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ライズ オブ ザ トゥームレイダー 〈レビュー・感想〉 

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PV

 
評価:80/100
 
作品情報
ジャンル
オープンワールド
ステルス アクション TPS
発売日(日本国内)
2015年11月12日
開発(デベロッパー)
Crystal Dynamics
開発国
アメリカ
ゲームエンジン
Foundation Engine

短評

 
 グラフィックの質が劇的に向上したことや、前作にはなかったダッシュ機能や新アクションが追加されたことなど進化を遂げた箇所が多く、ゲームとしてのリッチさは大幅に増した。
 
 しかし、怒涛のアクションを売りにしていた前作に比べ、マップを広くし、探索・やり込み要素を増やしたせいで、ずば抜けたテンポの良さが損なわれてしまった。
 
 他のアクションゲームと比較した場合は特に不満はないものの、前作と比較するとゲームプレイの密度が低下したため、物足りなさを感じてしまう。
 
 

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ゲーム主導のシンプルな高密度リニアアクションから、ややオープンワールド寄りの雑多な作りに

 
 ゲームを開始してまず何よりも驚かされたのが第7世代機(Xbox360)と第8世代機の縦マルチのゲームとは到底思えないほど、前作からのグラフィックの進化が凄まじいことです。
 
 縦マルチタイトルの中では『メタルギアソリッドⅤ:ザ・フォントムペイン』などと並び間違いなく世界トップ級のキレイさだと思います(知らない状態で第8世代機専用タイトルと言われてもまったく疑いもしない)。
 
 冒頭の『コールオブデューティー モダンウォーフェア2』を連想させられる雪山でのアイスクライミングは、テクスチャの精細さも相まって本当に氷壁にピッケルを突き刺してクライミングしているような臨場感を味わえ感動しました。
 
 

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 道具を使ってクライミングするという操作自体は前作と同様にも関わらず、これが別物の作品なのだと納得させられるほどの進化を感じ取れます。
 
 カメラワークも前作から引き続き、優秀な撮影監督が監修しているのかと思うほど、その場その場に合った適切な角度と距離でララを捉えてくれ、ビジュアル周りに不満は特にありませんでした。
 
 ……ただ、グラフィックの綺麗さは目を見張るものがあるものの、余計なシステムを足してアクション以外の手間を増やしてしまったせいで、やや雑多な印象が増えました。
 
 前作はリズミカルな進行テンポによってもたらされる怒涛のアクション展開が見事だったのに比べ、今作はその部分が完全に後退しています。
 
 前作のリブート版トゥームレイダーはXbox360版をクリアしてから4~5年くらい月日が経っていたため、傑作だったという記憶以外は内容の細部までは覚えていませんでした。
 
 なので、復習がてらsteam版をもう一度クリアしてから本作をやろうと、久しぶりにプレイし直すことに。すると、前作は2013年のゲームとは思えないほど色褪せず、未だに圧倒的な面白さは健在で、俄然本作への期待値が上がりに上がりまくりました。
 
 冒頭のアイスクライミングの迫力で度肝を抜かれ、もう期待値がはち切れんばかりに上昇し、これは大傑作間違いなしと思いきや、正直その後は冒頭の感動を超えることは一切ありませんでした。
 
 前作の、リニア型ゲームが得意とするゲーム側が主導権を握りゲームプレイのリズムを掌握する怒涛の高密度アクションを後退させ、マップを広くして探索要素を強化したような作りにガッカリさせられ、モチベーションが回復するまでかなりの時間を要しました。
 
 マップが大幅に広くなった弊害でイベントの合間合間の移動テンポが悪化し、前作では皆無だった、オープンワールドゲームにありがちな移動時に緊張感が途切れてしまうゲームプレイのたるがやたら目立ちます。
 
 この興味が先へ先へではなく、広いマップに拡散してしまう、ゲームの推進力を移動に時間が掛かる広いマップがぶった切る感覚はあまりこのシリーズで味わいたくはありませんでした。
 
 ダッシュが使えないという前作の不満が改善されたり、今作からオブジェクトにロープを引っ掛けてスイングして遠くの場所に移動するなど、システム周りや操作性周りが強化されたり、新規に追加された要素も多々あり、魅力が増した箇所も多くあります。ただ、失った魅力のほうが勝ってしまいます。
 
 

