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【ホラー小説】まさかのリング越えの衝撃!! |『らせん』| 鈴木光司 | 感想 レビュー 書評

作品情報 著者 鈴木光司 出版日 1995年8月3日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約370ページ 小説の概要 スリラーを捨て、謎解きの快感に全振り 前作と同様の弱点 小説版と映画版との違い おわりに リングシリーズ (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAff…

【短篇SF小説】人間と宇宙とSFと |『ゴルディアスの結び目』| 小松左京 | 感想 評価 レビュー 書評

作品情報 著者 小松左京 出版日 1977年 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約267ページ 小説の概要 宇宙と肉薄したい老人たちが辿り着く孤島「岬にて」 我が身を削って書かれた悲痛の物語「ゴルディアスの結び目」 意外な展開の連続が快感「すぺるむ・さぴ…

【純文学】美人画に捧げし生涯、上村松園の涙 |『序の舞』| 宮尾登美子 | 感想 レビュー 書評

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1982年 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約738ページ 小説の概要 宮尾文学の喜び、巧みな滑り出し 現代でもなお残り続ける、男と女の非対称性を暴き出す 二人三脚が行き過ぎな母と子の関係 可もなく不可もない映画版 最…

【サスペンス小説】斬新!? 間取り図サスペンス |『変な家』| 雨穴 | 書評 レビュー 感想 評価

作品情報 著者 雨穴 出版日 2021年7月20日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約248ページ 小説の概要 家の間取りに事件を仕込む 間取り図から離れるとやや失速する中盤以降 最後に (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||func…

【伝奇小説】平家vs源義経vs吸血鬼 |『不死鬼 源平妖乱シリーズ #1』| 武内涼 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 武内涼 出版日 2019年10月11日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約512ページ 小説の概要 無駄のないハイテンポ忍び伝奇アクション 最大の欠点はキャラクターの薄さ 最後に 源平妖乱シリーズ 武内涼作品 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.Moshim…

【小説】受け継がれる音色、消えゆく魂 |『一絃の琴』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1978年 評価 95/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約528ページ 小説の概要 宮尾登美子作品なのに読みやすい!! 不自然さが微塵もない宮尾流リアリティ 信頼と裏切り、転落と復活、琴に翻弄される二人の生涯 最後に 宮尾登美子作品…

【小説】芸妓たちのオムニバス同窓会 |『寒椿(かんつばき)』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1977年4月16日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約379ページ 小説の概要 鮮やかに交差する、唯一つとして同じものはない女の生き様 またもや『櫂』のアレンジ版 最後に 宮尾登美子作品 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.Mosh…

【小説】現代に蘇る昭和の妓楼文化 |『陽暉楼(ようきろう)』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1976年 評価 95/100 オススメ度 ☆☆☆ ページ数 約408ページ 小説の概要 物語へと導く完璧なる冒頭 昭和初期の高級料亭に出会う感動 リアリティが浮き彫りにする陽暉楼の軍隊っぽさ 『櫂』との類似性 最後に 宮尾登美子作品 (…

【純文学】大正・昭和の闇金ウシジマくん |『岩伍覚え書』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1977年 評価 95/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約336ページ 小説の概要 裏社会を巣とする住人の目線 夫婦茶碗ならぬ夫婦小説 最後に 宮尾登美子作品 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||functi…

【歴史小説】大奥の嫁姑バトル |『天璋院篤姫(てんしょういんあつひめ)』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1984年9月6日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約841ページ 小説の概要 大奥で勃発、幕末最大の嫁姑バトル 原作小説と大河ドラマの比較 最後に 大河ドラマ版 宮尾登美子作品 小説の概要 この作品は、幕末を舞台に、薩摩…

【歴史小説】妖婦から聡明なる女王へ |『クレオパトラ』| 宮尾登美子 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 宮尾登美子 出版日 1996年9月1日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約890ページ 小説の概要 妖婦からイチ人間へ クレオパトラもメロメロ 歴史小説としてはやや軽い作風 最後に 宮尾登美子作品 小説の概要 この作品は、紀元前一世紀、プトレ…

