えんみゅ~ -えんためみゅーじあむ-

アニメ、書評、映画、海外ドラマ、ゲームなどのエンタメ作品総合レビューブログ

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均質化という病に抗う人たち 「スローシティ -世界の均質化と闘うイタリアの小さな町-」 著者:島村菜津 〈書評・レビュー・感想〉

本の情報 著者 島村菜津 発売日 2013年3月15日 短評 均質化という静かに忍び寄る病魔を白日の下に晒す イタリア人の田舎復興奮闘記 体に染みつく都会信仰を洗い流す 最後に 短評 均質化と闘うイタリア人の苦労を知ることで、どこもかしこも似たような建物と…

予想を超える第三世代オブジェクトの衝撃 「ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道 #6」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2012年6月8日 短評 ヘヴィーオブジェクト オブ デューティ ブラックオプスもしくはゴーストプロトコルな汚れ仕事に徹する巻 ぜひ映像で拝みたかった第三世代オブジェクト、ブロードスカイサーベル 感動的なものの…

オブジェクトが一切登場しない番外編 「ヘヴィーオブジェクト 死の祭典 #5」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:70/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2011年11月10日 短評 技術や武器の見本市と化したオリンピック 新キャラであるマリーディ=ホワイトウィッチのお披露目会 長編にしてしまったせいで逆に欠陥が露呈する残念な完成度 最後に ヘヴィーオブジェクト…

匣、箱、筥の[はこ]尽くし幻想奇譚 「魍魎の匣 百鬼夜行シリーズ #2」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1995年1月 短評 匣が匣を呼ぶ匣、匣、匣の匣物語 デザイナー京極夏彦のデザイン小説 魍魎の如き一筋縄ではいかない事件関係者たち どうしても気になる違和感 最後に 実写映画版 短評 匣(はこ)に関わる怪事件が…

資源問題の話に焦点を絞り切れなかった惜しい巻 「ヘヴィーオブジェクト 電子数学の財宝 #4」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2011年9月10日 短評 オセアニアの埋蔵資源を巡る政治的陰謀の面白さを台無しにするハーレム水着回 存在感のある資本企業の第二世代オブジェクト、ディープオプティカル 意外にもSFしている信心組織の内情 最後に …

戦前・戦中・戦後と繰り返される不可解な身投げ事件の謎に刀城言耶が挑む 「幽女の如き怨むもの 刀城言耶シリーズ #6」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2012年4月23日 短評 刀城言耶は脇役で主役は遊女という、花魁残酷物語 遊女という題材から導き出される答えはミステリーではなくホラー ミステリーはオマケのようなあっさりさ 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 刀…

マルドゥック・シティをかき回す地殻変動の予兆 「マルドゥック・アノニマス #2」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年9月21日 短評 『スクランブル』のカジノ、『ヴェロシティ』の抗争に匹敵する犯罪組織へ潜入を試みるスリル 『アノニマス』というシリーズの方向性を決定づける、ハンターという発明 法律の横やりがない単調な…

新生09チームが謎の殺人ゲームの黒幕を追う新シリーズ第1巻 「マルドゥック・アノニマス #1」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年3月24日 短評 ヴェロシティに似た作風同様にボイルド化していくウフコック どこの誰か分からないエンハンサーの能力説明を延々聞かされ続けるやや退屈なアクション 最後に マルドゥック・アノニマスシリーズ …

マルドゥックシティ犯罪レポートな短編集 「マルドゥック・フラグメンツ」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2011年5月10日 短評 マルドゥック・シリーズを整理し、補足し、予告する短編集 ひたすら繰り返されるワンパターン展開 最後に 短評 6つ収録されている短編の半数以上が過去作の『マルドゥック・スクランブル』や『…

古き戴国の落陽、新しき戴国の曙光 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #4 最終巻」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 戴国を偽りの王から解放すべく、仲間たちの屍の山を踏み超える過酷な決戦 悲痛な戦いを繰り広げる敵はマヌケばかりというずさんさ 7年ぶりの再会とは思えないほどの淡白さ 最後に 十二国記…

