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おすすめ小説

イースターズオフィスvsクインテット、死屍累々の激突 『マルドゥック・アノニマス #3』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2018年3月20日 短評 イースターズオフィスの全エンハンサーが参加するクインテット狩りの幕開け バロットとウフコック、最良かつ最強のパートナー再び またまた膨大な組織&人物の相関図 最後に マルドゥックシリー…

禅問答のようなミステリー、ミステリーのような禅問答 『鉄鼠(てっそ)の檻 百鬼夜行シリーズ #4』 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1996年1月 短評 世俗から隔絶された禅寺で起こる僧侶連続殺人事件 そこにあるのに見えぬもの、意味があるのに読めない犯行に翻弄される『姑獲鳥の夏』のハイセンスなアレンジ版 またしても繰り返される苦痛極まり…

幾人もの記憶が複雑怪奇な模様を作る凶夢の巨大マンダラ 『狂骨の夢 百鬼夜行シリーズ #3』 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1995年5月8日 短評 髑髏や夢にまつわる怪奇譚、国譲りの神話、密教の怪しい儀式、フロイトとユングの精神分析が交差する壮大な伝奇ミステリー 常に眠気との戦いを強いられる壮大な前置き&説明群 ミステリーとして…

予想を上回る第三世代オブジェクトの衝撃 『ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道 #6』 著者:鎌池和馬 電撃文庫 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 鎌池和馬 発売日 2012年6月8日 短評 ヘヴィーオブジェクト オブ デューティ ブラックオプスもしくはゴーストプロトコルな汚れ仕事に徹する巻 ぜひ映像で拝みたかった第三世代オブジェクト、ブロードスカイサーベル 感動的なものの…

匣、箱、筥の[はこ]尽くし幻想奇譚 『魍魎の匣 百鬼夜行シリーズ #2』 著者:京極夏彦 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 京極夏彦 発売日 1995年1月 短評 匣が匣を呼ぶ匣、匣、匣の匣物語 デザイナー京極夏彦のデザイン小説 魍魎の如き一筋縄ではいかない事件関係者たち どうしても気になる違和感 最後に 百鬼夜行シリーズ 実写映画版 短評 匣(はこ…

戦前・戦中・戦後と繰り返される身投げ事件の怪 『幽女の如き怨むもの 刀城言耶シリーズ #6』 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2012年4月23日 小説の概要 刀城言耶は脇役で主役は遊女という、花魁残酷物語 遊女という題材から導き出される答えはミステリーではなくホラー ミステリーはオマケのようなあっさりさ 最後に 刀城言耶シリーズ …

マルドゥック・シティをかき回す地殻変動の予兆 『マルドゥック・アノニマス #2』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年9月21日 短評 『スクランブル』のカジノ、『ヴェロシティ』の抗争に匹敵する犯罪組織へ潜入を試みるスリル 『アノニマス』というシリーズの方向性を決定づける、ハンターという発明 法律の横やりがない単調な…

新生09チームが謎の殺人ゲームの黒幕を追う新シリーズ第1巻 『マルドゥック・アノニマス #1』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2016年3月24日 短評 ヴェロシティに似た作風同様にボイルド化していくウフコック どこの誰か分からないエンハンサーの能力説明を延々聞かされ続けるやや退屈なアクション 最後に マルドゥックシリーズ 短評 作風は…

マルドゥックシティ犯罪レポートな短編集 『マルドゥック・フラグメンツ』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2011年5月10日 短評 マルドゥック・シリーズを整理し、補足し、予告する短編集 ひたすら繰り返されるワンパターン展開 最後に マルドゥックシリーズ 短評 6つ収録されている短編の半数以上が過去作の『マルドゥック…

古き戴国の落陽、新しき戴国の曙光 『十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #4 最終巻』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 戴国を偽りの王から解放すべく、仲間たちの屍の山を踏み超える過酷な決戦 悲痛な戦いを繰り広げる敵はマヌケばかりというずさんさ 7年ぶりの再会とは思えないほどの淡白さ 最後に 十二国記…

