。
 

最後に

 
 クリアまで約45時間ほど(ポケサーとシノギで寄り道しまくってこの時間)。
 
 正直、単純な設定やストーリーの好みで言うと、今作の一作目の焼き直しに近いようなものよりかは、1や5のほうが好きです。
 
 しかし、今作の前日譚としてシリーズの魅力を強化する素晴らしいストーリーと、スタイリッシュで記憶に残るバトルの派手さ、異常な中毒性のオマケ要素と、洗練された遊びやすさなど、作り手の優れたバランス感覚で成立した面白さにはただただ圧倒されるばかりでした。
 
 龍が如くシリーズとしても一本のゲームとしても凄まじい完成度に到達した大傑作中の大傑作!!
 

余談

 
 このゲームは終盤になると所持金が軽く数十億を超えるため、他のシリーズをプレイした際に金銭感覚が完全に麻痺するという、バブル感をお見舞いされます。
 
 これは本当に深刻で、過去作はクリア後の大金を所有する状態ですら所持金が0に近いようにしか見えず、一作目の100億の少女というキャッチコピーは「100億とかはした金じゃん」としか思えないほど金銭感覚がぶっ壊れてしまいます。
 

龍が如くシリーズ

タイトル
ハード
龍が如く HDリマスター PS3
龍が如く2 HDリマスター PS3
龍が如く3 PS3
龍が如く4 PS3
龍が如く5 PS3
龍が如く 見参! PS3
龍が如く オブ ジ エンド PS3
龍が如く 維新! PS4

 

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