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最終章なんて言わずに永遠に続いて欲しいガルパン ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 〈感想・レビュー〉

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トレーラー

 
評価:90/100
 
作品情報
劇場公開日
ソフト発売日
2017年12月9日
2018年3月23日
話数
全6話の内の1話
アニメ制作会社
アクタス

短評

 
 新キャラの登場させ方一つ取ってもまるで手抜きなどない、ガルパンらしい描写の一つ一つに真心がこもった丁寧な作品に仕上がっており満足度は高い。
 
 しかし、他校との戦車戦の途中で話が終わり、2話に続いてしまうため一作だけで楽しめないという問題もある。

 

口あたりの良いマイルドな語り口

 
 本作を見る前は、劇場版から数年経っていたこともあり、もう一度TVシリーズを最初から見直して情報をしっかり頭に叩き込んでから挑もうかと悩みました。
 
 しかし、これまでのガルパンの作りの丁寧さからしたら多少細かい情報を忘れた程度でそこまで置いてきぼりを食うことはないだろうと高を括って見始めると案の定ガルパンから二、三年離れていた程度の空白などまったく意に介さず、なんの問題も無くすんなり入っていけました。
 
 それどころか、大学選抜チームと戦うため、TVシリーズやOVA版で砲火を交えたライバル校と共闘するという内容の劇場版よりも、オーソドックスな勝ち抜きトーナメント方式の今作のほうがむしろ各高校の立ち位置が分かりやすいくらいです。
 
 この、見る側に過去作品の細かい情報理解などの負担を求めてこない、マイルドな語り口は他の作品にも見習って欲しいと思うほど見事でした。
 
 自分のようなガルパンを久しぶりに見る者でも難なく作品に入り込める取っ付きやすさはこのシリーズの大きな魅力の一つだと思います。
 

新キャラの立て方がほぼ100点

 
 最終章から仲間に加わるサメさんチームとの出会い方、個性の出し方、距離の縮め方など、脚本の吉田玲子さんの一見強引な様で微細なこだわりが徹底している手並みの鮮やかさは感動的ですらありました。
 
 この、「感じ悪い人たち」→「でもそんなに悪い人ではないらしい」→「実は義理人情に厚い人たち!」というオーソドックスな手順をリズミカルな印象変化で表現する様は、画面はコミカルなのに、そのコミカルさを支える綱渡りのようなバランス感覚はシビアなものという落差により、心地よいスリルを堪能できます。
 
 それに、ガールズ&パンツァーという作品はこのくらいのおふざけ加減で、しかし一切手抜きのない真摯な姿勢で作るのだという、ガルパンという作品全体のスタンス説明にすら見えるほど、ガルパンらしさ全開のコミカルなシーンに仕上がっており惚れ惚れさせられました。
 
 このサメさんチームメンバーと出会うシークエンスはガルパンという作品の魅力がこれでもかと凝縮されており、戦車で戦う見慣れた絵が続く後半よりも、新鮮でした。
 
 ……ただ、元々アニメの『クレヨンしんちゃん』シリーズに長く携わっていた水島努監督なので、抜群のテンポ含め、ガルパン内でクレしんっぽいことをやっているのかなと、クレしんの香りを感じなくもないです。
 

戦車戦の本番は2話にお預けという半端さ

 
 今作は、第1話のBC自由学園戦の途中で次回に続くという形で終わるため、戦車同士の戦いを堪能するという部分はかなり弱めです。
 
 冒頭はTVシリーズの一話をさらに洗練させたような、終盤に起こる出来事を冒頭に配置するという奇抜な始まり方をしており、自分はこのような時間の流れを前後させる構成が好きではないので最初は若干苦手意識を持ちました。
 
 ただ、見終わってみると確かにこの構成にしたことで、ややボリューム少なめな戦車戦に対して、意識を冒頭の橋の上の危機的状況に集約させられるメリットがあり、うまく戦車戦のボリューム不足を構成の妙で誤魔化せているなと、当初抱いた印象が逆転しました。
 
 新しく加わったサメさんチームに華を持たせる役割もきっちり果たしており、やはりガルパンらしく無駄がない内容でこの出来栄えを味わってしまうと否応なく次回にも大きな期待を抱いてしまいます。
 

最後に

 
 BC自由学園戦話が中途半端に終わってしまうという点以外は、不満らしい不満など見当たらない、欠点らしい欠点など皆無な、相変わらず見ている間中ずっと幸福感に包まれっぱなしの傑作中の傑作!
 
 
 相変わらずガルパン超楽しい!