【歴史小説】信長の鷹匠 |『戦国秘録 白鷹(はくよう)伝』| 山本兼一 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 山本兼一 出版日 2002年4月1日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約464ページ 小説の概要 脅威のデビュー作 貴族の遊びの裏から覗く戦国 ぶつ切りの設定、ぶつ切りのストーリー 最後に 山本兼一作品一覧 // リンク 小説の概要 この作品は、…

【歴史小説】美が生まれ死ぬ物語 |『利休にたずねよ』| 山本兼一 | 書評 レビュー 感想

映画版 予告 作品情報 著者 山本兼一 出版日 2008年10月24日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約531ページ 小説の概要 利休の人生を逆さに辿る、美の起源探しの物語 ふんわり柔らかふわふわ文体 原作小説と映画版との比較 最後に 山本兼一作品一覧 // リ…

【SF小説】果たして物語は終わったのか始まったのか |『アークトゥールス -全ての物語の完結と始まり-』| 藤木稟 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 藤木稟 出版日 2009年6月19日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約410ページ 小説の概要 星(アークトゥルス)に願いを託す、衝撃のラスト 歯車と化したキャラクターたち 読む順番に注意!! 最後に 前編 藤木稟作品 // リンク 小説の概要 こ…

【SF小説】円環の虚無と無秩序の快楽 |『テンダーワールド』| 藤木稟 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 藤木稟 出版日 2001年6月1日 評価 95/100 オススメ度 ☆☆☆ ページ数 約602ページ 小説の概要 サイバーパンクと伝奇と神話とミステリーとBLと… 作者と小説のフラクタルな関係性 新しいと古いが混在 最後に シリーズ 藤木稟作品 // リンク 小説の…

【SF小説】江戸情緒溢れるカラクリ奇譚 |『機巧のイヴ』| 乾緑郎 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 乾緑郎 出版日 2014年8月22日 評価 95/100 オススメ度 ☆☆☆ ページ数 約384ページ 小説の概要 カラクリ人形を題材とするカラクリ仕掛けの小説 ごった煮なのに引き締まった文章 最後に 機巧のイヴシリーズ 乾緑郎作品一覧 // リンク 小説の概要 …

【小説】屍のような人間と人間のような屍 |『妖都』| 津原泰水 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 津原泰水 出版日 1997年10月 評価 95/100 オススメ度 ☆☆☆ ページ数 約416ページ 小説の概要 何かが死に、何かが生まれる瞬間に立ち会う怪奇譚 死者というモチーフで結ばれた作品たち 最後に // リンク 小説の概要 この小説は、インディーズバ…

【歴史小説】清冽な雪国に育まれた名将、直江兼続の生涯 |『天地人』| 火坂 雅志 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 火坂雅志 出版日 2006年9月1日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約968ページ 小説の概要 雪化粧が映える越後の冬と、人間離れした謙信に酔う文章 延々と戦国時代の説明が続く退屈な中盤以降 最後に 小説の概要 この作品は、戦国大名である…

【歴史小説】堂々の最高傑作!! |『村上海賊の娘 #1~4』| 和田竜 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 和田竜 出版日 2013年10月22日 評価 95/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約1378ページ 小説の概要 和田竜らしい戦国愛が濃密に詰まった超大作 実質主人公ですらある真鍋海賊の大将 豪快な海戦と、それを支える緻密な構成力 最後に 和田竜作品 小説…

【小説】四谷怪談を文学として再創造した傑作 |『嗤う伊右衛門(いえもん)』| 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1997年6月1日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約381ページ 短評 この世の何も愛せない男と、愛が深い故に身を滅ぼす者たちの織り成す悲劇 原作があるゆえに強烈に滲み出る京極夏彦らしさ 最後に 京極夏彦作品 短評 この…

【歴史小説】詩と歴史書、そして義に生きた黄門様の生涯 |『光圀伝 上・下』| 冲方丁 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 冲方丁 出版日 2012年8月 評価 95/100 オススメ度 ☆☆☆ ページ数 約1040ページ 小説の概要 日本の歴史書作成に携わった光圀自身の歴史を辿る 優れた詩人である光圀を詩的な文体で表現する心意気 時代小説であると同時にSFでもあるぶっ飛んだオ…

