えんみゅ~ -えんためみゅーじあむ-

書評を中心にしたエンタメ作品総合レビューブログ

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ホラー小説

4つの短編から成る岡山の田舎残酷物語 「ぼっけえ、きょうてえ」 著者:岩井志麻子 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 岩井志麻子 出版日 1999年10月1日 短評 不快度MAX!! 人間の残酷さをこれでもかと暴く4つの短編 生々しい話と相性が悪い怪談的なオチ 最後に 短評 表題である「ぼっけえ、きょうてえ」はじめ、岡山の貧しい田舎を舞台に、女が凄惨…

戦前・戦中・戦後と繰り返される不可解な身投げ事件の謎に刀城言耶が挑む 「幽女の如き怨むもの 刀城言耶シリーズ #6」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2012年4月23日 短評 刀城言耶は脇役で主役は遊女という、花魁残酷物語 遊女という題材から導き出される答えはミステリーではなくホラー ミステリーはオマケのようなあっさりさ 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 刀…

同胞と理想郷を望みそのどちらにも拒絶される悲哀を描く十二国記シリーズの序章 「十二国記 魔性の子」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 1991年9月25日 短評 単体のホラー小説から紆余曲折あってファンタジー小説の序章となった数奇な一冊 この世界のどこにも居場所のない二人が出会い、心を通わせ、最後は見苦しく哀れみを乞う悲劇 後藤というアリ…

陰惨な雨乞いの儀式に隠された謎に刀城言耶が挑むシリーズ5作目 「水魑(みづち)の如き沈むもの 刀城言耶シリーズ #5」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2009年12月10日 短評 神々櫛(かがぐし)村の恐ろしさ再び 雨乞いの儀式に否応なく期待が高まる序盤~中盤 致命的なほど盛り上がらない雨乞いの儀式と怪事件 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 水魑(みづち)と呼…

勝っても地獄、負けても地獄な将棋シュールレアリスムデスゲーム 「ダークゾーン 上・下」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2011年2月11日 短評 クリムゾンの迷宮をひっくり返したような、楽しさ控え目、テーマ性濃厚な命を賭けたゲーム 将棋風ゲームの致命的なインパクトの無さ 人生を狂わす魔の三段リーグ 将棋シュールレアリスムホラ…

忌み山の密室トリックに挑む大安定のシリーズ4作目 「山魔(やまんま)の如き嗤うもの 刀城言耶シリーズ #4」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2008年4月28日 短評 安定性抜群の刀城言耶シリーズ4作目 説得力が乏しい集落と、真新しさのない密室 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 忌み山の金鉱に取り憑かれ者たちに降りかかる童歌わらべうたになぞらえた連続…

中毒性は抜群、メッセージ性は希薄なスリル特化型のサバイバルデスゲーム 「クリムゾンの迷宮」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1999年4月 短評 作家性が濃厚という新鮮な感触のデスゲーム どこか違和感のあるデスゲームの真相 メッセージ性はどこに消えた 最後に 短評 参加者同士が生き残りを賭け戦うデスゲームものとしては、徐々に追い詰…

フェイク・ドキュメンタリーならぬフェイク・ルポルタージュホラー 「残穢(ざんえ)」 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2012年7月20日 短評 作者自身がナビゲーターを務める新感覚ホラー小説 ドキュメンタリーとフィクショナルなルールの連携プレー 不満あれこれ 最後に 映画版 小野不由美作品 短評 有名な小説家という作者の肩書…

読者を欺く二重三重の罠の先に恍惚の謎解きが待ち受けるシリーズ第三弾 「首無の如き祟るもの 刀城言耶シリーズ #3」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2007年5月7日 短評 前作からガラッとスタイルを変えた、入り組んでいるのに読みやすい語り口 興奮しすぎて読書を中断することすら困難な謎解きパートの快感 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 ホラーとミステリーが…

読者がシリーズ慣れすることで真価を発揮するシリーズ二作目 「凶鳥(まがとり)の如き忌むもの 刀城言耶シリーズ #2」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2006年9月4日 短評 前作のホラー5 : ミステリー5の配分から、ホラー 2:ミステリー 8となり密室ミステリーへと変貌を遂げる 豪快な密室トリックに押され、やや控えめとなったホラー小説としての怖さ 最後に 刀城…

ラブコメ形式のSCP財団紹介本 「鏡の国のアイリス SCP Foundation #1」 著者:日日日 〈書評・レビュー・感想〉

評価:65/100 作品情報 著者 日日日 発売日 2018年9月4日 短評 ラブコメ感覚で運営されるSCP財団 最後に 短評 SCP財団という秘密組織や、財団が管理するSCPオブジェクトと呼ばれる謎の存在や、主要キャラクターをさらっと紹介するだけの内容でストーリーと呼…

物語よりも説明を優先する説明過多なホラー伝奇ミステリー 「厭魅(まじもの)の如き憑くもの 刀城言耶シリーズ #1」 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2006年2月28日 短評 説明で始まり説明で終わる、主役は説明文な小説 説明に埋もれてあやふやなままな事件の全容 最後に 刀城言耶シリーズ 短評 小説全体が惨劇の舞台となる神々櫛(かがぐし)村に対する説明で…

心臓が弱い人は読んではいけないホラー小説 「ぼぎわんが、来る」 著者:澤村伊智 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 澤村伊智 発売日 2015年10月30日 短評 本能が警告を発する不気味な来訪者ぼぎわん 急激にラノベ化して興味が失せる中盤以降 最後に 短評 ぼぎわんという小説オリジナルの家を訪ねてくる妖怪があまりにも怖すぎてトラウマになるほ…

怖さよりもテンポ重視のノンストップスリラー 「リング」 著者:鈴木光司 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 鈴木光司 発売日 1991年6月 短評 映画はホラー、原作小説はスリラー 見たら1週間後に死ぬ呪いのビデオの謎を追い小気味よく展開する貞子探しのストーリー 最後に 短評 ホラー作品として完成度の高い映画版とは異なり、原作小説は…

生命保険がえぐりだす人間の昆虫性 「黒い家」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1997年6月27日 短評 実体験を元に書かれた、今日も日本のどこかで起こっていてもおかしくない生々しい恐怖 サイコパスと保険金殺人という組み合わせの恐怖 最後に 映画版 短評 作者が作家になる前、生命保険会社…

多重人格の少女の奥底に潜む得体の知れない何か 「十三番目の人格(ペルソナ) ISOLA」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1996年4月18日 短評 貴志祐介作品の基本が詰まったデビュー作 多重人格の少女というありがちな設定から一ひねり加える衝撃の展開 最後に 映画版 短評 ありがちな多重人格ものに見せかけて奇想天外なトリックが仕…

骨の髄まで恐怖で冷える圧巻のホラーミステリー 「天使の囀(さえず)り」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1998年6月(単行本) 短評 あらすじ 『新世界より』の10年前に書かれたとは思えない大傑作 天使の羽音と囀りが不吉に共鳴していく圧巻の語り口 そこで笑わせるかという貴志祐介ユーモアセンスのぶっ壊れ具合 最…

珍作パニックホラーコメディ 「雀蜂(スズメバチ)」 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:75/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2013年12月 短評 短編だったら許されるも中編だと辛いバカバカしいオチ 最後に 短評 大量のスズメバチが飛び交う山荘でコミカルなサバイバル劇が展開されるというアイデアはそこそこ魅力があるが、ヤケクソで作っ…