民を想い続けた賢君と民を拒絶した暴君、その行く末は…… 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #3」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 『魔性の子』をリフレインする極めて人間くさい玉座簒奪の動機 「散々引っ張ったわりにこれか……」というあっさり過ぎな真相 最後に 十二国記シリーズ 短評 3巻は泰麒(たいき)の始まりのエ…

戴国の政治腐敗が生み出した闇と向き合う2巻 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #2」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 権力の中枢と末端の僻地、国の両端から戴に巣くう闇に迫る 2巻から目立つ登場人物が多すぎるという問題 最後に 十二国記シリーズ 短評 戴(たい)国の現状について立ち止まって事細かな説…

極寒の戴国を難解な漢字と硬派な文体で描破し尽くす力作中の力作 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #1」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 重厚すぎる風景描写と難解な漢字がお供の過酷な旅路 泰麒、6年ぶりの帰還なれど戴国に夜明けの兆しはなく 『黄昏の岸 暁の天』と同様、サスペンスフルなストーリー 最後に 十二国記シリー…

またもやアニメ版の凄さを思い知らされるアクション多めの巻 「ヘヴィーオブジェクト 巨人達の影 #3」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2010年11月10日 短評 またもやアニメ版の完成度を思い知らされる巻 敵勢力がコロコロ変わる慌ただしい巻 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 SF設定の説明量が多い2巻に比べ、全体的にアクション…

同胞と理想郷を望みそのどちらにも拒絶される悲哀を描く十二国記シリーズの序章 「十二国記 魔性の子」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 1991年9月25日 短評 単体のホラー小説から紆余曲折あってファンタジー小説の序章となった数奇な一冊 この世界のどこにも居場所のない二人が出会い、心を通わせ、最後は見苦しく哀れみを乞う悲劇 後藤というアリ…

1巻まるごとマスドライバー財閥! 「ヘヴィーオブジェクト 採用戦争 #2」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2010年6月10日 短評 最大射程3000kmの化け物オブジェクトとの死闘 いくらなんでもひねりが足りないアイデア群 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 一つのエピソードごとにそれぞれ別の勢力のオブ…

傑作前日譚、堂々の完結 「マルドゥック・ヴェロシティ #3 最終巻」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2006年11月22日新装版:2012年8月23日 短評 ボイルドの不器用さを際立たせる文体のマジック ヴェロシティという一つの完成された物語 若干、辻褄合わせに走りすぎな終盤 最後に マルドゥック・ヴェロシティシリーズ …

忍法合戦ならぬサイボーグ合戦の開幕 「マルドゥック・ヴェロシティ #2」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

まだまだ序章に過ぎなかった1巻とは打って変わり、マルドゥック・スクランブル09チームと傭兵集団カトル・カールによるサイボーグ同士の激しい殺し合いが幕を開け、刺激が大幅に増した。 山田風太郎の忍法帖のような肉体を強化されたサイボーグ同士の小気味…

アニメ版が巨大なせいで陰ってしまった原作小説 「ヘヴィーオブジェクト #1」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2009年10月10日 短評 アニメ版があまりに原作に忠実すぎ、お株を奪ってしまうという問題 アニメ版よりも控え目で好ましいラブコメ描写 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 巨大兵器オブジェクト…

マルドゥック・スクランブル09の成立直後に立ち会う前日譚 「マルドゥック・ヴェロシティ #1」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2006年11月8日新装版:2012年8月23日 短評 マルドゥック・スクランブル本編との差異 ボイルドとウフコックの蜜月時代が逆に哀愁を誘う前日譚 最後に マルドゥック・ヴェロシティシリーズ 短評 『マルドゥック・スク…

十二国記版の官僚たちの夏ならぬ冬を描いた傑作短編集! 「十二国記 丕緒(ひしょ)の鳥」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2013年6月26日 短評 冬の時代を生きる役人たちの奮闘記 悩める芸術家「丕緒の鳥」 人の姿をした死に神が繁栄の終わりを告げる「落照の獄」 軽いのに重い荷物を運ぶ旅「青条の蘭」 本物の鳥が夜明けを伝える「風…

