エンタメ不感症の患部に巻く包帯

アニメ、映画、海外ドラマ、ゲームなどの、エンタメ作品総合レビューブログ

The Incredible Adventures of Van Helsing(インクレディブル アドベンチャーズ オブ ヴァン・ヘルシング)(PS4版)〈レビュー・感想・評価〉 ハクスラアクションRPG以上でも以下でもない無難な完成度

f:id:chitose0723:20190303044016j:plain

トレーラー

 

評価:75/100
 
作品情報
ジャンル
ハクスラ 
アクションRPG
発売日
2013年5月22日(PC版)
2017年5月15日(PS4版)
開発(デベロッパー)
NeocoreGames
開発国
ハンガリー

メモ

 
・起動時は言語設定が英語なものの、オプションから日本語(japanese)を選べば日本語表示にできる(音声は英語のみ)
 
 

f:id:chitose0723:20190303105808j:plain

短評

 
 見下ろし型のハクスラアクションRPGとしては特にこれといって特徴のない、非常にオーソドックスな作りで無難な出来。
 
 それでも、ハクスラとしての基本はきちんと押さえ、かつタワーディフェンス要素を混ぜるなど新しい試みもあり、安定した面白さがある。
 
 

f:id:chitose0723:20190303105007j:plain

ハクスラとしてはややパンチ不足

f:id:chitose0723:20190303104936j:plain

 

f:id:chitose0723:20190303105025j:plain

 

 本作は作りとしては典型的なディアブロライクなハクスラアクションRPGです。ディアブロライクゲームの中でも自分がプレイした中ではタイタンクエストが最も似ています。
 
 中盤以降は難易度ノーマルでもフィールド上で敵グループと遭遇するたびに圧倒的な物量と猛攻で瞬殺され続ける、ほぼ出会い頭にやられることを前提としたバランス設定はタイタンクエストのそれを彷彿とさせます。
 
 このまるでホットラインマイアミのような敵と遭遇→瞬殺→ロードしてまた即挑む→また瞬殺という短いサイクルで試行錯誤を繰り返させる作りは、目の前の強敵に意識を集中させ強引に中毒性を生じさせる効果があるので、一度やり出すとひたすら前進し続け、止め時を失ってしまったということが何度かありました。
 
 ただ、その部分は良いとしても、問題はシステム周りの物足りなさのせいで、強敵に繰り返し挑み続ける行為がかなり早い段階で単調な作業プレイと化してしまうこと。
 
 ハクスラ部分はディアブロ3(ハクスラ以外ではウィッチャー3)と同じで、装備にレベル制限が設定されており、決められたレベルに達しないと装備できないという仕様です。
 
 しかし、一方でレベルアップ時にステータスにボーナスポイントを振り分けるという、どちらかというと装備が一定のステータス数値を要求してくるタイプ(ディアブロ2やタイタンクエスト、ハクスラ以外だとダークソウルなど)のような要素も残っており、ややちぐはぐな印象を受けます。
 
 レベルアップ時に任意のステータスにポイントを振り分けるのなら、それをトレハンで入手したレアなアイテムの装備条件として連携させた方がよりスマートなのに、なぜか本作はボーナスポイントを振り分けるという部分と装備条件が一切関係なく、疑問です。
 
 逆にレベル制限にするなら、ディアブロ3のようにクラフトを入れることで装備の入手方法の幅を広げ、レベルが上がる度に装備をいちいち新調したくなる工夫をもう少し徹底するなどしてくれないと、あまり装備を充実させたいという欲求が生まれません。
 
 ここら辺がうまく噛み合わず、なんとなくのボーナスポイントの振り分けは特に目的もないため魅力が薄く、なんとなくのレベル制限性はうまく機能していないしと、良く出来たゲームに比べハクスラとしての核の部分に中途半端さを感じてしまいます。
 
 それ以外も、アクションゲームとして攻撃の手応えが味気ないのも気になりました。さすがに何万回も何十万回も繰り返し攻撃し続けるハクスラというジャンルでは攻撃にある程度快感が伴わないと致命的です。
 

ハクスラ+タワーディフェンス、二大中毒性が融合する可能性

 
 ほとんどただのイベント扱いですが、ハクスラなのに途中で押し寄せる敵を拠点に侵入させないように防ぐタワーディフェンス要素があるのには驚かされました。
 
 

f:id:chitose0723:20190303110548j:plain

 

