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GTA(グランド セフト オート)5 〈レビュー・感想〉 ユーモアという縦糸と暴力という横糸が織り成すロスサントス模様

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トレーラー

 
評価:95/100
 
作品情報
ジャンル オープンワールド
アクション TPS
発売日(日本国内) PS3版、Xbox360版:2013年10月10日
PS4版:2014年11月18日
PC版:2015年4月14日
開発(デベロッパー) Rockstar North
開発国 イギリス
ゲームエンジン RAGE(Rockstar Advanced
Game Engine)

メモ

 
・Xbox360版、steam版、PS4版をクリア済みで、基本はXbox360版との比較
・オフ専なのでオフラインモードのみ
 

短評

 
 初めてプレイした時ほどのインパクトはないものの、現行未だに世界最高峰のゲームであり続ける大傑作。
 
 マイケルとトレバーの喜劇と悲劇が紙一重の濃密なドラマはいつ見ても圧巻で、キャラクターの魅力はあらゆるゲームの中でもトップクラス。
 
 PC版は、新たに加わったドライブ中自分の好きな音楽を聴けるセルフラジオのおかげで車での移動の楽しさが飛躍的に向上した。
 

王者の風格漂う犯罪都市ロスサントス

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 本作はXbox360版の時点であらゆる全てのゲームを過去の遺物にしてしまうことを目的に作られているかのような熱意が刻み込まれていたこともあり、ちょっとやそっとの経年で舞台となるロスサントスの街の輝きが陰ることはありませんでした。
 
 Xbox360版をクリアした後、今度はsteam版をクリアし、その後再びPS4版もクリアしたものの、全機種どれも超面白すぎて何度クリアしてもまったく飽きがきません。
 
 映画の『マッドマックス 怒りのデスロード』と同じで、計測不能なほどの耐用年数を持つだけでなく、センスが呆れて気が遠くなりそうなほどの域に達しているため、もはやここまで来ると面白いうんぬんを通り越して、畏敬や畏怖の対象となります。
 
 Xbox360版プレイ時はマップの広大さに圧倒されたものの、さすがに今ではこれ級のものは他作品にもあるので、マップの広さ自体の強力なアドバンテージは弱まった感があります。
 
 ただ、マップの広さに対してある程度の冷静さを獲得できたことで、前回のただただ広いマップの中でシームレスに展開するミッションに感嘆させられるばかりだった状態とは違い、良くできたアドベンチャー部分に目が行くようになりました。
 
 一回一回のミッションごとにやたら使い捨てられる贅沢なシミュレーター的なシステムやアイデアが多く、志向しているゲーム性に多分にアドベンチャー成分が含まれていることに気付きます。
 
 このほとんどその場でサクッと覚えて終わったら即ポイッと忘れてしまうという、システムやアイデアをあっさり使い捨てていくかのような作りは、ゲームプレイにしつこさや押しつけがましさを感じさせません
 
 システム一つ一つに未練がましくこだわらないという余裕は王者の風格すら漂わせ、やはり本作を他のゲームとは頭一つ飛び抜けた別格な存在であると印象付ける要因にもなっていると思います。
 

年季の入った熟年カップルにも見えるマイケルとトレバーの愛憎劇

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 発売当初はグラフィックに圧倒されたものの、現在では舞台のスケールは凄くても単純なキレイさで比較したらこれよりリッチなグラフィックのゲームは他にいくらでもあります。ただ、逆に単純なグラフィックの豪華さが強力な売りでなくなったため、むしろこのゲームの面白さの本質がそこでないことに気付きやすくなりました
 
 一見全編コミカルなやり取りを繰り広げているようで、その裏にはマイケルやトレバーが互いに抱く愛憎入り交じった感情が渦巻き、見た目は喜劇なのに本質は悲劇という、二人の心のすれ違いが非常に切なく、何度プレイしても胸が締め付けられます。
 
 トレバーは一見狂人に見えて、誰よりも仲間思いの寂しがり屋で、こんなに多面的な魅力を持つゲームのキャラクターは見たことがありません。
 
 
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 このゲームはユーモラスなやり取りによって悲劇性を強調するというというテクニックがあらゆるゲームの中でも特に秀でており、ストーリーテリング力がずば抜けています。
 
 