【伝奇小説】宴の仕上げは伊豆の百鬼夜行(妖怪行列)|『塗仏の宴 宴の始末 百鬼夜行シリーズ #6(後編)』| 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1998年9月20日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約1088ページ 小説の概要 騙す側と騙される側、本末が転倒し続ける奇っ怪な宴の終焉 いくらなんでもトリックが雑すぎるという不満 最後に 百鬼夜行シリーズ 京極夏彦作品 /…

【伝奇小説】小説2、3冊分に及ぶ大ボリュームの序章 |『塗仏の宴 宴の支度 百鬼夜行シリーズ #6(前編)』| 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1998年3月30日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約994ページ 小説の概要 京極夏彦作品らしいどうかしている序章 シリーズでも最大級の知的興奮が味わえる妖怪の歴史講釈 ……とは言っても、やはり室内での会話が長すぎると…

【伝奇小説】人の時代が暮れ行き、妖しい夜に呑まれる帝都東亰 |『東亰異聞(とうけいいぶん)』| 小野不由美| 書評 レビュー 感想 評価

作品情報 著者 小野不由美 出版日 1994年4月 評価 95/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約435ページ 小説の概要 小野不由美という作家の才能に戦慄する脅威の伝奇ミステリー 文明開花の光すら届かない東亰 衝撃の二重構造ミステリー 最後に 小野不由美作品 // リ…

【伝奇小説】一度始動したら止まらない巧妙なる殺人機構 |『絡新婦(じょろうぐも)の理 百鬼夜行シリーズ #5』| 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1996年11月 評価 90/100 オススメ度 ☆ ページ数 約1408ページ 小説の概要 手駒が自発的に動くように仕向ける洗脳、真実の中に混ぜられる毒の如き僅かな嘘……全てが犯人不在で稼働するよう装置化された自律犯罪機関 シンメトリ…

【伝奇小説】禅問答のようなミステリー |『鉄鼠(てっそ)の檻 百鬼夜行シリーズ #4』| 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1996年1月 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約1376ページ 小説の概要 世俗から隔絶された禅寺で起こる僧侶連続殺人事件 『姑獲鳥の夏』のハイセンスなアレンジ版 またしても繰り返される苦痛極まりない会話劇 最後に 百鬼…

【伝奇小説】幾人もの記憶が生み出す複雑怪奇な模様 |『狂骨の夢』百鬼夜行シリーズ #3 | 京極夏彦 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 京極夏彦 出版日 1995年5月8日 評価 90/100 オススメ度 ☆ ページ数 約984ページ 小説の概要 髑髏や夢にまつわる怪奇譚、国譲りの神話、密教の怪しい儀式、フロイトとユングの精神分析が交差する壮大な伝奇ミステリー 常に眠気との戦いを強いら…

【SF小説】傑作前日譚、堂々の完結 |『マルドゥック・ヴェロシティ #3 最終巻』| 冲方丁 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 冲方丁 出版日 2006年11月22日新装版:2012年8月23日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約358ページ 小説の概要 ボイルドの不器用さを際立たせる文体のマジック ヴェロシティという一つの完成された物語 若干、辻褄合わせに走りすぎな終盤 …

【十二国記】十二国記版の官僚たちの夏ならぬ冬 |『十二国記 丕緒(ひしょ)の鳥』| 小野不由美 | 書評 レビュー 感想 評価

作品情報 著者 小野不由美 出版日 2013年6月26日 評価 95/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約349ページ 小説の概要 冬の時代を生きる役人たちの奮闘記 悩める芸術家「丕緒の鳥」 人の姿をした死に神が繁栄の終わりを告げる「落照の獄」 軽いのに重い荷物を運ぶ旅…

【ホラー小説】生命保険がえぐりだす人間の昆虫性 |『黒い家』| 貴志祐介 | 書評 レビュー 感想

作品情報 著者 貴志祐介 出版日 1997年6月27日 評価 90/100 オススメ度 ☆☆ ページ数 約392ページ 小説の概要 実体験を元に書かれた、今日も日本のどこかで起こっていてもおかしくない生々しい恐怖 サイコパスと保険金殺人という組み合わせの恐怖 最後に 映画…

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