えんみゅ~ -えんためみゅーじあむ-

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RYSE: SON of ROME(ライズ:サン オブ ローマ)(steam版) 〈レビュー・感想〉 ド派手なスケールで繰り広げられる、暇を持て余した〇〇の遊び

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トレーラー

 
評価:70/100
 
作品情報
ジャンル
アクション
発売日(日本国内)
2014年9月4日
開発(デベロッパー)
Crytek(クライテック)
開発国
ドイツ
ゲームエンジン
CryEngine

メモ

 
・日本語化してプレイ
・フルHD(1920×1080)、グラフィック品質は高、30fpsでプレイ
・オフ専のためキャンペーンモードのみプレイ
 

短評

 
 圧倒的なグラフィックの美しさだけであらゆる欠点を誤魔化し通す、リプレイ性などほぼゼロに等しいガチガチのリニア型(一本道)アクションRPG。
 
 全てを犠牲にしてでもグラフィックの美しさだけを重視するというその姿勢に一周回って清々しさすら覚える。
 

戦略性というものがほぼ皆無な潔いほど底の浅いアクション

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 本作はプレイ開始1時間程度でやれることが出尽くし、新しい要素が追加されることはラストまで一切ありません。
 
 ひたすら同じことをシチュエーションを変えながら繰り返し続けるだけで、中盤以降は実質ほぼ作業プレイに近い状態です。
 
 しかし、不思議とラストまでプレイがダレることがありません。それはなぜかというと、尋常ではないほど美しいグラフィックの魅力です。
 
 本作は『クライシス』シリーズなどを手掛けるドイツのCrytek(クライテック)社のゲームエンジンであるCryEngine(クライエンジン)という、そもそもグラフィックの綺麗さは折り紙付きの高性能ゲームエンジンを使用しています。
 
 そのため、自分が今までプレイしたゲームの中でも間違いなくトップクラスの凄まじいビジュアルを堪能でき、この薄いアクション性しか取り柄のないゲームへの興味を繋ぎ止めてくれます。
 
 ハッキリ言ってこのゲームはアクションゲーム部分がオマケで、主役はこのゲームエンジンの性能が叩きだすとんでもないグラフィックの豪華さのほうです。
 
 
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 Xbox one本体と同時発売タイトルだけに、新ハードのグラフィック性能のプロモーションだけに特化した様な作りで、アクションRPG(RPG要素はほぼオマケ)としては非常に満足度が低いです。
 
 バットマンライクなボタン一つでお手軽にできる攻撃・パリー・ガード崩し・回避などのアクションと、敵のライフを一定数削ると可能となるQTE処刑(QTEと言っても処刑ボタンを押した瞬間処刑は確定するのでただのヒットストリークを伸ばすためだけのボタン入力)、ほぼ反則的な強力さのフォーカス(スローモーション状態にするモード)など、どれもこれも大して深みはありません。
 
 唯一面白いと思ったのはQTE処刑を行う際に経験値増量・ライフ回復・フォーカス回復・ダメージ増量という4つの効果のうちどれか一つを十字キーでワンタッチで装着できる点です。
 
 ライフが減っていたら処刑でライフを回復したり、経験値を稼ぎたかったら経験値ボーナス効果をセットしたりと、処刑実行中でもその場その場の状況を鑑みて瞬時に効果を変更できるこのシステムは唯一単調な作業プレイの中で思考を促がされる貴重な刺激でした。
 
 このようにアクション性は単調です。しかし、本作がグラフィックを武器にするということを方針としているのだと考えると、確かに諸々の仕様にも合点がいきます。
 
 バットマンライクな操作の煩わしさとは無縁でそこそこテンポのいいバトルを採用することでプレイヤーへの負担を減らしていたり、戦闘のテンポを著しく削ぐようなスローモーション多用なQTE処刑のド派手さは、テンポ命のアクションゲームとしては明らかにマイナスなのに、グラのキレイさを際立たせるためには効果的な演出だったり、など。
 
 グラ押しのゲームとしてはある程度考えられており、ラストまでさほど飽きずにプレイさせる程度にはシステムの単調さを隠蔽することに成功しています。
 

不満あれこれ

 
 本作で一番引っかかったのは物理演算で壊れるオブジェなどが設置されておらず、世界が美しいのにどこか硬質で、プレイヤーの干渉を極端に拒むような印象が強いのがやや気になることです。
 
 同じくグラが綺麗なのにオブジェを破壊できない『ダイイングライト』をプレイした時も感じた、「このオブジェは壊せるのかな?」と思っても触れることすらできないことで、逆に作り物感が浮いたり、壊せそうなのに壊せないということがストレスに感じたりと似たような感触で残念でした。
 
 この物理演算オブジェなどを介してゲーム世界に干渉できるということはプレイヤーとゲーム世界の距離を縮めてくれる役割を果たしていると思うので、本作のようにグラの美しさで没入させて最後まで一気に持っていくといったタイプのアプローチなら、もう少し世界が柔らかく感じられる工夫があっても良かったと思います。
 
 一応は壊せる壺などのオブジェクトも申し訳程度に設置されてはいるものの、もう少し乱闘している際などに周囲の物に干渉し自然に破壊できるなど、リニア型でガチガチの一本道を進み続けるだけの凝り固まったゲーム体験をほぐす工夫が欲しかったです。
 

最後に

 
 クリアまで約6時間ほど。
 
 アクションゲームとしては低レベルで処刑モーションの派手さ以外は特に印象にも残りません。
 
 しかし、今作最大の武器である圧倒的なグラフィックの美しさと、それを生かしたドラマはムービーパートだけに留まらずゲームパートにも良い影響を与えており、しっかりグラがゲーム体験の底上げもしているのは好印象でした。
 
 劇中、主人公マリウスはひたすら気合だけで敵に突撃し続ける姿勢が、グラの魅力だけを信じて強引に突き進み続けるこのゲームを象徴しているようで、なんだか微笑ましくも見えました。