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Hotline Miami(ホットラインマイアミ)2 Wrong Number 〈レビュー・感想〉 ありがた迷惑な凶悪難易度

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トレーラー(※グロテスク注意!

 
評価:75/100
 
作品情報
発売日(日本国内)
2015年6月25日(PS4・vita版)
2015年7月15日(PS3版)
開発(デベロッパー)
Dennaton Games
Abstraction Games
開発国
スウェーデン

短評

 
 前作譲りの中毒性は健在なものの、あまりに極悪な難易度に調整され過ぎた弊害で初回プレイ時は楽しさよりもストレスが大幅に勝ってしまう問題作。
 
 極悪難易度に慣れ、上達の実感を得られると多少評価は持ち直すものの、まとまりがあった前作に比べると乱暴で粗が目立つ続編。
 
 

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プレイヤーの心をへし折ること以外無関心な凶悪仕様

 
 今作で最も印象に残るのはドット絵アートでも、シリーズの核であるトリップするような電子音楽でも、時系列がシャッフルされているサイケデリックで謎めいたストーリーでも、相変わらず過剰で刺激的な暴力描写でもなく、やはり鬼畜的な難易度のバカ高さです。一作目もかなりの高難易度でしたが、今作はその比ではありません。
 
 この凶悪な難易度の高さを実感させられたのが、一作目・二作目ともに存在するプレイ中に1000回死亡すると取得できるトロフィーの入手タイミングです。
 
 自分の場合、前作は本編中にそこまでの死亡数には届かず、ゲームクリア後トロフィーを入手するためわざと数百回近く死亡するという手間を掛けて手に入れました。しかし、今作はこの1000回死亡という決して少なくない死亡数に中盤~終盤くらいのタイミングで届き、トロフィーをあっさり取得でき困惑させられました。
 
 前作からステージ数などボリュームがそこそこ増えていることなども理由の一つですが、今作はそれよりもプレイヤーを嫌がらせのごとく殺す事だけに特化したような敵配置が陰湿で、ステージごとの死亡率の高さが前作の倍以上に感じられます。
 
 単純な敵の配置量が凄まじい上に、銃火器を持った敵が遠距離や死角に配置されていることが多く、気を抜いているといきなり視界の外から銃撃され死亡するというケースが多発します。しかも、照明が暗いステージは敵が見え辛く、犬なんて毛が黒いため、黒い床と保護色のような関係になってしまい、目の前にいても姿が視認できないことすらある始末。
 
 

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 今作はこの敵の姿がパッと見で確認できないという部分が強化されたせいで、ゲームとしての軸がアクションやシューティングという反射神経を要求してくるものから、敵の動きを逐一観察して行動を先読みしながら立ち回るステルス寄りに大きくシフトしたような印象を受けました。
 
 全ステージ何十回、何百回と視点移動を駆使して遠くの敵の場所を確認し安全を確保しながら前進・・・・・・と言うか、そもそも確認しても視界の外にまだ大量に敵が潜んでいるため、どれだけ念入りに調べても高確率で敵を見落とし、奇襲を受けます。
 
 敵はありえないほど数を増し、しかも配置がより陰湿になったのにも関わらず、主人公は相変わらず攻撃一発で死ぬ脆さ。さらに前作にはあった被るマスクにより好みのボーナス能力を得られる要素が一部ステージ以外は撤廃され主人公がより弱体化し、さらにさらにステージごとにプレイアブルキャラクターが変わり、中には敵が落とした装備を拾えないキャラや、敵を殺すことが不可能で攻撃は気絶のみ限定という使い勝手の悪すぎる設定のキャラも混じるなど、細かい不便さやストレスが増大しました
 
 それ以外も、特定の武器を使わないと倒せない敵が大量に配置されているせいで武器選びなどの攻略自由度が減ったり、ステージ選択画面などがややもたつきゲームのテンポも悪くなったりと、前作の持ち味が大きく陰ってしまいました。
 
 特に自分的に残念だったのは、前作で頻繁に発生したコチラと敵の動きのタイミングがうまく噛み合い、それまで手こずっていたステージが簡単にクリアできてしまうという貴重な体験がほぼ無くなったこと。
 
 敵の量が多すぎるため、おびき出してちまちま仕留めるという地味なプレイを強制させられ、まるでクリティカルヒットが決まるかのように手こずっていた難所をあっさり突破できてしまうような偶発的な驚きがほとんど味わえなくなり、トライアル&エラーが単調に感じます
 
 ただ、ゲームをクリアする頃になるとこの極悪難易度に自然と体が慣れてしまい、あれほど四苦八苦した前作や序盤のステージはただのチュートリアル程度のぬるさに感じられるほど感覚が研ぎ澄まされます。そのため、高難易度ゲームとしてはそこそこの充実感が味わえるのがせめてもの救いです。
 
 しかし、難易度の上げ方がとにかく数の暴力頼みや、敵をわざと視認し辛くするなど、まるでゲームクリア後の高難易度エンドコンテンツばかりやらされているような、到底スマートと呼べるような高難易度ゲームの作りには思えず、好感はイマイチ持てません。
 

説明臭さが増し、ミステリアスな雰囲気が後退したストーリー

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 一作目のストーリーはテンポを損なう説明は二の次三の次で、キレの良い演出の力技でぽんぽんと進み続ける作りのおかげでスーファミレベルのグラフィックは別段気になりませんでした。しかし、今作は説明臭いパートが増え、テンポが悪化した分、このグラフィックのチープさがやや浮き上がってしまった感があります。
 
 しかも、主要な登場人物が増えたのにも関わらず、スーファミ並みのドット絵ではキャラを描き分けることが困難なのか、初見時は誰が誰なのかまったく見分けが付きません。そのせいで今誰を操作して、何をやっているのか頻繁に目的を見失うばかりです。
 
 前作は徐々に主人公の理性が崩壊する様を最小限の描写だけで見せ、何か取り返しが付かない深刻な事態に陥っていく恐怖をドット絵だけで表現するという高度なことをやってのけていました。なのに、今作は余計な説明パートを増やした分、明示されない余白を読み取ろうという気が起きず、むしろ話の謎やトリックが押しつけがましくなり、最後までまったく興味が湧きませんでした。
 
 改めて前作の語り口のバランス感覚がいかにずば抜けていたのかが分かり、むしろ前作の評価が上がりました。
 
 

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最後に

 
 クリアまで約6時間ほど。
 
 作りは多少雑でも、並みのゲームに比べると前作譲りの中毒性は突出して高く、一度やり出すと数時間はぶっ続けでプレイしてしまうほどの魅力は最低限あります。
 
 ただ、ゲーム部分はうんざりするほど余計な手間を足し過ぎ、ストーリー部分はベラベラこれ見よがしに謎を説明しちらつかせ続けるという下品な語り口となり、一本の作品としては芸術的に美しかった前作の完成度に比べ、数段劣って見えます。
 

ホットラインマイアミシリーズ

 

ホットライン マイアミ Collected Edition - PS4

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ホットライン マイアミ Collected Edition - PSVita

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