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アサシンクリード3(Xbox360版) 〈レビュー・感想〉 ネイティブアメリカンのアサシンという挑戦

プレイ動画

 

評価:75/100

 
作品情報
ジャンル
オープンワールド
ステルス アクション
発売日(日本国内)
2012年11月15日
開発(デベロッパー)
Ubisoft Montreal
開発国
カナダ(UBIの本社はフランス)
ゲームエンジン
AnvilNext

短評

 
 2に比べると単純な楽しさは後退し、シリーズとしてマンネリ感も増え、やや厳しくなってきた。それでも一定水準の満足度は確実に叩きだせるアクションゲームとしての安定感は健在。
 
 ネイティブアメリカンのアサシンや森の中でのパルクール、船の操舵など、アクションで挑戦している点も多々あり、全体としては好印象。
 

パルクールの快感が後退

 
 今作はマップが広くなった影響と、パルクールで駆け回る高い建造物がない北米という舞台設定の都合上、シリーズでも移動が最も退屈です。
 
 オープンワールドのマップが広大なゲームに付き物の目的地までの長距離移動の煩わしさに一つのブレイクスルーをもたらしたのがアサシンクリードのパルクールであったと思います。
 
 本来なら迂回したほうが早く目的地に辿り着けるようなケースですら、すいすいと建物をよじ登る操作が気持ちよく、つい遠回りになり兼ねない障害物(建造物)を乗り越えるルートを選んでしまうほど、アサシンクリードのパルクール移動の快楽性は優秀です。
 
 移動を快楽化させるというアプローチはオープンワールドの弱点である移動時間の長さをカバーする戦略としては非常に理に適っており、ファストトラベルなど、移動をショートカットするよりも移動そのものを楽しませてしまうという発想のほうが好きです。
 
 しかし、3ではこのパルクール移動を前提としたマップの構築が不十分で、かつ自然豊かな北米を舞台にしているため高い建造物が乏しく、マップがより広くなったことが災いし、移動がただ長距離を馬やダッシュで走らされるだけの作業と化してしまっています。
 
 この3における移動の楽しさの後退はそのままゲームとしての面白さの後退の大きな要因でした。
 

いつも通り、歴史ものとしての硬派さを仮想現実感が破壊する

 
 歴史ものとして当時の街並みの再現や、史実に沿った展開など、硬派な姿勢で取り組んでいることは非常に好感が持てるものの、いかんせんアニムス(仮想現実)という設定が全てを台無しにするのは毎度のことです。
 
 ロードのためにちかちかする画面や、プログラムであることを隠そうともしないデジタル的に再現されるマップ演出など、あらゆる演出が歴史ものとしての堅めな作品性を相殺する働きをしてしまっています。
 
 ドラマにも溜めがなく、よく言えばクール、悪く言えば淡々としただけとも取れる、摩擦が少ないスタンスなのも相変わらず。起こった出来事をそのまま提示するだけで、プレイヤーに出来事そのものへ前のめりの興味を持たせるという作業を一切行わないため、当事者意識など生まれるワケもなく。
 
 歴史を垣間見ることは出来てもそこに加わっているという実感と、それに付随するダイナミズムを味わうには至りません。
 
 脚本的な部分で歴史を咀嚼(そしゃく)していても、それをゲームの面白さとして出力できているかと言えば微妙で、史実をなぞる様なイベント部分はやや退屈でした。
 

装備が増えすぎたことの弊害

 
 2のようなシンプルにお金を稼ぐ→強力な武器・防具を購入という単純なゲームの流れが無くなり、動物を狩り、そこから剥ぎ取った素材をお金に変えるという新要素がうまく機能していません。
 
 2のシンプル過ぎるお金の稼ぎ方のほうがまだシステム的な面白さが持続していました。
 

ゾクゾクする操舵演出

 
 本作最大の魅力と言っても過言ではないのが、船を操舵する際の船の重みの演出です。
 
 舵を持つ主人公コナーの背後にTPS的な視点の置き方をするという発想が発明的で、巨大な船を操舵するというダイナミズムをコナー視点で体感できます。
 
 この船を操舵する際の重量感を伴う操作性と、ダイナミックなカメラワークが相まって、船の操舵アクションから今まで味わったことのないゾクゾクする感覚を覚えました。
 
 これは初めてアサシンクリードシリーズをやった際のすいすいと壁をよじ昇り、建物と建物の間をリズミカルに飛び越えていくパルクールの快感を知った時の感覚を想起させます。
 
 手軽にパルクールを味わえるという発明をしたアサシンクリードが今度は船の操作でも同じような革命をもたらしてくれたのが喜ばしく、これだけで本作をプレイして良かったと思えるほどです。
 
 ただ、敵の艦船との砲撃戦はミニゲーム的でやや退屈なため、この船の操作の楽しさをもっと生かした別のシステムを作って欲しかったです。
 

最後に

 
 シナリオ的にもシステム的にも良くも悪くも地味で、船の操舵意外にはマンネリもたたって突き抜けるようなゲーム体験に欠け、まだ2のほうがゲームとしては面白かったです。
 
 しかし、自分的には父から子の代へと時代が変化する壮大なスケールと、コナーという大自然を庭として育ち、森を味方にして戦うネイティブアメリカンのアサシンという設定に魅了され、2よりはこちらが好きになりました。
 

余談

 
 コナーの声をあてている声優の浪川大輔さんはアニメの『Fate/ZERO』のウェイバーのイメージが強すぎて最初はミスキャストなのではないかと思いました。
 
 しかし、徐々に一人前のアサシンとして成長していくと繊細さを帯びながらも逞しく、逆に最初のなよなよしたような声とのギャップで成長が実感でき素晴らしい存在感でした。
 
 倒すべきテンプル騎士団の仇でありながら、実の父でもあるヘイザムとの父子関係を描くのに、この声の繊細さは非常にプラスに働いており、あまりのコナーの魅力で好きになってしまいました。
 

アサシンクリードシリーズ

タイトル
ハード
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