民を想い続けた賢君と民を拒絶した暴君、その行く末は…… 『十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #3』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年11月9日 短評 『魔性の子』をリフレインする極めて人間くさい玉座簒奪の動機 「散々引っ張ったわりにこれか……」というあっさり過ぎな真相 最後に 十二国記シリーズ 小野不由美作品 短評 3巻は泰麒(たい…

戴国の政治腐敗が生み出した闇と向き合う2巻 『十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #2』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 権力の中枢と末端の僻地、国の両端から戴に巣くう闇に迫る 2巻から目立つ登場人物が多すぎるという問題 最後に 十二国記シリーズ 小野不由美作品 短評 2巻は、戴(たい)国の現状について…

極寒の戴国を難解な漢字と硬派な文体で描破し尽くす力作中の力作 『十二国記 白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 #1』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2019年10月12日 短評 重厚すぎる風景描写と難解な漢字がお供の過酷な旅路 泰麒、6年ぶりの帰還なれど戴国に夜明けの兆しはなく 『黄昏の岸 暁の天』と同様、サスペンスフルなストーリー 最後に 十二国記シリー…

同胞と理想郷を望みそのどちらにも拒絶される悲哀を描く十二国記シリーズの序章 『十二国記 魔性の子』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 1991年9月25日 短評 単体のホラー小説から紆余曲折あってファンタジー小説の序章となった数奇な一冊 この世界のどこにも居場所のない二人が出会い、心を通わせ、最後は見苦しく哀れみを乞う悲劇 後藤というアリ…

傑作前日譚、堂々の完結 『マルドゥック・ヴェロシティ #3 最終巻』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:90/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2006年11月22日新装版:2012年8月23日 短評 ボイルドの不器用さを際立たせる文体のマジック ヴェロシティという一つの完成された物語 若干、辻褄合わせに走りすぎな終盤 最後に マルドゥックシリーズ 短評 ボイルド…

忍法合戦ならぬサイボーグ合戦の開幕 『マルドゥック・ヴェロシティ #2』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

まだまだ序章に過ぎなかった1巻とは打って変わり、マルドゥック・スクランブル09チームと傭兵集団カトル・カールによるサイボーグ同士の激しい殺し合いが幕を開け、刺激が大幅に増した。 山田風太郎の忍法帖のような肉体を強化されたサイボーグ同士の小気味…

マルドゥック・スクランブル09の成立直後に立ち会う前日譚 『マルドゥック・ヴェロシティ #1』 著者:冲方丁 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 冲方丁 発売日 2006年11月8日新装版:2012年8月23日 短評 マルドゥック・スクランブル本編との差異 ボイルドとウフコックの蜜月時代が逆に哀愁を誘う前日譚 最後に マルドゥックシリーズ 短評 『マルドゥック・スクランブル』本編…

十二国記版の官僚たちの夏ならぬ冬を描いた傑作短編集! 『十二国記 丕緒(ひしょ)の鳥』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:95/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2013年6月26日 短評 冬の時代を生きる役人たちの奮闘記 悩める芸術家「丕緒の鳥」 人の姿をした死に神が繁栄の終わりを告げる「落照の獄」 軽いのに重い荷物を運ぶ旅「青条の蘭」 本物の鳥が夜明けを伝える「風…

大殺戮バイオレンスコメディ 『悪の教典 上・下』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2010年7月30日 短評 サイコパス殺人鬼教師の2年4組観察日誌 時間配分に注意しないといけない、大ボリュームのクライマックス 必死で命乞いする三匹の子豚たちを笑いながら散弾銃で射殺していく狼 そんなメッセー…

防犯コンサルタントが探偵というアイデアの勝利 『硝子のハンマー 防犯探偵・榎本シリーズ #1』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 2004年4月20日 短評 密室の謎と同時にドラマの面白さの謎も判明 防犯のプロが専門知識を駆使し密室に挑む本格ミステリー 金持ちへの怒り、社会への怒りを体現する硝子のハンマー 最後に 防犯探偵・榎本シリーズ …

