トレーラー
評価:75/100
ジャンル | アクションRPG アドベンチャー |
発売日(日本国内) | 2010年3月18日 |
開発(デベロッパー) | セガ(現 セガゲームス) |
開発国 | 日本 |
ゲームの概要
この作品は、『龍が如く』シリーズの4作目です。
シリーズ初となる主人公が4人いて、それぞれの物語がオムニバス形式で関係し合うという新しい試みがされています。
ただ、舞台は神室町 で固定されている上に3の素材をほぼそのまま使い回しているため、ゲームとしては新鮮味はさほどありません。
3で感じたシステム周りの不満はあらかた解消されプレイしやすくなりましたが、マンネリやシナリオセンスの低下が深刻な領域に入り出し、完成度は散々でした。
華麗なスタートダッシュを決めたのに……
今作はお馴染みの主人公である桐生一馬の他に3人の初登場キャラを加えた計4人の主人公がおり、『ドラゴンクエスト4』の様に第一部から第四部まで一部ごとに主人公が交代していき、ラストである第五部で全員が合流するという形式を取っています。
開始直後、第一部の主人公である秋山のエピソードが始まると、初めて一作目をプレイした時と非常によく似た懐かしい神室町の匂いがし驚きました。今回は新主人公のキャラを再び一から構築しなくてはならない分一つ一つの描写が非常に丁寧で、これが一作目に近い雰囲気を醸す要因になっているのだと思います。
冒頭から雨に濡れしっとりと艶 やかな神室町の美しいビジュアルを見せたり、桐生一馬とは異なり極道ではなくカタギの金貸し(兼キャバクラオーナー)である秋山の視点から描かれる神室町が斬新だったりと、非常に好感触な立ち上がりで「これはもしかしたら傑作かも!」と期待しました。しかし、結局その興奮は一過性のもので終わります。
神室町のマップはほぼ3の使い回しで、屋上エリアや地下エリアという新エリアも追加されてはいますが、基本の印象はそれほど変わりません。
今作は神室町という街そのものよりも、街の在り様を見つめる視点の役割を果たす主人公サイドに工夫を凝らすというアプローチです。
カタギの金貸しや、25年ぶりにシャバに出て神室町に戻ってきた極道の死刑囚、生活安全課の不良刑事など、桐生とは異なる神室町観を有する人間達の街との繋がりを掘り下げることで神室町にいつもとは異なる光の当て方をしています。
このおかげで、マップ自体はほぼ3の再利用でしかないのに、格段に神室町という舞台そのものにドラマが生じ、街ではなく視点となる主人公の立ち位置のほうを変えてしまうという選択肢も有りだなと思います。
ただ、結局物語の謎が明らかになっていくと同時に荒い脚本が露呈し足を引っ張りだすので、後ろに行けば行くほど話への興味が失せてしまうのは3と一緒でした。
今作はシリーズの中でも群を抜いて登場人物を極端にバカかマヌケに設定することで話を成立させるという呆れるほど低レベルな作りで、頭がキレる人間がさらに一枚上手なキレ者に巧妙に騙されるなどという手に汗握る展開は皆無です。
とにかくうかつなキャラの注意不足で事態が悪化したり、誰でも気付きそうな不自然さに気付かなかったりと、登場人物達の知能指数や認知能力を下げまくることで本来なら成立しないはずである展開を強引に成立させるというお粗末この上ないやり口が続き、もはやゲームをやっているこちら側がバカにされている気分にすらなります。
これが小説なら作者はバカだと思われて作家生命が終わるレベルですね
終わってみると映画の『インファナルアフェア』ごっこをするだけのシナリオは散々で目も当てられません。
なぜか育成SLGオンリーのやり込み要素
今作の主なやり込み要素は二つ。
一つは、3で初登場したキャバ嬢を店のNo.1に育てるという軽めの育成SLGであるキャバつくが多少システム周りが便利になった程度の改修でほぼそのまま収録されています。
二つ目は、格闘家をつくろうという『実況パワフルプロ野球』のサクセスモード風というか、『モンスターファーム』風というか、格闘家にトレーニングの指示を出しステータスを上昇させトーナメントで勝たせるという要素で、なぜか両方育成SLGという謎のバランスです。
自分的には2のキャバクラ経営の様な軽めの経営SLGで、かつ神室町の雰囲気を強化してくれるほうが好みでした。キャバつくはまだいいにしても、格闘家をつくろうは正直本編の雰囲気を強化するような働きをしないのでそれほど惹かれませんでした。
龍が如くのミニゲームはそれ単体でどうこうより街の魅力を強化してくれるかどうかのほうが重要で、これはやや逸脱していると思います。
最後に
クリアまで約25時間ほど。
今作で最も優れた功績は秋山駿という桐生一馬に負けず劣らずの魅力を備えた主人公を創造できた事だと思います。
ラストで桐生一馬が主人公となると圧倒的なカリスマ性で前半3人の主人公の印象をぶち抜く貫禄を発揮することで、やはり龍が如くシリーズは魅力的なキャラクターに支えられている面が大きいことに気付くなど、得る物もありました。
ただ、中盤以降は3の素材の使い回しが露骨でやたら貧乏くさかったり、相変わらずシナリオが破綻気味で余韻が最悪だったりと、終わってみると欠点ばかりがやたら印象に残るのは3と同じです。
龍が如くシリーズ
タイトル
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ハード
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龍が如く HDリマスター | PS3 |
龍が如く2 HDリマスター | PS3 |
龍が如く3 | PS3 |
龍が如く5 | PS3 |
龍が如く0 | PS4 |
龍が如く 見参! | PS3 |
龍が如く オブ ジ エンド | PS3 |
龍が如く 維新! | PS4 |
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