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[アニメ]神撃のバハムート ジェネシス 〈感想・レビュー〉

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PV

 

評価:75/100
 
作品情報
放送期間
2014年10月~12月
話数
全12話
アニメ制作会社
MAPPA

短評

 
 終始途方もない映像の密度で圧倒されるものの、それがイマイチ面白味に直結せず空回りし続ける。
 
 見ている間は画面の作り込みで退屈さを覚えることはほぼないものの、見終わると特に記憶にも残らない、映像の迫力にのみ偏った作品。
 

バスタードもテレビアニメ化出来そうなほどボリュームたっぷりの映像

 
 見始めて初っ端から度肝を抜かれるのがテレビアニメとしては破格なまでのビジュアル面の豪華さです。
 
 キャラクターの表情は喜怒哀楽がころころ変わる豊かさで見ていてまったく飽きず、モブキャラ一人一人に至るまで気を配ったキャラクターデザインの細やかさは隙がありません。
 
 物語の舞台となる場所も都市から山岳、寒村、船上、森、異界?と次から次へと移り変わるため背景の使い回しがほぼなく、常に新鮮な景色が映り続けるという気が狂ったような贅沢さ
 
 EDアニメーションも進撃の巨人の一期のような、NHKのみんなのうたで流れそうな手間の掛かった上品なアニメで、やたら似ているなぁと思ったら、まったく同じ山本紗代監督の仕事で驚かされました(進撃と神撃で韻を踏ませたかった?)。
 
 OP・EDアニメーションすら一切の妥協をしない姿勢、ハイファンタジー作品なのにOPにヘヴィメタルっぽい曲を流すセンスなど、本作を見ていて一番連想させられたのは漫画のバスタードです。
 
 見る者の情報処理能力など完全に無視して病的なまでに描き込まれた映像は、一度見ただけではほぼ何が描かれているのか細かい部分は判別できません。
 
 一瞬だけ映る背景や、特にコレと言って意味もない登場人物の仕草や挙動まで手を抜かず描き込んでいるため、凄いを通り越して自己に課すハードルの厳しさが若干病んでいるようにも見えます
 
 ・・・・・・ただ問題は、それら作り込んだ画面が特に面白さに貢献していないこと。
 

ハイファンタジーなのにファンタジーをやる気がゼロ

 
 ハイファンタジーというものは異世界を丹念に作り上げ、現実とは異なるルールが存在する世界の在り様を細かくシミュレーションすることにより初めて世界が呼吸するのに、本作はそれがほとんど出来ていません。
 
 ただド派手な映像を成立させるためだけの言い訳として都合よく異世界を利用しており、この世界に一つの興味も湧きません。
 
 世界そのものを描きたいのではなく、ただ神や悪魔、強大なドラゴンを出して乱舞させるのになんでもありの異世界が都合がいいからそうしているだけ。
 
 ハイファンタジーには絶対に重要な、その世界の人間はどのように現実の人間と思想や価値観が異なるのかという根本部分の描き込みが足りず、終始作り物感が拭えません。
 
 ファンタジーとして強靭な骨格を持たせられなかった弊害でふにゃふにゃしていて頼りがいの無い、装飾だけ過剰な作品になってしまった印象です。
 

なんとなくの雰囲気脚本

 
 本作の味気なさの大きな原因の一つでもあるのが芯がまったくない雰囲気だけの脚本。
 
 ディテールという概念がないのかと思うほど、見た目がなんとなくファンタジーっぽい展開や、スタイリッシュっぽいシーンの連なりだけで進んでいくため起こる展開は全てデタラメ。
 
 5話でカイザルが檻の中から拘束されたアーミラを見つめるショットが過去の父の処刑シーンに繋がる見せ方など、要所要所は非常に冴えているのに、全体的に脚本にも演出にも溜めというものが無く、一つも積み上がっていくものがありません。
 
 前半は自分的に死ぬほど大嫌いな、話をまるで聞かない登場人物を出し、その人物の早合点や勘違いでトラブルが起こり続けるという、無理やりなトラブルのためのトラブルを見せられ続け辟易させられました。
 
 中盤以降はそのような展開は無くなるものの、結局何一つ前半で積み上げていないため、中身が空っぽな絵的なスケールだけ大きい虚しいラストを迎えるだけ。
 
 自分の親を殺した悪魔と和解するというプロセスも適当すぎてバハムートから世界を救うために、人間と神と悪魔が協力し合うというラストの展開が弱く見えます。
 
 物語の中心であるはずのバハムートも本当に世界を滅ぼすただの装置でしかなく、もう少し深みを持たせられなかったのかと不満でした。
 
 ゲームのファイナルファンタジーみたいに虐げられた者が怒りと絶望から世界を破滅させようとするなど、バハムートの復活と誰かの切実な怒りや悲しみがリンクすることもないため、非常に味気ないです。
 

最後に

 
 ソーシャルゲームが原作と考えると目を見張る完成度で、映像の作り込みの妥協なきストイックさも気迫が宿り鬼気迫るものがあります。
 
 ただ、見終わった後は映像がド派手だったということ意外はあまり記憶に残らない、ハイファンタジー作品としては、見た目と反し薄味な作品。
 

余談

 
 ヒロインであるアーミラが不機嫌そうな表情を浮かべる度にどこかで見かけたことがあるキャラだと思い、キャラクターデザインの恩田尚之さんの過去作を調べていたら自分の大好きなエルゴプラクシーがあり「そうだ、アイシャドーがないリルなんだ!」と気付き、スッキリしました。
 
 
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