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Momodora(モモドラ) 月下のレクイエム 〈レビュー・感想〉 偉大なアクションゲーム達の魂を継ぐ者

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トレーラー

 

評価:90/100
 
作品情報
ジャンル
メトロイドヴァニア
配信日
2016年3月4日
2017年3月16日(PS4版)
開発(デベロッパー)
Bombservice
開発国
ブラジル
ゲームエンジン
Game Maker

短評

 
 『ダークソウル』の影響が強い、プレイに緊張感を生み出すセーブポイントでのアイテム補充制や、絶妙な敵配置、複数の攻略ルートを好きな順番で回れる自由度の高いマップの作り方など、メトロイドヴァニアとして堅実な完成度。
 
 それに加え、『ベイグラントストーリー』の魔都レアモンデを思わせるような、デカダンスな灰色の彩りを添えられた官能的な街の魅力相まって、ゲームプレイ・美術ともに満足度が高い。
 
 ゲームとしての目新しさはないものの、過去のアクションゲーム達の最良の遺伝子を継承した大傑作!
 

我が血肉となりし傑作たちと同種の香りや味わい!

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 本作をプレイ中、湧き上がってくる感覚は過去の傑作アクションゲーム(主にスーファミ作品)をプレイした際の興奮や感動、幸福感でした。
 
 ここには『スーパーマリオワールド』があり、『イース』があり、『ロックマンX』があり、『スーパーメトロイド』があり、ダークソウルがあり・・・・・・作り手の過去の傑作アクションゲームへの愛が滲み出ているため、言葉など用いずとも、ただプレイするだけで好きな作品を共有し、繋がった気分になれます。
 
 ゲームの作りは非常にシンプルイズベストな死にゲースタイルです。
 
 メトロイドヴァニアというと『スーパーメトロイド』や『ラ・ムラーナ』のように途中で謎解きに詰まりうろうろさせられる印象が非常に強くプレイ前は身構えていましたが、マップを開けば未踏破エリアが大体分かるため、ラスボス戦の強制バッドエンドで面喰らった以外は、ほぼ迷うこともなく快適でした。
 
 

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 本作は基本のアクション部分の出来が非常に良く、二段ジャンプ・距離の長めなローリング・(中盤から使用が可能になる)空中ダッシュ・小気味よい近接攻撃・連射可能な弓での遠距離攻撃・弓のチャージショット(途中から二段階チャージ)など、何度繰り返しても飽き辛い耐久性の高い抜群の操作性で、欠点らしきものはほぼ皆無です。
 
 それどころか、途中からロックマンXを連想させる弓のチャージショットが可能となると、シューティングゲーム的な面白さまで強化され「一体このゲームはどこまで面白くなれば気が済むんだ!」と思うほど圧倒的な中毒性で虜になりました。
 
 

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 それに、ゲームをある程度進めるとセーブポイント間をワープ可能となるため、それ以降は同じ場所を繰り返し移動させられる手間も軽減され、快適さもぐんと向上します。
 
 基本のアクションが良くできているだけでも大したものなのに、本作はさらにシステムがアクション部分を強力にバックアップする様な作りとなっており、隙がありません。
 
 まず、ダークソウルタイプの回復アイテム補充制を取っており、アイテムが補充可能な次のセーブポイントまでやりくりして残量を持たせなくてはならず、回復アイテムが心許なくなると無駄なプレイが許されなくなり緊張感が生じます。
 
 アイテムはアクティブアイテム(使い切りの消費アイテムではなく補充型で、回復アイテムもこれ)とパッシブアイテム(装備すると効果が常時発動)という二種類が用意されており、これらを組み合わせることで戦術にバリエーションが生まれ、マンネリを回避する機能を果たしています。
 
 

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 さらに、敵を倒したり宝箱から入手したりするお金でNPCからアクティブ・パッシブ両方のアイテムを購入できるため、敵と戦うということにも終始お金稼ぎという目的が存在し続け、敵との戦闘が作業化しません。
 
 このように、基本アクションの完成度、プレイのモチベーション維持のため単調さを避ける工夫と、あらゆる全ての要素へ適切な配慮がなされており、ほとんど完璧といっても差し支えないほど隙のない濃密なゲーム体験が味わえます。
 
 

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歯ごたえ抜群のクレイジーモード

 
 ほぼ一日かけて実績(&トロフィーも)を全て解除しましたが、本作の真の面白さが堪能できるのはやはり最高難易度のクレイジーでした。
 
 

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steam版で全ての実績を解除した後に、今度はPS4版でもまったく同じ条件で取得できるトロフィーをついコンプリートしてしまうくらいの面白さ!
 

 難易度クレイジーではライフゲージがほぼゼロに等しい状態で始まり、ただザコ敵と接触しただけで死亡してしまいます。そのため、ノーマルやハードでは普通に通過できた場所すら難所に変貌するため、ゲームが全く違う顔を覗かせてくれます

 

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ライフが極小過ぎてほとんど見えない

  ただ、ライフゲージが極小になっただけで敵の配置や動きはそのままなので、これまで培ってきた経験をフルに発揮していけば何とか突破は可能という非常に優れたバランス設定で、それほどアクションゲームが得意でない自分でも途中で挫けずクリアできました。

 
 ボス戦もライフゲージが極小のためほぼ一撃喰らえば即死で、ノーダメージ撃破前提のようなバランスとなり、雑なプレイが一つも許されません。
 
 元々死にゲーとして完成度が高いのに、この難易度クレイジーではさらに磨きがかかり、一度このスリルと歯応えを味わうと、ノーマルやハードでは物足りなくなります。
 
 クレイジーモードはただ難易度が高いため達成感があるというだけでなく、本作がアクションゲームとして優秀なため高難易度という高い負荷にも耐え抜けることを証明しており、本作のアクションゲームとしての圧倒的な強度をまざまざと見せつけられました。
 

不満あれこれ

 
 強いて不満を挙げるなら目新しさがあまりないことです。
 
 全てどこかで見たことがあるようなシステムなので、ここに独創性が加われば無敵だと思います。
 

最後に

 
 クリアまで約5時間ほど。
 
 1プレイのボリュームはやや控え目なものの、その分密度が非常に濃く、特に難易度クレイジーでプレイした際の全てのエリアが難所と化す歯応えは絶品です。
 
 過去の傑作と最新のアクションゲームの美点が幸福に同居する大傑作!
 

同じく大傑作メトロイドヴァニア