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ファークライ3(steam版) 〈レビュー・感想〉 オープンワールドなのにリニアシューターすら凌駕する快適な操作性

トレーラー

 
評価:80/100

 

作品情報
ジャンル
オープンワールド
ステルス FPS
発売日(日本国内)
2013年3月7日
開発(デベロッパー)
Ubisoft Montreal
開発国
カナダ(UBIの本社はフランス)
ゲームエンジン
Dunia Engine 2

メモ

 
・日本語化してプレイ
・フルHD(1920×1080)、映像設定はウルトラ、60fpsでプレイ
 

短評

 
 UBIのオープンワールドゲームらしくシステムのインセンティブ(報酬)が弱いという弱点はあるものの、ノリのいい作風と、開放感のある舞台設定、テンポの良さを絶対の方針としたようなシステム周りの相性が抜群で非常に優れたバランスに仕上がっている。
 
 オープンワールドゲームなのにリニア型のゲームにすら勝るほどの操作性の良さは圧巻。
 
 
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インセンティブ不足を操作の快楽性で強引にカバー

 
 UBIのオープンワールドゲームはアクションゲームとしての完成度は一級なのに、ベセスダの『エルダースクロールズ』や『フォールアウト』などのような自由度の高い成長システムなど、プレイのモチベーション維持をサポートしてくれるような強力なインセンティブ要素が不足気味で、プレイ中はストーリーを追うだけとなり、システム的には物足りなさを感じることが多いです。
 
 しかし、本作はオープンワールドにしては破格なまでの操作性の良さで、ステルスシューターとしての魅力が強力なため、相変わらずのインセンティブ不足をやや強引にアクションゲームとしての魅力がカバーできているのが特徴的です。
 
 植物の採取や野生動物の狩りと連動させた手軽に出来るクラフトは良いとしても、ほとんどアクションの強化と拡張に特化したような深みも自由度も選ぶ喜びもさほどないスキルツリーも、バリエーションが乏しいカスタマイズパーツを装着するだけの武器カスタマイズ要素も、本来なら不満としてカウントしたくなるほど凡庸です。
 
 ただ、本作に限ってはアクション部分が非常に優秀なため、それを補助するような働きをするこれらの要素に悪い印象は持ちません。
 
 本作は徹底的にテンポの良さを追求し、かつ管理されており、ファストトラベルも乗り物移動も、ステルスも銃撃戦も全ての要素がもたつかずに行われるためゲームプレイに躍動感の様なものがあり、息をつかせる瞬間がほとんどありません。
 
 話を進めるためのメインミッションをこなしつつ、UBIのオープンワールドゲームではお馴染みの高い場所(本作では電波塔)に昇りマップに精細な情報を表示させる要素、もしくは敵の占拠するアジトを襲撃し全滅させ、ファストトラベル用の中継点とし活動範囲を徐々に広げる、という非常に分かりやすいプレイ目標も設定されており、次に何をすればいいのか迷いを生じさせる隙を与えません。
 

オープンワールドの贅沢さが味わえる地形演出

 
 自分がオープンワールドのゲームをやっていて最も贅沢だと思う瞬間は、目指している場所がかなり遠方にあるのにも関わらず展望が良くハッキリと目標を視認でき、そこに確かにあるんだという存在の重みを感じ取れる時です。
 
 目標となる場所と今いる地点がエリアチェンジで切り裂かれておらず、地続きで繋がっているということに喜びを覚え、その感情があの場所まで何とか辿り着きたいという欲求に転化されます。
 
 本作では、マップに精細な情報を表示させるために昇る電波塔が遠景でも存在感を放ち、舞台となる自然豊かな島に彩りを添えています。
 
 高い場所から乗り物扱いのハンググライダーや、後半はいつでも自由に使えるウィングスーツで滑空させたいためか、高低差がかなり激しいような地形をしているのと、自然豊かな無人島に電波塔という人工物は良い意味で場違いで目立つため、高所に建てられているそれが非常に目立ち、存在感を発しています。
 
 この地形デザインのおかげでうまく高い場所に聳え立つ電波塔へ意識が吸引され、その堂々たる景色から目を離すのが勿体なく感じられるほどでした。
 
 最初は高い場所にプレイヤーの意識を集中させ、電波塔を昇り終えると次に周囲の低い場所へ視線を誘導するという視線誘導テクニックの手並みも鮮やかで、ここまで地形の魅力的な見せ方に感心させられたオープンワールドゲームは初めてです。
 
 

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電波塔 アサシンクリードのビューポイントと同じ

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遠くからでも視認できる

作品のノリとシステムを同期させるテクニック

 
 『デウスエクス ヒューマンレボリューション』をプレイした際に、主人公が機械化した体に慣れていくという設定と、プレイヤーがシステムに順応していく感覚がリンクして、スキルツリーで能力解放されていく過程に一体感を覚えましたが、本作もノリの良い作品トーン自体がまるで編集が抜群の映画か、コンテが優れたアニメを味わうかのようなテンポの良さで、内容と同期しており心地良いです。
 
 このような表現したい内容(物語・舞台・雰囲気)と表現手法(システム)が同期すると、好ましい相乗効果が生まれ、ゲーム体験をより味わい深いものにしてくれます。
 
 自分はオープンワールドやらステルスやらFPSやらというジャンル的な満足度よりも、このようなシステムとゲームのトーンが溶け合っている官能的なゲームデザインを堪能できることが何よりも喜ばしいので、これが味わえただけでも満足です。
 

不満あれこれ

 
 特に不満らしい不満もありませんが、プレイ中何度も困らされたのは遠くの動物や人にトドメを刺した際、背が高い草があると死体が隠れて見失ってしまうことです。そのせいで、動物の皮を剥げず、アイテムも回収できないといったことが多々ありました。
 
 倒した敵を見失うということは『フォールアウト』でも普通に起こることなので、本作というよりも敵との距離が開きがちなシューターというジャンルにも関わらずアイテム未回収の敵を目立たせる工夫をしないゲーム全般の問題点かもしれません。
 
 後、やはりUBIのオープンワールドゲームだけにインセンティブとして機能するシステムが貧弱で、物語を進行させるという動機づけが無くなると途端にやる気が激減してしまう、システムよりもアクション頼りな作りなのもいつも通りで、クリアしてしまうともう細かいやり込み要素に興味が持てません。
 

最後に

 
 クリアまで約20時間強ほど。
 
 ゲーム自体は良くも悪くもさっぱりしており、強烈に記憶に刻まれるというタイプの作品ではありません。
 
 ただ、プレイヤーを楽しませるという一点のみに特化して作られているため、アクション要素以外のシステムの貧弱さに目を瞑れば面白さは折り紙付きです。
 

余談

 
 本作は、イーライ・ロス監督の映画からの影響が非常に強く、監督作の『ホステル』や、役者としての出演だけで監督はしていないものの、ほとんどイーライ・ロス作品と同じテーマ性の『アフターショック』を見ておくとよりコンセプトが鮮明になります。
 
 

 

 

ファークライ3 クラシックエディション 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

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ファークライ3 日本語版

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