発光本棚

書評ブログ

発光本棚

1期という高いハードルに力の限りを尽くし挑んだ力作 [アニメ]『進撃の巨人 シーズン2(2期)』〈感想・レビュー〉

f:id:chitose0723:20200131182618j:plain

PV※一期を見ていない場合ややネタバレあり

評価:85/100
作品情報
放送期間 2017年4月~6月
話数 全12話
アニメ制作会社 WIT STUDIO

メモ

 
・シーズン2の範囲は原作コミックスで言うと8巻の終わりから13巻の頭までの内容です
 

短評

 
 立体機動アクションや巨人同士の格闘戦は相変わらず見応えがあり、アクションアニメとしては前期から引き続き超一級の完成度です。
 
 ただ、アクションが映える場面を中心としたシリーズ構成のため話が途中から始まり途中で終わるぶつ切り感が強く、一期ほどのキレイなまとまりではありませんでした。
 

一期が傑作過ぎたばかりに……

f:id:chitose0723:20201204124925j:plain

 
 今期も一期同様に他の漫画原作のアニメ群の中では相変わらず完成度は突出しており、見ていてクオリティ面で不満を覚えることはほぼ皆無でした。
 
 ただ、一期があまりにもアクションアニメ作品としては怪物過ぎた反動で、なんとか質を落とさず維持するだけで精一杯という作り手の苦悩も感じ取れます。
 
 一期は荒木哲郎監督のキレキレのコンテや、大傑作だった『ルパン・ザ・サード 峰不二子という女』の山本紗代さんがEDアニメーションに関わっているなど、破格にもほどがあるほどの出来栄えで「あれと比較されるのはキツイだろうな」と、二期のスタッフに同情しました。
 
 一期に過剰なまでの気合いを込めた結果、越えなければならないハードルや満たさなければならない最低水準が高くなり過ぎて、自分たちが設定したハードルに自ら四苦八苦している感じです。
 
 二期を見たことで改めて一期は日本のテレビアニメの歴史に残ると言っても過言ではない域に達していたのだということを思い知らされました。
 

立体機動に思いを乗せて

f:id:chitose0723:20201204125040j:plain

 
 一期と同じでアニメとしての力点がほぼアクションに絞られている点は同様。相変わらず立体機動も巨人同士の格闘も凄まじい完成度で、アクションが始まると画面が通常シーンの数十倍は活気づき、魅力が数段増します。
 
 特にドラマ展開と連動する、登場人物のほとばしる感情が乗った立体機動アクションは格別で、感情の爆発と作画による激しいアクションが重なり合う瞬間はため息すら漏れるほどの美しさでした。
 
 このキャラクターの感情をアクションに乗せるという基本的なことが出来ていないアクションアニメが多い中で本作は抜きん出ており、様々な感情が入り混じったアクションで感極まる贅沢なアクション作画体験が味わえます。
 
 やたら動くだけで何の感慨もないスカスカなアクションと異なり、巨人の重量感を表現することでそのまま世界観に厚みを出し、斬撃に重みを加えることで切断に手応えを持たせ、立体機動装置のワイヤーの巻き取りをしっかり描くことで作画の都合で高速に動いているのではなく立体機動で高速に動いている人物を描いているように見えと、力を入れる部分がことごとくアクションの快感に作用し、アクションを見ているだけで感動できました。
 

不満あれこれ

 
 本作の一番のガッカリポイントは超大型巨人が作画からCGになってしまったこと。これのせいで一番迫力が求められるはずの超大型巨人が進撃の巨人・鎧の巨人・獣の巨人などの主要な巨人たちよりも重みがなく軽そうという非常に残念なことになってしまっています。
 
 『進撃の巨人』という作品の看板的な存在でもある超大型巨人がこの迫力不足ではさすがに落胆させられました。
 
 それに仕方ないとは言えリヴァイが丁度負傷して戦えない時期から始まりそのまま終わるため、一回たりとも人類最強であるリヴァイの立体機動アクションが拝めないことも物足りなさに拍車をかけています。
 

最後に

 
 明快な一期の衝撃に比べると、何とか一期の出来に近づけようとする必死さが混じっており視聴の際にやや気を使ってしまいました。
 
 それでも原作の『進撃の巨人』という傑作漫画の魅力を損なうどころか強めてしまう気合いは健在で、退屈に感じる瞬間はほぼありませんでした。
 
 この完成度で映像化してくれるだけで感謝の念しかありません
 

進撃の巨人シリーズ 

 
 
 
 
TOP