えんみゅ~ -えんためみゅーじあむ-

書評を中心にしたエンタメ作品総合レビューブログ

えんみゅ~

小説

4つの短編から成る岡山の田舎残酷物語 「ぼっけえ、きょうてえ」 著者:岩井志麻子 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 岩井志麻子 出版日 1999年10月1日 短評 不快度MAX!! 人間の残酷さをこれでもかと暴く4つの短編 生々しい話と相性が悪い怪談的なオチ 最後に 短評 表題である「ぼっけえ、きょうてえ」はじめ、岡山の貧しい田舎を舞台に、女が凄惨…

詩と歴史書、そして義に生きた黄門様の生涯 「光圀伝 上・下」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:95/100 作品情報 著者 冲方丁 出版日 2012年8月 短評 日本の歴史書作成に携わった光圀自身の歴史を辿る 優れた詩人である光圀を詩的な文体で表現する心意気 時代小説であると同時にSFでもあるぶっ飛んだオチ 最後に 冲方丁作品 短評 江戸幕府初代将軍で…

超傑作!! 改暦に人生を捧げた囲碁侍の生き様 「天地明察 上・下」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 冲方丁 出版日 2009年11月30日 短評 守りに入らず何歳になっても新しい事に挑戦し続ける大切さを説く 人より多くの失敗を経験することの意味 最後に 冲方丁作品 短評 江戸時代の前期を舞台に、800年間も使用され続け、もはや暦の…

宴の仕上げは伊豆の百鬼夜行(妖怪行列) 「塗仏の宴 宴の始末 百鬼夜行シリーズ #6(後編)」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1998年9月20日 短評 騙す側と騙される側、本末が転倒し続ける奇っ怪な宴の終焉 いくらなんでもトリックが雑すぎるという不満 最後に 百鬼夜行シリーズ 短評 前編にあたる『宴の支度(したく)』で登場した謎の宗…

小説2、3冊分に及ぶ大ボリュームの序章 「塗仏の宴 宴の支度 百鬼夜行シリーズ #6(前編)」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1998年3月30日 短評 京極夏彦作品らしいどうかしている序章 シリーズでも最大級の知的興奮が味わえる妖怪の歴史講釈 ……とは言っても、やはり室内での会話が長すぎるという問題も 最後に 百鬼夜行シリーズ 短評 後…

人の時代が暮れ行き、妖しい夜に呑まれる帝都東亰 「東亰異聞(とうけいいぶん)」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:95/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 1994年4月 短評 小野不由美という作家の才能に戦慄する脅威の伝奇ミステリー 文明開花の光すら届かない深海の如き夜に喰われる帝都東亰 衝撃の二重構造ミステリー 最後に 小野不由美作品 短評 架空の明治時代に…

セカイをウラであやつるナゾのひみつそしき(笑) 「ヘヴィーオブジェクト 亡霊達の警察 #7」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:60/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2013年11月9日 短評 失笑を禁じ得ない、小・中学生が考えたような戦争の裏側で暗躍する謎の秘密組織(笑) オブジェクトの象徴であるオニオン装甲をあえて採用しないイレギュラーな機体たち 最後に ヘヴィーオブ…

一度始動したら止まらない巧妙なる殺人機構 「絡新婦(じょろうぐも)の理 百鬼夜行シリーズ #5」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1996年11月 短評 手駒が自発的に動くように仕向ける洗脳、真実の中に混ぜられる毒の如き僅かな嘘……全てが犯人不在で稼働するよう装置化された自律犯罪機関 シンメトリックにデザインされた京極夏彦作品らしい神経…

ニコニコ動画の精神を完璧に小説化して見せた小粋な短編集 「南極点のピアピア動画」 著者:野尻抱介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 野尻抱介 発売日 2012年2月23日 短評 夢追い人を全力で応援する超ポジティブSF短編集 硬派なSF設定と軽快な物語のコントラスト 最後に 短評 大きな目標に向かって挑戦する人を、ピアピア動画という動画配信サービスを愛するユーザ…

