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「Zアイランド」 〈感想・レビュー〉

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トレーラー

評価:50/100

作品情報
公開日 2015年5月16日
上映時間 108分

短評

 
 ヤクザとゾンビを絡めるというアイデアや、歩くゾンビ・走るゾンビを混ぜあわせるなど光る面もあるものの、ゾンビ映画としても一本の映画としても見るのが苦痛なほど完成度が低い。
 

あらすじ

 
 家出した女子高生コンビ、その家出娘を探す元ヤクザ達。組のドラッグを横流しした組員と、その組員を始末するため派遣される武闘派ヤクザ集団。
 
 彼らが運悪く訪れた先は謎の奇病によって住民がゾンビ化した孤島で……。
 

全ての元凶は「○○のジャンルってこういうもんだろ?」という浅い認識

 
 本作はゾンビ映画のフォーマットやお約束(感染が静かに拡大していくプロセスを描く、など)はしっかりなぞっているものの、そもそもジャンルに対する研究段階で手を抜きすぎているため、ゾンビものというジャンルをきちんと把握することすら出来ておらず、そこかしこが欠陥だらけです。
 
 作っている本人がゾンビ映画というジャンルを捉えきれていないのにも関わらず、あまつさえゾンビ映画に対するメタ的なアプローチまで入れだし、それらも全てだだ滑りで見ていて恥ずかしくなりました。
 
 結局ゾンビものの中で何を際立たせたいのか焦点を絞りきれていないため、コメディ+感動、スタイリッシュアクション+サバイバルといったそれぞれまったく別の志向の要素を戦略なしにごった煮してしまっており、散漫な印象しか受けません。
 

致命的なまでの空間演出力の足りなさ

 
 本作は、ゾンビものに必要なゾンビがいることが自然と感じさせてくれる舞台セッティングが不足しており、映画に気持ちよく没入できません。
 
 映画を見ている最中、何度も何度も何度も映画の画面に見えない、画作りの密度の低い隙だらけのショットが挟まれ辟易させられました。
 
 舞台となる島を映画的な空間に飾れておらず、しかも役者の立ち位置や所作などに演技指導がなされていないのか、画面の端ですることがなく所在なさ気に立たされているケースが多々あり非常にノイズでした。
 
 演出で画面を包み込めていないため、ところどころ映画になっていない剥き出しの空間(または美術的な作り込みの足りない空間)が無造作に出現する度に現実に引き戻され冷めてしまいます。
 
 島自体のロケーションは昭和の気配を色濃く残すような木造家屋が多く、和製ゾンビものとしては魅力的です。しかし、ここを惨劇の舞台に模様替えすることに失敗しており、あまりロケーションを生かせていません。
 
 もっと舞台となる場所を限定し、一極集中で美術を徹底して作り込むか、カットバックでそれっぽい風景を細かく挟み舞台の印象を刷り込ませるか、時間を夜にしてしまい細かい粗を闇で覆い隠してしまうかすればもう少しまともになっていたかもしれません。
 
 とにかく画面に映るものを徹底的にコントロールするという映画の初歩中の初歩が出来ておらず、映像作品としては安っぽさしか感じませんでした。
 

苦痛でしかない会話劇、再び

 
 今作も品川監督の1作目から一つの進歩もない退屈でセンスの欠片もない長い長い会話劇を再び聞かされ、苦痛でしかありませんでした。
 
 なぜこれほどまでにつまらない会話を長々と垂れ流し続けられるのか理解に苦しむほどです。
 
 会話劇の面白さを過信しすぎなきらいがあり、見る側にとってサービスどころか苦痛の種にしかならないそれを無邪気に大盤振る舞いし続ける作り手の勘違いっぷりに戦慄すら覚えるほどでした。
 

最後に

 
 映画としてもゾンビものとしても全てが最低レベル。アクションとしてはゴミみたいなスローモーションを多様し過ぎでテンポが死んでいて話にならず。
 
 きちんと正面から描いている暴力描写全般や、歩くゾンビ走るゾンビ両方出すハイブリッド設定といったやりようによっては面白くなりそうなアイデアなど、一部評価できる箇所もあるものの、最後まで見た感想としてはただの駄作以上のものがありません。