評価:65/100
放送期間(アメリカ) | 2015年8月~10月 |
話数 | 全6話 |
国 | アメリカ |
ネットワーク | AMC |
ドラマの概要
この作品は、アメリカのドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズの過去を描くスピンオフドラマです。
ゾンビものとしては極めて凡庸で、『ウォーキング・デッド』のスピンオフでなければ好き好んで見たいと思うほどの完成度ではありません。
本編の優れたところをことごとく薄めただけで、本作独自の魅力というものが希薄な凡作でした。
本編の縮小再生産なスピンオフ
このドラマは、やっていることがどこかで見たことがあるアウトブレイクものにゾンビ要素を足しただけで、これを見たからといってウォーキング・デッド本編への印象に変化がありません。
打ち出す作風も、アメコミ原作の濃さを残しつつ映像作品としてうまくアレンジ出来ている本編のほうに寄せるのか、まったく違うアプローチで攻めるのか曖昧で、単にそこらのドラマと比べてしょぼいだけで魅力が皆無でした。
ゾンビものと言っても、単に作品の不出来な部分をゾンビ要素で誤魔化しているだけで、ゾンビものとして新しい何かに挑戦しようという意志も感じません。
全体的にコンセプトが具体的に固まっていない、やや見切り発車気味な作品で、常に迷走感が漂い退屈でしかありません。
ノロノロとゾンビのような足並みで進むストーリー
この作品を見る人の大半はウォーキング・デッド本編を視聴済みなはずで、必要最低限のゾンビ周りのルールなどをちゃっちゃと説明し、後はサクサク進んで欲しいのに、話は終始スローペースを維持し単調です。
唯一、冒頭のゾンビから逃走していくと周囲の環境の変化だけで、ここがどこでいつの時代なのかが劇的に判明するというアイデアだけは良く、掴みはそこそこうまくいっているのにその後がまったく続きません。
ハッキリ言って、本作のやっていることはただ単に謎のウィルスが蔓延し、感染者が増え、秩序が崩壊していくというありがちなゾンビ映画の冒頭部分をひたすら引き延ばしているだけで薄味です。
作風はどうしたいのかハッキリせず、ストーリーは別段盛り上がりもしない、大して出来も良くないホームドラマの延長のようなものをダラダラ見せられ、この作品に何か独自の売りってあるのかと疑問しか残りません。
やっつけにも程がある一部のサスペンスシーン
本作を見ているとところどころサスペンス展開が雑すぎて引っかかる箇所がありやたら気になりました。
まず、理髪店に匿われている時に隣の建物が火事なのか、店の壁が熱くなっているとクリスが気付く場面。普通ならまず額に異様に汗をかいている様を見せるなど、室温が上昇しているのを絵的に見せてから異変に気付くという流れにならないとおかしいのに、予兆を飛ばしていきなりクリスが壁を触って壁が熱いと言い出すので何がしたいのか意味が分かりません。
それに、ある人が情報を聞き出すためアメリカ軍兵士を捕まえ拷問をするという場面も、見ているこちら側が具体的に何の情報を聞き出したいのか分からない状態でいきなり拷問を始めるため謎でした。これをやるなら、聞き出したい情報が何なのかを事前に説明し、相手がそれを喋ろうとせず、はぐらかすなどのやり取りの後で拷問に移らないと、前後の流れが不自然過ぎます。
その他にもサスペンスの作り方が投げやりな場面だらけで、サスペンスドラマとしては恐ろしく低レベルでした。
最後に
サスペンスシーンはヘタクソで、予算が無いのか金のかかりそうな部分はほとんど編集で誤魔化し、ストーリーはチンタラしていて退屈なだけという、見たことを後悔するだけの散々なスピンオフドラマでした。
フィアー ザ ウォーキングデッドシリーズ
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