イースターズオフィスvsクインテット、死屍累々の激突 「マルドゥック・アノニマス #3」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2018年3月20日 短評 イースターズオフィスの全エンハンサーが参加するクインテット狩りの幕開け バロットとウフコック、最良かつ最強のパートナー再び またまた膨大な組織&人物の相関図 最後に マルドゥックシリー…

禅問答のようなミステリー、ミステリーのような禅問答 「鉄鼠(てっそ)の檻 百鬼夜行シリーズ #4」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1996年1月 短評 世俗から隔絶された禅寺で起こる僧侶連続殺人事件 そこにあるのに見えぬもの、意味があるのに読めない犯行に翻弄される『姑獲鳥の夏』のハイセンスなアレンジ版 またしても繰り返される苦痛極まり…

幾人もの記憶が複雑怪奇な模様を作る凶夢の巨大マンダラ 「狂骨の夢 百鬼夜行シリーズ #3」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1995年5月8日 短評 髑髏や夢にまつわる怪奇譚、国譲りの神話、密教の怪しい儀式、フロイトとユングの精神分析が交差する壮大な伝奇ミステリー 常に眠気との戦いを強いられる壮大な前置き&説明群 ミステリーとして…

予想を上回る第三世代オブジェクトの衝撃 「ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道 #6」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2012年6月8日 短評 ヘヴィーオブジェクト オブ デューティ ブラックオプスもしくはゴーストプロトコルな汚れ仕事に徹する巻 ぜひ映像で拝みたかった第三世代オブジェクト、ブロードスカイサーベル 感動的なものの…

オブジェクトが一切登場しない番外編 「ヘヴィーオブジェクト 死の祭典 #5」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:70/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2011年11月10日 短評 技術や武器の見本市と化したオリンピック 新キャラであるマリーディ=ホワイトウィッチのお披露目会 長編にしてしまったせいで逆に欠陥が露呈する残念な完成度 最後に ヘヴィーオブジェクト…

匣、箱、筥の[はこ]尽くし幻想奇譚 「魍魎の匣 百鬼夜行シリーズ #2」 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1995年1月 短評 匣が匣を呼ぶ匣、匣、匣の匣物語 デザイナー京極夏彦のデザイン小説 魍魎の如き一筋縄ではいかない事件関係者たち どうしても気になる違和感 最後に 百鬼夜行シリーズ 実写映画版 短評 匣(はこ…

資源問題の話に焦点を絞り切れなかった惜しい巻 「ヘヴィーオブジェクト 電子数学の財宝 #4」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2011年9月10日 短評 オセアニアの埋蔵資源を巡る政治的陰謀の面白さを台無しにするハーレム水着回 存在感のある資本企業の第二世代オブジェクト、ディープオプティカル 意外にもSFしている信心組織の内情 最後に …

戦前・戦中・戦後と繰り返される不可解な身投げ事件の謎に刀城言耶が挑む 「幽女の如き怨むもの 刀城言耶シリーズ #6」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2012年4月23日 短評 刀城言耶は脇役で主役は遊女という、花魁残酷物語 遊女という題材から導き出される答えはミステリーではなくホラー ミステリーはオマケのようなあっさりさ 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 刀…

マルドゥック・シティをかき回す地殻変動の予兆 「マルドゥック・アノニマス #2」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年9月21日 短評 『スクランブル』のカジノ、『ヴェロシティ』の抗争に匹敵する犯罪組織へ潜入を試みるスリル 『アノニマス』というシリーズの方向性を決定づける、ハンターという発明 法律の横やりがない単調な…

新生09チームが謎の殺人ゲームの黒幕を追う新シリーズ第1巻 「マルドゥック・アノニマス #1」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年3月24日 短評 ヴェロシティに似た作風同様にボイルド化していくウフコック どこの誰か分からないエンハンサーの能力説明を延々聞かされ続けるやや退屈なアクション 最後に マルドゥックシリーズ 短評 作風は…