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 前作はたいまつで何かを燃やすというアクションと、燃えやすい木造建築が多い和風の舞台を利用し燃え盛る建物からの脱出という、火を用いてアクションとシチュエーションにいんを踏まるせるような心地良さがあり、並みのアクションゲームを凌駕するほどセンスが優れていました(後は、嵐によって脱出できない舞台設定と、強風を利用する謎解きやシチュエーションを連動させる、など)。
 
 今作はそこら辺の密度やセンスが後退し、ややグラの綺麗さや新規システム、やり込み要素の物量で誤魔化している感があり、諸手を挙げて大絶賛という気分にはなれません。
 
 わざわざありがちな探索・やり込み要素を足し、ステルス要素も増やすなど、ゲームとして平均化させなくてもいいのにと、歯痒さを感じました。
 
 

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悪い意味で増してしまったUBIっぽさ

 
 今作はいかにもUBIの『ファークライ』シリーズっぽい取って付けたようなクラフトなどが追加されたものの、別段売りであるアクション面を強化するワケでもなく、必要性をさほど感じません。
 
 前作から量だけ増やした出来の悪いスキルツリーも、ただのおつかいでしかないサブイベントも、広いマップに隠されたドキュメントやアイテムを探すといったいかにもUBIっぽい薄いやり込み要素もボリュームの水増し以上の意味を見出せません。そもそもUBIですらこれらをまともに機能させられていないので、うまくいくはずもなく。
 
 本作でも総じて今風なクラフトやオープンワールドっぽい要素を考え無しに継ぎ足した様な雑な作りは、前作のアイデアの機関銃掃射のような、考えるよりも先に手が勝手に動いてしまう豪快なアクション群の楽しさの足元にも及びません。
 

トゥームレイダーの信条

 
 システム回りに比べると重要度的にはやや下がるものの、どうしても気になったのは『アサシンクリード』を劣化させたようなストーリーの味気無さです。出てくるキャラクターは全員記号的でペラペラな薄さで、話も底が浅く退屈です。
 
 終始どうでもいいマクガフィンくらいの存在感しかない秘宝を、アサシンクリードにおけるアサシン教団もどきの様な集団と協力し、テンプル騎士団(アブスターゴ)もどきみたいな組織と奪い合うという「同じような話をアサシンクリードで何回も見たし……」という内容でうんざりでした(不死の預言者や秘宝という設定も、どこかアサシンクリードのかつて来たりし者やエデンのかけらの設定に似ている)。
 
 ここら辺はUBIのゲームのほうが圧倒的に舞台設定やコンセプト作りのセンスが上です。影響を受けなくてもいいシステム部分は影響を受け、受けるべきコンセプト部分はスルーなため「どうしてUBIのイマイチな部分だけ忠実で、優れた部分は無視なんだよ!」とツッコミたくなりました。
 
 『クォンタムブレイク』と同じで敵組織のキャラクターが素っ気無さすぎて、戦闘に何のドラマも生じないため、「トゥームレイダーってこんなにシューターとしてつまんなかったっけ?」と思うほど、うじゃうじゃ湧くだけの敵との銃撃戦は前作よりも遥かに単調です。
 

 
 出来もしないのに話のスケールを大きくしようとしたため、センスの無さとスカスカな印象だけが増すという残念な結果に終わっています。これなら呪われた島からの脱出という、サスペンスとしてはオーソドックスでスケール的には小ぢんまりとしているものの、最終目標が飲み込みやすかった前作のほうが遥かにマシでした。
 

最後に

 
 クリアまで約13時間ほど。前作がクリアまで約8~9時間だったので、ボリュームは気持ち増している程度なものの、それでも前作よりボリュームが増えたのは体感で分かります。
 
 やたら不満が多くても単体のアクションゲームとして見れば超一級な出来なことは確実です。
 
 しかし、前作のほぼ非の打ち所がない特盛りアクション体験が感触として残った状態のまま本作をプレイしてしまったので、欠点ばかりが目に付き最後までイマイチ乗り切れませんでした。
 
 自分としては、シンプルさを犠牲にするだけの邪魔な要素ばかり増えた今作よりかは、ド派手アクションとリズミカルなテンポが堪能でき、終始超楽しかった前作のほうが遥かに好きです。
 

 

ライズ オブ ザ トゥームレイダー 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

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