エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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[映画・レビュー]96時間 レクイエム 〈感想・評価〉

トレーラー


評価:60/100

あらすじ

 
 CIAの元工作員ブライアン・ミルズは元妻殺害の容疑をかけられ警察に追われる羽目に。愛する元妻を殺し、自分を犯人に仕立て上げようとした真犯人を独自に捜すため、警察からの逃走劇が始まる……。
 

落ち着きの無さが致命的

 
 主人公は冷静沈着な性格なのに、編集があまりにも雑で細かく落ち着きがないため、その編集タッチに釣られて主人公の行動も行き当たりばったりで考え無しに見えてしまいます。
 
 主人公の設定に対してあまりにも演出が足を引っ張り過ぎていて完全に演出のプランミス。ボーンシリーズのように頭の回転が速い人間の思考クロックの高速さを小刻みの編集で表現するというようなことがやりたいのでしょうが、サスペンス的な見せ場まで全部カットを割ってごまかし、あらゆる緊張感を編集でぶつ切るためただのご都合主義にしか見えません。
 
 カットを過剰に細かく割る編集自体を否定はしないですが、それはしっかり最低限のアクションやサスペンスのマナーを守って、やりたいことを強化できる場合に限ってやって欲しいです。
 

脚本の作り込みの甘さがカタルシスを削ぐ

 
 本来は警察に追われる逃走劇をサスペンスフルに描きたいのでしょうが、脚本があまりにもおざなりで緊張感がまったく生じません。元々主人公が化け物のように強いのにただの警官程度に追われたところで脅威にすらならず、案の定警官は主人公に手玉に取られるだけのやられ役以上の存在感がありません。
 
 そもそも主人公のことをよく知っているはずの真犯人がこんな怪物を自分の目的達成のコマとして都合良くはめられるなどと考えてしまうこと自体がマッチポンプに等しく、あまりにも間抜けな計画で白けます。もっと用意周到かつ綿密に練られた計画で、計画を聞いただけでよく考えられているなと、見ている側を納得させられるような内容でないとこの元CIAの凄腕の主人公を騙すという展開に説得力など生まれるはずもありません。
 
 浅い落とし穴にジャッキー・チェンをはめたって自力で脱出するし、ちゃちな牢屋にスタローンやシュワルツェネッガーを閉じ込めたって筋肉でこじ開けるに決まっています。
 
 話の目的も、妻の仇を討ちたいのか娘を守りたいのか焦点を絞り切れないままぐずぐずで進み、ぐずぐずのまま終わるため、物足りなさだけが残ります。
 

最後に

 
 前作の96時間リベンジはそこそこ面白かったのに、脚本がぶっ壊れたせいでアクションサスペンスとしては凡作に。
 
  オリヴィエ・メガトン監督は地の才能がそれほど低いワケではなく、サスペンス映画に高級感を出せる程度には演出力もあるため、サスペンス映画大好き人間としては応援したいところ。
 

 

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