 正直、ただ単にタワーディフェンスを後付けで雑に足しただけなので何か特別面白いというワケではないものの、確かにワラワラと現れる敵を薙ぎ払うハクスラと、特定の箇所から同じくワラワラと出現し続ける敵を撃退するタワーディフェンスは根が似ているため、案外混ぜ方によってはとんでもない傑作に化けるかもなぁと可能性も感じました(フィールドに設置する罠をハクスラで入手するとか)。
 
 この二つのジャンルのいいとこ取りをしたら最強の中毒性を持ったゲームが生まれるかも。
 

気になる不親切さ&説明不足

 
 まず、本作で最大の問題はUI周りがいまいちコンシューマ機用に最適化されておらず、ディスプレイに顔を寄せないと文字が小さすぎて読めない点。
 
 

f:id:chitose0723:20190303104256j:plain

 

 ディアブロ3のような元々PC用のものを移植する際に丁寧に最適化され、快適にプレイできるようなものと違い、終始見辛さに悩まされます。
 
 それと、全体的にやれることの多さに比べ説明不足気味で、とにかくプレイ中細かい部分が不明なままで、酷い場合は二周目を始めてようやく気づいた箇所もありました。
 
 まず、盲点だったのが、アクティブスキル(プレイヤーが任意で発動するスキル)の上部に存在する三つの効果の意味。
 
 

f:id:chitose0723:20190303104154j:plain

 
 てっきりこれはパッシブスキル(何もしなくても常時効果を発揮し続ける)のようなもので、スキルポイントを振り分けて取得すれば常時効果を発揮し続けるのかと思っていました。しかし、実際は敵を攻撃することで溜まる怒りゲージを消費して行う特殊攻撃の際に上乗せされる効果なだけだと分かり唖然。
 
 これに気付いたのが二周目の序盤に説明が表示されたタイミングで、このせいで一周目はスキルポイントを完全に無駄にしてしまいました。
 
 それに、エキスという合成アイテムを武器や防具に合成するシステムも直感的に分かり辛く、使いこなせるようになったのは中盤くらい。
 
 

f:id:chitose0723:20190303105620j:plain

 
 複雑というほどではないものの、多少は説明がないと理解に手間取る部分が多く、一周目は手探りでプレイすることとなり、やや魅力が陰ってしまっています。自分の場合も一周目では見えていなかったシステム同士の繋がりが二周目でようやく正確に把握でき、ぐっと印象が上向きました。
 

ロードの長さをデスペナルティ化するヘンテコな仕様

 
 このゲームはロードがやや長めでエリア移動の際に20~30秒ほど待たされます。それだけならさほど気にならないものの、しかし、問題はこのロードの長さが変な作用の仕方をしていること。
 
 敵にやられた際は、お金を払ってそのエリア内で復活するか、もしくは無料で拠点からやり直し、もう一度やられたエリアに時間をかけて移動するかどちらかを選ぶのですが、ロードが長いせいで単にロードを回避するためだけにお金を払ってエリア内で復活したくなるという変なバランスになってしまっています。
 
 オプションで弄らない限りは基本は倒した敵は復活しない仕様なので、ロードさえ長くなければその都度拠点から移動し直しても道中の敵は排除済みで楽々やられた場所まで移動できるため、実質移動の面倒さよりもロードの長さのほうが苦痛という意味が分からない仕様です。
 
 本作は敵にやられても、削った分のダメージはそのままの状態で何度でもそのエリア内で復活し続けれられるのでどんな強敵もゴリ押しで勝て、難易度はかなり低めです。なのにこのロードの長さだけが不自然なデスペナルティとして浮いて機能するせいで、ロードを回避するためにお金を払うという、ゲームとしてはストレスの設定の仕方がデタラメこの上ない作りで非常に不満でした。
 

最後に

 
 クリアまで約20時間弱ほど。ボリュームはそこそこあるものの、ほとんどが作業プレイに近く、終始単調さが付いて回ります。
 
 若干基本に忠実過ぎるきらいがあり、ディアブロなどの一流どころと比べると見劣りするものの、トレハン・ビルドとハクスラの醍醐味は十分に味わえるコスパの良い作品であることは確かです。