マルドゥックシティ犯罪レポートな短編集 「マルドゥック・フラグメンツ」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2011年5月10日 短評 マルドゥック・シリーズを整理し、補足し、予告する短編集 ひたすら繰り返されるワンパターン展開 最後に マルドゥックシリーズ 短評 6つ収録されている短編の半数以上が過去作の『マルドゥック…

古き戴国の落陽、新しき戴国の曙光 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #4 最終巻」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 戴国を偽りの王から解放すべく、仲間たちの屍の山を踏み超える過酷な決戦 悲痛な戦いを繰り広げる敵はマヌケばかりというずさんさ 7年ぶりの再会とは思えないほどの淡白さ 最後に 十二国記…

民を想い続けた賢君と民を拒絶した暴君、その行く末は…… 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #3」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 『魔性の子』をリフレインする極めて人間くさい玉座簒奪の動機 「散々引っ張ったわりにこれか……」というあっさり過ぎな真相 最後に 十二国記シリーズ 短評 3巻は泰麒(たいき)の始まりのエ…

戴国の政治腐敗が生み出した闇と向き合う2巻 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #2」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 権力の中枢と末端の僻地、国の両端から戴に巣くう闇に迫る 2巻から目立つ登場人物が多すぎるという問題 最後に 十二国記シリーズ 短評 戴(たい)国の現状について立ち止まって事細かな説…

極寒の戴国を難解な漢字と硬派な文体で描破し尽くす力作中の力作 「十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #1」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 重厚すぎる風景描写と難解な漢字がお供の過酷な旅路 泰麒、6年ぶりの帰還なれど戴国に夜明けの兆しはなく 『黄昏の岸 暁の天』と同様、サスペンスフルなストーリー 最後に 十二国記シリー…

またもやアニメ版の凄さを思い知らされるアクション多めの巻 「ヘヴィーオブジェクト 巨人達の影 #3」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2010年11月10日 短評 またもやアニメ版の完成度を思い知らされる巻 敵勢力がコロコロ変わる慌ただしい巻 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 SF設定の説明量が多い2巻に比べ、全体的にアクション…

同胞と理想郷を望みそのどちらにも拒絶される悲哀を描く十二国記シリーズの序章 「十二国記 魔性の子」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 1991年9月25日 短評 単体のホラー小説から紆余曲折あってファンタジー小説の序章となった数奇な一冊 この世界のどこにも居場所のない二人が出会い、心を通わせ、最後は見苦しく哀れみを乞う悲劇 後藤というアリ…

1巻まるごとマスドライバー財閥! 「ヘヴィーオブジェクト 採用戦争 #2」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2010年6月10日 短評 最大射程3000kmの化け物オブジェクトとの死闘 いくらなんでもひねりが足りないアイデア群 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 一つのエピソードごとにそれぞれ別の勢力のオブ…

傑作前日譚、堂々の完結 「マルドゥック・ヴェロシティ #3 最終巻」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2006年11月22日新装版:2012年8月23日 短評 ボイルドの不器用さを際立たせる文体のマジック ヴェロシティという一つの完成された物語 若干、辻褄合わせに走りすぎな終盤 最後に マルドゥックシリーズ 短評 ボイルド…

忍法合戦ならぬサイボーグ合戦の開幕 「マルドゥック・ヴェロシティ #2」 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

まだまだ序章に過ぎなかった1巻とは打って変わり、マルドゥック・スクランブル09チームと傭兵集団カトル・カールによるサイボーグ同士の激しい殺し合いが幕を開け、刺激が大幅に増した。 山田風太郎の忍法帖のような肉体を強化されたサイボーグ同士の小気味…

アニメ版が巨大なせいで陰ってしまった原作小説 「ヘヴィーオブジェクト #1」 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2009年10月10日 短評 アニメ版があまりに原作に忠実すぎ、お株を奪ってしまうという問題 アニメ版よりも控え目で好ましいラブコメ描写 最後に ヘヴィーオブジェクトシリーズ アニメ版 短評 巨大兵器オブジェクト…