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「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX(メガマックス)」 〈レビュー・感想〉

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トレーラー

評価:85/100
作品情報
公開日 2011年12月10日
上映時間 95分(劇場版)

短評

 
 細かいストーリーの整合性など度外視し、テンポの良い活劇だけで挑む真っ向勝負姿勢が潔い傑作ヒーローアクション映画。
 
 並々ならぬアクションへの自信と、それを証明するような予算ではなく情熱で作ったアクションシーンは圧巻。
 

勢い重視を象徴するかのような傾斜画面

 
 本作はほとんどのアクションシーンで画面が傾いています。
 
 それは、映画の『第三の男』で有名な、映像に不穏さや緊張感など異質な感触を出すためにカメラを傾ける撮影テクニックとは異なり、坂本浩一監督作品お馴染みの低予算でアクションシーンに躍動感を出すための手段としてです。
 
 このテクニックの使い方が非常に巧みで、特に冒頭の仮面ライダー1号・2号の戦闘シーンは撮影の距離感が近すぎず遠すぎずの絶妙な位置で、味方と敵が画面の前後や左右に展開するというシンプルな構図も相まって美しさすら感じました。
 
 装飾やキャラ付けが派手な平成ライダーよりかはデザインがシンプルな昭和ライダーのほうがこの撮影の過剰さをいい塩梅に中和できて相性が良いのか、昭和ライダーの戦闘シーンはどれも惚れ惚れするほどキレがよくカッコいいです(単に平成ライダーのほうがデザインが凝っている分スーツが重くてスーツアクターの人が動きづらいだけかもしれません)。
 
 これをあまりやり過ぎると映像作品として極端に奇抜で安っぽくなってしまうという副作用もあるものの、アクションや編集のテンポの良さでうまく誤魔化せているので、マイナス面はほとんど気になりません。
 
 単に殺陣だけでなく、撮影や編集まで気を配り、アクションの魅力を映画全体が最大限まで引き出してくれているので、並のアクション映画より見応えがあります。
 

フォーゼパートの演出が一部雑

 
 オーズとWはテレビシリーズ終了後の後日談的な話ということもあり、多少強引な展開ながらも、登場人物たちの立ち振る舞いはすでに完成されておりまとまって見えるのに、フォーゼパートだけやたら演出を役者の演技に丸投げしているのか、若干見ててキツイシーンが多くありました。
 
 演技指導が行き届いていないのか、撮影のテイクをちゃんと重ねていないのか、役者の人がどんなテンションで演技していいのか迷っている様が透けて見える箇所がそこら中にあり、そのノイズのせいで何度も現実に引き戻される瞬間があります。
 
 フォーゼは主要登場人物が多く、キャラも極端に味付けが濃いため、他の作品よりも丁寧な演出のフォローが必要なのに、それがまるで足りていません。
 
 ここだけ勢いで全てを誤魔化そうとする本作の手法がもろに裏目に出てしまっており、そこが気になってドラマがいまいちストレートに響いてきませんでした。
 

最後に

 
 外してはいけない勘所さえ押さえてしまえば多少粗があっても勢いで押し切れてしまうという作り手のしたたかな戦略が頼もしい、仮面ライダー映画どころか普通にアクション映画としても傑作で大満足な一作。