失われた平穏を取り戻すべく、少年が孤立無援の完全犯罪に挑む 『青の炎』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1999年10月25日 短評 テンポの良い完全犯罪計画 いくらなんでも蛇足過ぎる中盤以降 青春ものと文体の相性の悪さ 最後に 余談 貴志祐介作品 短評 我が物顔で家に居座る粗暴な男から家族を守るべく、頭脳明晰な17歳…

恐怖!? 忌み山の密室トリック 『山魔(やまんま)の如き嗤うもの 刀城言耶シリーズ #4』 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2008年4月28日 小説の概要 安定性抜群の刀城言耶シリーズ4作目 説得力が乏しい集落と、真新しさのない密室 最後に 刀城言耶シリーズ 小説の概要 この小説は、怪奇幻想作家である刀城言耶(とうじょうげんや)が…

中毒性は抜群、メッセージ性は希薄なスリル特化型のサバイバルデスゲーム 『クリムゾンの迷宮』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1999年4月 短評 作家性が濃厚という新鮮な感触のデスゲーム どこか違和感のあるデスゲームの真相 メッセージ性はどこに消えた 最後に 貴志祐介作品 短評 参加者同士が生き残りを賭け戦うデスゲームものとしては、…

フェイク・ドキュメンタリーならぬフェイク・ルポルタージュホラー 『残穢(ざんえ)』 著者:小野不由美 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 小野不由美 発売日 2012年7月20日 小説の概要 作者自身がナビゲーターを務める新感覚ホラー小説 ドキュメンタリーとフィクショナルなルールの連携プレー 序盤の退屈さは回避できず 最後に 映画版 小野不由美作品 小説の概要 この…

読者を欺く恍惚の罠 『首無の如き祟るもの 刀城言耶シリーズ #3』 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2007年5月7日 小説の概要 前作からガラッとスタイルを変えた、入り組んでいるのに読みやすい語り口 興奮しすぎて読書を中断することすら困難な謎解きパートの快感 最後に 刀城言耶シリーズ 小説の概要 この小説…

シリーズ慣れすることで真価を発揮する二作目 『凶鳥(まがとり)の如き忌むもの 刀城言耶シリーズ #2』 著者:三津田信三 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 三津田信三 発売日 2006年9月4日 短評 前作のホラー5 : ミステリー5の配分から、ホラー 2:ミステリー 8となり密室ミステリーへと変貌を遂げる 豪快な密室トリックに押され、やや控えめとなったホラー小説としての怖さ 最後に 刀城…

心臓が弱い人は読んではいけないホラー小説 『ぼぎわんが、来る』 著者:澤村伊智 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 澤村伊智 発売日 2015年10月30日 短評 本能が警告を発する不気味な来訪者ぼぎわん 急激にラノベ化して興味が失せる中盤以降 最後に 短評 ぼぎわんという小説オリジナルの家を訪ねてくる妖怪があまりにも怖すぎてトラウマになるほ…

怖さよりもテンポ重視のノンストップスリラー 『リング』 著者:鈴木光司 〈書評・レビュー・感想〉

評価:80/100 作品情報 著者 鈴木光司 発売日 1991年6月 短評 映画はホラー、原作小説はスリラー 見たら1週間後に死ぬ呪いのビデオの謎を追い小気味よく展開する貞子探しのストーリー 最後に 短評 ホラー作品として完成度の高い映画版とは異なり、原作小説は…

生命保険がえぐりだす人間の昆虫性 『黒い家』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:85/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1997年6月27日 短評 実体験を元に書かれた、今日も日本のどこかで起こっていてもおかしくない生々しい恐怖 サイコパスと保険金殺人という組み合わせの恐怖 最後に 映画版 貴志祐介作品 短評 作者が作家になる前、…

骨の髄まで恐怖で凍る圧巻のホラーミステリー 『天使の囀(さえず)り』 著者:貴志祐介 〈書評・レビュー・感想〉

評価:100/100 作品情報 著者 貴志祐介 発売日 1998年6月(単行本) 小説の概要 あらすじ 作家デビュー初期に書かれた大傑作 天使の羽音と囀りが不吉に共鳴していく圧巻の語り口 そこで笑わせるかというユーモアセンスのぶっ壊れ具合 最後に 余談 貴志祐介作…

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