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【PS3】お涙頂戴テイルズ |『テイルズ・オブ・エクシリア2』| レビュー 感想 評価

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トレーラー

評価:70/100
作品情報
ジャンル 選択が未来を紡ぐRPG
発売日(日本国内) 2012年11月1日
開発(デベロッパー) バンダイナムコスタジオ
開発国 日本

ゲームの概要

 
この作品は、『テイルズオブ エクシリア』の続編です。ストーリーは完全に繋がっており、前作をプレイしている前提の内容となっています。
 
前作からアドベンチャーゲームのような選択肢によってストーリーが分岐するシステムが追加されましたが、シナリオは前作同様に細部が手抜きな上に、こんな展開を入れれば感動するだろうという安易なもので退屈でした。
 
しかも、マップの素材はほぼ前作の使い回しなため新鮮味も薄く、前作の満足度をさらに下回る出来です。
 

改悪、改悪、改悪の改悪地獄なシステム群

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今作のバトルは前作に比べ大幅にアクション寄りにシフトしました。バトルの派手さ・爽快さに重点が置かれ、自分としては成長システムとバトルがそこそこ良好な関係を築いていた前作のほうが好みです。
 
前作でテイルズシリーズにしては珍しく存在感を発揮していたリリアルオーブという成長システムは廃止され、代わりにほとんど投げやりなアローサルオーブというものに変更され、これが最悪です。
 
 

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これはバトル終了後や、フィールドやダンジョンの探索ポイントで入手できるエレメンタルコアというポイントをアローサルオーブにセットしたアブソーバーで各属性値に変換し、その属性値が一定まで溜まるとスキルや技を取得できるという、ややこしいシステムです。
 
フィールドやダンジョン探索に意識を向けさせるという利点のようなものもあると言えばあるものの、リリアルオーブに比べ、成長の手応えはほぼ皆無でした。
 
バトル周りはリンクシステムはそのままで、それと絡めたリアルタイムキャラ交換システムは廃止されパーティが四人固定制に。
 
さらに主人公のルドガーだけ双剣・ハンマー・双銃(二丁拳銃)の三つの種類の武器の装備スロットが設けられ、それをウェポンシフトというバトル中のリアルタイム武器交換システムによっていつでも変更可能だったり、骸殻がいかく能力という専用の変身システムが搭載されていたりと、もはや他のキャラはただのルドガーのオマケのような扱いに格下げされました。
 
確かにルドガーの使う双剣は非常にスピーディで気持ちよく、ウェポンシフトの使い勝手も上々で、強力な変身システムも派手で爽快感があると言えばあるものの、そのせいでバトル全体がかなり大味になった印象です。
 
バトルはほぼ武器交換と変身可能なルドガーだけの独壇場で、これなら各キャラにそれぞれしっかり役割が与えられていた前作のほうが遥かに丁寧で好ましかったです。
 
今作はルドガーという特殊仕様のキャラを入れたせいでその他の前作キャラがただのサポートのための数合わせのようになってしまいかわいそうでした。
 

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ルドガー

 

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エル

 

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分史ミラ

ただプレイヤーに負荷をかけるだけの安易な選択肢

 
※ここからやや前作・今作のネタバレが含まれます
 
 
 
バトルシステムがアクションに寄ったように、ストーリーは旅や冒険を通じて成長していくというRPG的なスタイルから、ひたすら身内同士の悲痛なドラマに終始するアドベンチャーゲーム寄りにシフトしました。
 
前作からの最大の変更点は、制限時間付きの二択の選択肢が追加されたことです。
 
主人公のルドガーはプレイヤーに感情移入させるためと、あるトリックのために相づちや掛け声以外はほぼ無口で何もしゃべらないという、キャラクター同士のやり取りを大事にするテイルズシリーズとしては異様な存在です。
 
それに、プレイヤーにえぐい選択をさせるためだけに犠牲になるキャラが何人か設定されているなど、シナリオ全体がこの選択肢システムに掻き回されてぐちゃぐちゃになってしまった感があります。
 
この選択肢システムはテイルズシリーズのジュブナイル的なキャラクターの精神的な成長を描くコンセプトとは非常に喰い合わせが悪く、危機的な状況の仲間を見殺しにするとか、家族を殺す・殺さないとか、小手先のえぐい選択肢を選ばせることが目的化してしまっており、あまりキャラクターへの愛を感じません
 
別に『テイルズ オブ ファンタジア』だって殺す・殺さないの選択肢など選ばなくとも、限りある資源を巡り、クレスたちと同じで自分の星や大切な人達を守るという使命を帯びていたダオスを倒さなければならなかったことの罪悪感でクリア後やるせない気持ちになり、深く考えさせられました。
 
いちいち殺すということを選択肢で選ばせなくても、シナリオさえきちんとしていれば勝手にプレイヤーは想像を働かせるので、キツイ選択肢自体はそれほど必要だとは思えません。
 
選択肢システムへの悪印象とも関連するのが、今作から追加された分史世界というパラレルワールド設定や、その他キャラクター描写のずさん極まりなさです。
 
特に気になったのはルドガーとエルの描写が致命的に足りないこと。
 
この二人の関係性は本作で最も重要なのにも関わらず、この二人に割くべき尺は引き続き登場する前作キャラたちに分散しています。
 
今作は、ルドガーとエルの話なのに、話としては延々前作キャラが、前作で解決できなかった悩みや問題をひたすら解決するお手伝いをするというサブエピソードや、ルドガーと前作キャラ、もしくはエルと前作キャラの絡みだらけで、あまりルドガーとエルが直接的に絡むことがありません。
 
この二人が誰がどう見ても血が繋がっている家族よりも遥かに深い絆で結ばれている関係に見えないと、エルの父親の選択と、ラストのルドガーの選択(真ED)が決定的に違うということがまるで際立ちません。
 
ルドガーとエルが決定的に絆を深める、二人だけの印象的なイベントを段階的に丁寧に演出できなかった不備がたたり、ラストは感動の押しつけのようにしか見えず白けました。
 
穴だらけのシナリオを安易な泣かせ演出とえぐい選択肢の刺激で誤魔化すくらいなら、もっと根本部分を作り込んで欲しかったです。
 

最後に

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クリアまで約30時間ほど。
 
システムは改悪だらけで、設定をさばき切れず振り回されるだけのシナリオは前作譲りの低空飛行ぶりで不満しかありません。素材は前作の使い回しな上にパラレルワールドと称して使い回しのマップをさらに使い回すため散々でした。
 
前作同様、テイルズっていつからこんな作り物であることを隠そうともしない無味乾燥の世界を歩かされ、イマイチなシナリオを苦痛に耐えながらやるゲームになってしまったのかと、プレイしていて悲しくなりました。
 
列車や駅のイメージなどは魅力的なので、もっともっと普通に見知らぬ世界を列車で旅しながら、ルドガーとエルが心を通わせていく過程を丁寧に描いて欲しかったです。
 

テイルズオブシリーズ

タイトル
ハード
テイルズ オブ グレイセスf(エフ) PS3
テイルズ オブ エクシリア PS3
テイルズ オブ ゼスティリア PS3
テイルズ オブ ベルセリア PS4
 

 
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