トレーラー
評価:70/100
ジャンル | アクションRPG アドベンチャー |
発売日(日本国内) | 2008年3月6日 |
開発(デベロッパー) | セガ(現 セガゲームス) |
開発国 | 日本 |
ゲームの概要
この作品は、『龍が如く』シリーズの外伝で、シリーズのキャラクターが歴史上の人物に扮する時代劇になっています。
主人公は宮本武蔵で、江戸時代初期の祇園 が主な舞台です。
ゲームとしては、初期の『バイオハザード』のようにエリアごとにカメラが切り替わっていく方式が廃止され、街全体がシームレスに移動できるように進化しました。
しかし、過去作に比べゲームテンポが著しく悪化し、しかもラストが駄作の邦画並みにダサいなど問題が山積しており、本編シリーズと比べゲームとしてのバランスを欠いています。
苦行の3時間の先にあるもの……
このゲームは、序盤に3時間ほどかけなぜ宮本武蔵が祇園にいるのかという理由を説明するだけの強制回想プロローグが続き辟易します。
「いいからゲームやらせろよ!!」
と、半ばブチ切れながら退屈この上ない回想エピソードを死んだ目でこなし、ようやく本編がまともに始まる頃には疲れ果てました。
作り手は明らかにユーザーに甘えすぎです。
こんなゲーム開始直後にムービー→イベント戦闘→ムービー→イベント戦闘→ムービー→イベント戦闘→ムービー……という、苦行の連続を体験させたら飽きられて途中でゲームを放り出されるという危機意識がないのかと呆れました。
序盤の強制回想プロローグ地獄という難所を抜けると、ようやくいつもの龍が如くらしく、色街である祇園と繁華街である洛外 町の二つのエリアを自由探索できるようになり印象が上向きます。
しかし、ここまで辿り着くまでに評価は最低まで落ち込んでいるため、その後の信頼回復が容易ではありません。
技術的には進歩、演出的には後退した祇園
江戸時代初期の祇園を再現しようという高い志は非常に好感が持てました。
街の作りは1・2から一新され、祇園や洛外町エリアがシームレス(店の中や街から街に移動する際はロードが入る)で、1・2にあったカメラ切り替え処理がなくなりました。
一部カメラが固定の場所はありますが、街の中ではある程度自由にカメラを動かせ、龍が如くからようやく『シェンムー』に戻ったような感じです。
ただ、技術的には間違いなく進歩しているのに若干寂しさもありました。
どうしても1・2の昔の『バイオハザード』のような俯瞰気味の固定カメラが切り替わっていく方式は、あれはあれで街の表情をどの様にフレーミングして切り取るかの計算が入っていました。それが無くなると自キャラの後方からのありがちなカメラとなり味気ないですが、技術の進歩という点では仕方がありません。
まだまだ発展の余地は多分にありますが、PS3用の一作目としてリニューアルは果たせているので及第点の完成度だと思います。
事件は別の場所
街関連で気になったのは、1・2のようにメインのストーリーが神室町で起こり、神室町内をあちこち移動させられるのではなく、何かイベントが起こると祇園や洛外町からさらに外のエリアに移動しそちらでイベントが展開するという構造です。
これのせいで、祇園や洛外町はただの遠出をする際に準備をするための拠点程度の印象しかなく、ストーリー展開が街と密着していません。
祇園や洛外町以外のエリアは、ただの退屈な一本道か本当にイベント用の狭いエリアしかなく舞台としての魅力は皆無です。
そのため、頑張って作っている割に祇園も洛外町も本編の街ほどは記憶に残ってくれませんでした。
作業化し足を引っ張りだしたバトル
バトルは本編よりテンポが悪化しストレスが増えました。
シンボルエンカウントでバトルに移行するという点や、ヒートアクションという必殺技の爽快感頼みという点は過去作と同じです。しかし、バトル中の動作が非常にもっさりしてレスポンスが悪く、その影響で動かしていて楽しくない上にバトルも長引くため一戦一戦が面倒臭く感じます。
それに、ヒートアクションを発動した際のド派手なムービーが長くなったことも、戦闘の鈍重ぶりに拍車を掛けています。
ヒートアクションが近・中・遠距離で発動できたり、一刀・二刀流・大太刀というスタイルごとにバリエーション豊富だったりとかなり豪華で、基本さえもう少しまともなら過去作を凌駕したかもしれないのに残念でした。
ただ、今作は1・2のような素手ではなく刀が主役で、そのため鍛冶屋で武器を強化・錬成する要素が加わりここは割と好きでした。
武器をお金で強化し、限界まで強化すると素材を用いて錬成し、次のランクの武器に改良するという作業を繰り返すため、龍が如くシリーズの豊富なサブクエストとも連動し、プレイのモチベーションを支えてくれます。
不満あれこれ
まず、洛外町に同心が巡回していて、視界内に入ると「御用だ! 御用だ!」と言って追いかけ回される要素は本当に不必要でした。
「御用だ!」と言われながら追いかけ回される時代劇風アイデアを思いついてそのまま考えなしにノリで入れてしまったという安易さが露骨過ぎて邪魔なだけです。
龍が如くにとって街の散策は重要なのに、これのせいで散策の楽しみをイチイチ妨害され、ふざけるなとしか思いません。
さらに、本作で最も酷かったのは尋常じゃないほどセンスがない、作品の余韻を破壊し尽くす、最低最悪なラストです。
もし自分が龍が如くシリーズで最初にプレイしたのがこれで、このラスト周りを経験したら多分未来永劫このシリーズに再び興味を持つことはないであろうと思うほどのダサさです。駄作の邦画を観終わった後の余韻に近く、うすら寒さすら覚えるほどでした。
ここまで完膚なきまでにパーフェクトに超絶ダサくて痛いゴミ以下のラストは二度と御免です。
この超絶うすら寒いゴミエンディングにツッコむまともな感性の人はいなかったのでしょうか?
最後に
クリアまで約20時間ほど。
あえて時代劇に挑戦し、江戸時代初期の祇園の雰囲気をゲーム内で再現するという姿勢は素晴らしいと思います。
しかし、ダメな部分は信じられないほどのゴミっぷりで、シリーズの中ではどちらかと言うと嫌いな部類の作品でした。
龍が如くシリーズ
タイトル
|
ハード
|
---|---|
龍が如く HDリマスター | PS3 |
龍が如く2 HDリマスター | PS3 |
龍が如く3 | PS3 |
龍が如く4 | PS3 |
龍が如く5 | PS3 |
龍が如く0 | PS4 |
龍が如く オブ ジ エンド | PS3 |
龍が如く 維新! | PS4 |
リンク
リンク