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[レビュー]24 レガシー 〈感想・評価〉

 

トレーラー

 
評価:75/100
 

イントロダクション

 
 24シリーズのスピンオフであり、24シリーズとしては10作目(リデンプションを除く)。1~8作目が全24話なのに対し、9作目のリブ・アナザー・デイ同様の全12話のミニシリーズ。
 
 1~9作目までの主人公であるジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)や、常連メンバーであるクロエ・オブライエン(メアリー・リン・ライスカブ)は登場せず。ストーリーには別段繋がりはないためこれまでのシリーズを未見でも理解に支障はないものの、シリーズ初期のジャックの相棒でもあったトニー・アルメイダ(カルロス・バーナード)がゲスト的に再登場するため、シリーズを知っているほうがより楽しめる。
 
 
 

ジャック・バウアーやクロエ・オブライエン不在のパワー不足をカバーし切れず・・・・・・

 
 24シリーズはそこまで厳密でなくともリアルタイム性をウリにしているため、自分の大嫌いなスローモーションがないのと、アメリカドラマにありがちな水増しのための主要登場人物の過去を振り返る回想やらフラッシュフォワード的に未来に起こる出来事を描いたりといった時間軸を前後させるしょうもない小細工を使わない真っ向勝負姿勢な作りのため、非常に好感が持てて好きです。
 
 ですが、今作はスピンオフでシリーズの中心となるジャック・バウアーというカリスマ主人公が不在という問題が寸分違わず作品の勢いを失速させるという形で現れてしまっており、見る前からある程度は予想していた下方修正分まんまの満足度でした。
 
 作品の作り(わざと手ぶれさせて臨場感を出そうとする撮影・スプリットスクリーン多用で緊迫感を出そうとする編集、など)はほぼこれまでのシリーズをそのまま踏襲しているのですが、問題は今までと同じことをそのままなぞるだけで、キャストを一新させたことによって新鮮味を出す工夫や、新しい演出手法を取り入れるなどのアイデアが不足している点。このジャックというシリーズの支柱を失ったことによる勢い不足をカバーするほどの新鮮味が今作にはないという問題が結局最後まで付きまとい、ただ単にジャックが欠けただけのいつもの24になってしまった印象です。今作を見る前はマンネリ打破の意味合いもあるであろうジャックを外すという選択肢を取る以上、もしかしたら演出手法も大幅に変えてくるのかなと予想していたら、まったくいつもの24のままでやや拍子抜けしました。
 
 この物足りなさは同じレガシーフレンズでもある、ボーンレガシーに似ており、ボーンアイデンティティスプレマシーアルティメイタムという傑作三連発の後に、同じく主人公のジェイソン・ボーンが登場しないスピンオフのレガシーを見せられた際の「あぁ、出来は悪くはないけど良くもないよね・・・・・・」という、お馴染みの主人公不在によるぽっかり穴が空いたような空白感&単体の作品としての完成度もやや後退という出来にそっくり。
 
 ジャック不在という大きな問題以外にも、無数に細かい欠点も抱えており、これがわりとストレートにサスペンスとしての物足りなさに直結してしまっており、残念。24シリーズはリアルタイム進行という制約上過去に起こった出来事を回想で振り返り、分かりやすく視覚的に情報を伝えるという手が使えません。それなのに、序盤だけならまだしも、ラストまで話の中心となるのは主人公が半年前に参加したイエメンで行われたテロリストの首謀者の暗殺作戦に端を発したテロ事件なため、ただセリフでしか語られない、全貌の掴みようがない過去のエピソードが軸となるという設定の置き方が24シリーズのストーリーテリング手法とイマイチ喰い合わせが悪く、難があります。
 
 その他にも、これまでのシリーズにはほぼ当たり前にあったホワイトハウス内(アメリカ大統領周り)のマクロ視点の政治的なやり取りが削られ、現場のミクロ視点に限定されたことでテロのスケール感が減少して見えたり、ところどころ予算がないのかな?と不安になるくらいセットが凡庸だったり、派手なシーンをカットを割って編集で誤魔化していたりとやたら作品として縮こまって見える箇所が多かったり、危機的状況の描写もいつもの24シリーズならもう一押しえげつなく登場人物を追い込むのにという部分がわりとあっさりしていたりと、作品全体に締まりがありません
 
 ただ、一作前のリブ・アナザー・デイと同じく全12話のミニシリーズのため、尺の都合上サスペンスのためのサスペンスでしかないどうでもいい間延びするだけのシーンは極力削られ、要素が必要最低限に絞られており(それでもまだ無駄なシーンは多いですが)、起こることにはややスケール感が足りないものの、ダラダラしてテンポが停滞する箇所がないのは救いでした。
 
 
 

最後に

 
 いつもの24シリーズに比べると何もかもが物足りないですが、それでも24シリーズなので期待さえし過ぎなければ並みのサスペンスドラマよりかは確実に楽しめる一作。
 
 
 

 

12:00 P.M. - 1:00 P.M.

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