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 ゲームをやればやるほどマイケルとトレバーの関係が愛おしくなり、そこにかつて純粋だった頃の自分を思い出させてくれるかすがいとなるフランクリンがいるという、完璧な相性の三人が一同に介する奇跡は感動的です。
 
 プレイするほどドラマの深みが増し、この三人が一緒にいる光景を眺めているだけで幸せな気分に浸れます。
 
 

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革命的なセルフラジオの魅力 ※PC版のみの要素

 
 PC版だけ、コンシューマ版では非搭載の機能である、指定されたフォルダに好きな音楽データを入れると、カーラジオで好きな曲を聴くことが可能となるセルフラジオという要素が追加されています。
 
 これがGTAⅤの乗り物移動部分の楽しさを劇的に向上させるとんでもない新要素で驚かされました。
 
 あんなに長くてダレがちな長距離の移動部分が、自分の好きな音楽を自由に聴けるというただそれだけの工夫でほとんど気にならなくなる……どころか曲をもっと聴いていたいのでタクシーでのファストトラベルすら自然と避ける様になってしまいます。
 
 海が一望できる海岸沿いの道路を走っていた時に、偶然AIRの主題歌の鳥の詩が流れてきた時はあまりの歌とロケーションのシンクロぶりに感動すら覚えました(元の作品のノリ自体はまったく合っていない)。
 
 

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なぜか鳥の詩が流れ出すとテンションが上がりやすい

 

 前々から、オープンワールドゲームのマップの広さという利点を犠牲にせず、移動をファストトラベルでショートカットして誤魔化さず、長距離移動に伴う煩わしさだけピンポイントで軽減できないものかと悩んでいたものの、まさかこんなお手軽な解決方法もあったのかと脱力してしまいました。
 
 自分の好きな音楽をゲーム内でプレイと並行して流せるというシステム(『メタルギアソリッド5』のPC版のウォークマンの音楽再生機能など)は何度か見かけたことがあるものの、GTAⅤのように作品のリアリティラインが高めで、かつ現代が舞台で、かつ車移動がメインで、かつカーラジオの魅力をゲーム体験の軸にしているという幾つもの条件を満たした作品でないとこれほどの効果を出すことは困難だと思います。
 
 現にMGSⅤ:TPPはステルスゲームのため、敵が徘徊するマップ内で音楽を流すと周囲の音が聞こえ辛くなりプレイに支障が出て邪魔でしかありません。
 
 なので、他の作品が安易に真似することはできないものの、オープンワールドゲームの移動周りの不満解消に対して一筋の光明の様なものを見出せました。
 
 ……ただ、PC版の後にPS4版をやり直すと、以外にもこれが無くても特に問題なく楽しめました。
 
 PC版をやった際はセルフラジオは移動の魅力を何倍にも膨らませる革新的な機能だと思ったのに、結局元々ハイレベルな車でのドライブの面白味をより強化しているだけで、無ければなくてもロスサントスの見事な街並みと、程よい集中力を要求される行き交う車の交通量の多さだけでも十分持つんだなと気付かされます。
 
 

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不満あれこれ

 
 本作最大の問題点はチェックポイントの感覚が長すぎて、失敗するととんでもなく手前からやり直しさせられる航空機ミッションの退屈さです。
 
 長い距離を移動し終え、ようやくミッションが終了すると油断したほんの少しの気の緩みで墜落してしまうと心底ミッションを放棄したくなる衝動に駆られることが何度かありました。
 
 このような発売当初はマップの広さに驚愕し、体験が特殊なものと感じた要素がただのストレス源と化してしまった箇所もあり、マップの広さを売りにし過ぎな弊害も多く見受けられます。
 
 広大な舞台をうまく使ってダイナミックなゲーム体験を味わえる箇所は別として、マップの広さだけに依存してプレイ自体は作業的な部分は概ね退屈さが大幅に増してしまいました。
 

最後に

 
 クリアまで約30時間ほど。
 
 作品を飾る善人も悪人も清々しいほど屈託のない前向きな性格でカラッと爽やかだったり、車や人という血液が滞りなく循環することで一個の生命として機能するロスサントスという街の魅力は不変だったりと、何度やっても、いつやっても、やはり最高の一作。
 
 ゲーム史に残る超弩級の大傑作!
 
 
グランド・セフト・オートV 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

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