陰惨な雨乞いの儀式に隠された謎に刀城言耶が挑むシリーズ5作目 「水魑(みづち)の如き沈むもの 刀城言耶シリーズ #5」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2009年12月10日 短評 神々櫛(かがぐし)村の恐ろしさ再び 雨乞いの儀式に否応なく期待が高まる序盤~中盤 致命的なほど盛り上がらない雨乞いの儀式と怪事件 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 水魑(みづち)と呼…

密室トリックが複雑化しすぎて種明かしが退屈という歪な短編集 「ミステリークロック 防犯探偵・榎本シリーズ #4」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2017年10月20日 短評 もはや難解すぎてなんのこっちゃな密室トリック 気圧差を利用した不可能犯罪という斬新なアイデア 最後に 防犯探偵・榎本シリーズ 短評 あまりに密室トリックの細部に凝りすぎた結果、トリッ…

相変わらず密室の中は空っぽな短編集 「鍵のかかった部屋 防犯探偵・榎本シリーズ #3」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2011年7月26日 短評 監視カメラも最新のセキュリティも登場しない、ただドアが開かないというだけの密室 もううんざりな劇団「土性骨」 最後に 防犯探偵・榎本シリーズ 短評 同じ短編集である『狐火の家』同様、…

勝っても地獄、負けても地獄な将棋シュールレアリスムデスゲーム 「ダークゾーン 上・下」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2011年2月11日 短評 クリムゾンの迷宮をひっくり返したような、楽しさ控え目、テーマ性濃厚な命を賭けたゲーム 将棋風ゲームの致命的なインパクトの無さ 人生を狂わす魔の三段リーグを利用した語り口 将棋シュー…

貴志祐介作品でも異色中の異色である大殺戮バイオレンスコメディ 「悪の教典 上・下」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2010年7月30日 短評 サイコパス殺人鬼教師の2年4組観察日誌 時間配分に注意しないといけない、大ボリュームのクライマックス 必死で命乞いする三匹の子豚たちを笑いながら散弾銃で射殺していく狼 最後に 短評 作…

防犯のプロという設定の強みをまるで活かせていない今一つな短編集 「狐火の家 防犯探偵・榎本シリーズ #2」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2008年3月1日 短評 このペラペラのミステリーが『硝子のハンマー』の続編? 貴志祐介作品の中でも最低クラスの笑い 最後に 防犯探偵・榎本シリーズ 短評 収録された4つの短編のうち、まともに密室ミステリーとし…

防犯コンサルタントが探偵というアイデアの勝利 「硝子のハンマー 防犯探偵・榎本シリーズ #1」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2004年4月20日 短評 密室の謎と同時にドラマの面白さの謎も判明 防犯のプロが専門知識を駆使し密室に挑む本格ミステリー 金持ちへの怒り、社会への怒りを体現する硝子のハンマー 最後に 防犯探偵・榎本シリーズ …

失われた平穏を取り戻すべく、少年が孤立無援の完全犯罪に挑む 「青の炎」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1999年10月25日 短評 テンポの良い完全犯罪計画 いくらなんでも蛇足過ぎる中盤以降 青春ものと文体の相性の悪さ 最後に 余談 短評 我が物顔で家に居座る粗暴な男から家族を守るべく、頭脳明晰な17歳の高校生が完…

物を作る人、作った物を多くの人に届けたいと願う者には実り豊かな一冊 「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」 著者:西野亮廣 〈書評・レビュー・感想〉

本の情報 著者 西野亮廣 発売日 2017年10月4日 短評 冴え渡る自己分析芸 デザイナー時代の到来 最後に 短評 ビジネス書としての側面の強い前著『魔法のコンパス』と内容が重複している箇所が多く目新しさはやや乏しい。 それでもこの本で新しく書かれる、著…